R12 屋上デスゲームPart2
T高校ではデスゲーム2が大流行している。
ルールはこう。
1、屋上で校長の名前入り硬球ボールを買う。
2、屋上から校長目がけてボールを投げる。
校長に当てたら勝ち。気分爽快。
校長以外の人へ当てたら負け。残念。ボールを当てられてた人は校長に慰謝料を請求する。
期末テストを来週に控え、生徒たちはストレス発散に余念がない。現実逃避ではない、これは決起なのだと信念を宿した瞳で校長を狙う。
「居たか!?」
「だめだ、屋上からじゃ見えない位置にいるようだ」
隠れることしかできない臆病者の腐れマザーファッカー、それがT高校の校長の総称である。
「くそっ!帰宅時間を待つしかないのか」
生徒たちが絶望に包まれた瞬間、轟音と共に屋上に何かが落下した。
衝撃で吹き飛ばされた生徒たちは、血まみれになりながら、屋上に刺さったそれを見つめた。
「あ、あなたは!」
土煙が晴れ、目の前に刺さっているのが爆弾ではなく一人の人物だと気づく。
「センパイ!!」
ヤマ張りの神様、センパイのご登校である。その幻の人物を学校にいるのを見ただけで、その日買ったロトは必ず高額当選を果たし、言葉を交わすことができた者は、高額納税者に名を連ねると噂の人物だ。
生徒たちはこぞって屋上係からセンパイへの供物を買って捧げた。本日はみかん。センパイは焼くのがお好みだそうだ。
「お前たちは勘違いをしている」
センパイは屋上に突き刺さったまま、両腕を組んで言った。
「見えない場所にいるのなら、見える場所に立たせれば良いだけだ。それすらもできない輩など、T高校に足を踏み入れる資格などない!期末テスト以前の問題だ!」
生徒たちはハッとした。そうだ、今までなんと甘えた考えをしていたのだろう、と。与えられたものだけで物を考えるのではないのだ。配られたカードに良い手がないのなら、新たにカードを引けば良いだけだ。
生徒たちは一斉に動いた。自分に何ができるかではない、何をさせるかなのだ。
5分後、真っ青な顔で裏庭に走る校長の背中へ、一斉にボールを投げることに成功した。
「センパイ、ありがとうございました!」
生徒たちは晴れ晴れとした顔でセンパイに礼をし、屋上を出て行った。彼らにヤマ張りノートはもう必要ないだろう。
翌週の期末テストにおいて満点をとる生徒が続出したが、センパイとお会いしたと揃って証言したため、恙なく終わったのだった。
「センパイ、出席日数足りてるんですか?」
「三回留年したあたりで数えるのを止めた」




