第2話 キミの名前は…
「ユーキ~!なにして…」
林の中から顔をだしたマツは、しばらく唖然としていた。
まあ、無理もないだろう。
赤面する美少女、息を荒げているキョーカ、そして裸のまま倒れて気を失っているユーキ…。
この状況で驚かない人間など、逆にいないだろう。
「…な、何が…あったの…?」
キョーカがマツを睨み付ける。
「お前のせいだぁ!」
「何でっ!?グハッ!!」
プロも顔負けの右ストレートがマツのみぞおちにめり込む。
その瞬間、彼の意識は深い闇へと堕ちていった…。
「あっ!目を覚ましました!」
僕は、起きた瞬間、その声を聞いた。…とても、キレイな声だ。
「う…ん…。あれ、僕は何で寝てたんだ…?」
「お…おはようございます。ユーキさん…。」
「ん…?おはよ…って、あ!さっきの!」
その銀色の流れるような髪を見た時、全てを思い出した。
自分が今、タオルにくるまっていることを確認した後、僕はすぐさま土下座の体勢へ移った。
「先ほどはどうもすいませんでしたぁぁ!!!」
自分のこれまでの人生の中でも、ベスト3に入るほど綺麗な土下座だと思う。…タオルでよく見えないだろうが。
「いえ…!そ、そんな…。だ、大丈夫ですよ。」
絶対に大丈夫ではない。なぜなら、さっきからまったく目を合わせてくれないのだ。
いや、まあね。僕のやったことは完っ全な!痴漢行為!!セクハラですからね!?(泣)こうして口を聞いてくれるだけでもありがたいことなんですけどね!?
「おう、目を覚ましてたのか。変態」
グハッ!突き刺さる!「変態」という言葉が心に突き刺さる!
ドラ○エだったら、「ユーキは、999999のダメージを受けた!」と表示されているだろう。
「そ、そんな!ユーキさんだって、わざとセクハラしたんじゃないんですし…!そんな事言ったら可哀想ですよ!」
ユーキは999999のダメージを受けた!
…グフッ!美少女からのセクハラという言葉がここまで効くとは…!
「あれ?そういえばなんで僕の名前知ってるの?」
「私が教えた以外になにかあると思うか?変態」
ユーキは999999のダメージを受けた!
「…そういえばマツは?…あ、いた。」
おそらく八つ当たりをくらったのだろう。マツは寝転がった状態で放置されている。…周りをみると、さっきの浜から移動はしてないようだ。
「とりあえずお前はさっさと着替えたらどうだ?変態」
…HPなんてとっくに振り切っているのでそろそろ攻撃をやめてほしい。
「わかったよ。岩かげ行くから次こそ覗か…ナンデモナイデス」
キョーカが拳を握ったので、そこで言うのをやめた。
「そういえばキミ、名前はなんて言うの?」
「あ、はい。私は…海野天音と言います。よろしくお願いしますね」
はい!2話です!1話の時に短いという意見をいただいたのですが…2話もかなり短めになってしまいました。ごめんなさい_(._.)_3話こそは!もっと長くしたいと思います!
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