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~事の発端~
プロローグ
「理人、お爺ちゃんがもうあまり長くないから帰ってらっしゃい。」
大学生になったばかりの俺[管 理人]にお袋から電話があった、何でも俺の祖父[菅 理王]が御年120歳で亡くなる1歩手前まで来ているから1度帰ってこいとの電話だった。
俺は急いで支度し、国境を跨ぎ1日かけて実家に帰ってきたが、祖父は息を引き取ってしまった状態だった、帰って来たときには、皆悲しみながらもせっせと支度し、静かに葬儀を執り行われた。
自宅の遺品を整理していたとき、祖父の遺言書が見つかった、皆が集まったその遺言書を読み上げていくと、家族宛の手紙と遺産の配分について書かれていた。
家族には土地やら財産の分配が行われ、俺には少しの遺産と今年の春に新しく完成する祖父が建てたアパートの権利書と管理人の指名だった。
俺は国内の大学に近いことからそれを承諾、学生寮から荷物を移動して、全てが終わる頃には晴れてアパート[モノクロ]の管理人になることになった。