表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第1話 浜辺の天使

 夢を見た。

 キミのことをまた、思い出してしまった。

 キミは今、どこにいるのだろうか。僕達と過ごしたあの日々のことを、キミは覚えているだろうか。

 たまには思い出してほしい。

 それは、暑い暑い夏の日のこと…僕は、キミと出会った。


 「海だぁぁぁぁぁぁ!!!」

 「うるさい。落ち着け」

 夏、セミの声がうるさくなりだしたこの時期。僕は友人2人と海に来ていた。

 「だって海だよ!?ここではしゃがないでいつはしゃぐのさ!?ヒャッホォォォォォォォイ!!!」

 この騒がしいのは、松本幸成(まつもとこうせい)。僕らはマツってよんでる。

 「はぁ…。まあ、せっかくの海だしな。たまにはこういうのも良いか。好きにしろ。」

 こっちの落ち着いてるのが、武野京華(たけのきょうか)。男っぽいしゃべり方だけど女の子。

 「ユーキ~!早くこっち来なよ~!」

 「うん!わかった~!って、もう泳いでる!?着替えるの早くない!?」

 「まったく…。アイツ、少しは落ち着いたらどうなんだ…」

 「あはは…。でも、そこがマツの良いとこでもあるし…ってキョーカももう着替えてるじゃないか」

 「こ…これはだな、その…せ、せっかく海に来たんだから、楽しまないと損だろう!?ユーキ!お前も早く着替えて来いっ!!」

 「ヒイッ!わ、分かりましたっ!」

 …なんで僕が怒鳴られなきゃいけないんだ。少し理不尽な気もしたが、僕は急いで…どこに行けばいいんだ?

 「ねえ、キョーカ。どこで着替えたの?」

 「あ?いや、私は服の下に水着を着てたからな。お前、着てないのか?」

 「うん。僕もそうして来れば良かったな。」

 「まったく…。お前はいつものほほんとしてるからな。」

 余計なお世話だ。

 「それならさ!あっちに人の居ない浜があったから、そこで着替えれば?」

 いつの間にそこにいたのか。マツがそう提案した。

 「そうだね。そうしようかな。覗かないでよ?キョーカ」

 「なるほど。死にたいようだな…」

 キョーカが拳を握った。

 「じょ、冗談だよ!じょうだ…グハッ!」

 キョーカのアッパーが見事に決まり、僕の体は宙を舞った…。


 「あー。痛かった…。」

 なんてことを呟きながら、僕は人の居ない浜で着替えていた。

 ジャリッ…

 誰か来る。

 靴下以外何も履いていないという、奇抜な格好をしていた僕は咄嗟に近くの岩影に隠れた。

 「女の子だ。…綺麗だなぁ。」

 来たのは、僕と同じくらいの年の女の子。…ハーフだろうか、綺麗な銀色の髪に蒼い瞳をしている。例えるならば、まさに天使そのものである。

 女の子は辺りを見回し、

 「誰もいないよね…。」

 そう呟くと、歌を歌い始めた。

 …僕は、これほど綺麗な歌声をこれまで聴いたことがなかった。恐らく、これからもないだろう。

 それほどまでに、その歌声は美しかったのだ。

 歌が終わる。

 僕は思わず、拍手しながら女の子の前に出てきてしまった。

 そう。思わず、だ。

 「すごく綺麗な歌だったよ!キミ、名前は…」

 そこで僕は女の子が真っ赤になってうつむいている事に気づいた。

 そういえば、僕は今、○ディ・ガガもびっくりの恐ろしく奇抜な格好をしていたのだ…。

 「着替え、終わっただろ?何してる?」

 運の悪いことに、ちょうどその時、キョーカが現れた。

 …こうして僕は、今日2度目のアッパーをくらうこととなった。

                                 続く

初投稿です!織田遥希と申します。

この作品は、できれば夏の間に仕上げたいと思っています。なので夏休みの間、暇な時でも読んでくれると嬉しいです。

ご感想や、アドバイスなどもお待ちしています。

                        Twitterー@oritatantan 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ