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18エピローグ

 


 とくんとくんと命の音。


 目を開けば茶色い天井。


 体を苛む激痛に身を縮める。

 痛みを緩和する薬は取り上げられている。


 痛い痛い痛い。

 ぼくは正気?


 死ねない体を抱えてぼくは一つの部屋から動けない。


 ここは死の国。


 流転してゆく人の生き様をただ見守ることしかできない。


 そんな中、ぼくは死ねない。

 死にそうになっても死ねない。

 ぼくは不死。

 死の国において不死。

 死ねない死ねない。

 命の世界にぼくはいけない。


 閉ざされた世界。

 痛みで閉ざされた世界。


 ずるずるとただ生きる。


 気が、つかなければよかった。

 知らないままでいればよかった。

 きっといつの間にか入れ替わるまわり。

 知らなければ。

 知ろうとしなければ。

 こんな苦しみもなかったのに。


 手放した君はとおく。

 届かない。


 痛い。寂しい。


 支配者の名を持つぼくは何もできない。


幻環『不死』と同じもの

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