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俺とクレアの異世界転生黙示録 〜純情編〜  作者: ゆか
俺とクレアのイチャラブ全裸サバイバル、或いは島編
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清水

「青いですね」


 呟く俺。


「青いな」


 復唱するクレア様。


 岩山の頂から望む光景は、どちらを向いても青、青、青。

 雲一つ無い快晴の下、穏やかに凪いだ海。

 どれだけ遠方へと目を凝らした所で、陸地の一つも見えはしない。


 それはまさに息をのむ絶景と言えたが、それを観て感動している場合では無い。

 俺たちが転生して来たこの場所は、歩いて半日もかからずその沿岸を一周出来そうな、小さな小さな無人島だったのだ。


「これ、仮に能力値ボーナスがあったとしても、難易度高過ぎないですかね」


 あんまりにもあんまりなスタート地点に、俺は思わずそうこぼす。

 だがそれを聞いたクレア様は、ここは転生先として意図された場所では無いと言う。


「あの装置は本来、人間が生活可能な場所を大陸上から無作為に選出し、そこへ転生者を転送するように作られていた。

 しかし想定されていなかった二人同時の転送で、座標設定に不具合が出たのかも知れん」


 そしてクレア様はさらに、


「いずれにせよ、まずは生活環境を確保しなければならん」


と続ける。


「あの装置の影響を受けた妾の身は、人のそれに近くなっているようだ。

 生命活動の維持には、貴様と同じく水や食料を必要とするだろう」






 俺がこの岩山に登ったのは、決して馬鹿は高い所が好きだとかそう言う理由ではない。

 俺たちがこれからどこへ向かうにせよ、明らかな危険地帯があればそれを避けつつ、まずはこの世界の住人を探して接触しなければならないと考えたのだ。

 そしてその為には、高所から周囲の様子を調べることによって、進むべき方向を決めれば良いだろうと。


 岩山の頂上は、数人が寝そべることができる程度の窪地となっていた。

 そこからしばらくの間遠景を眺めていた俺は、島の環境を探る為に視線を下方へと落とす。

 当初の計画は頓挫したが、この場所が周辺環境の把握に適していることには変わりない。

 クレア様の言うように、とりあえず思考を生活環境確保へと切り替えて行く。


 この世界には驚くべき事に、エルフやドワーフと言った亜人、さらにはオークやトロル、ドラゴンなどの魔物と呼ばれる生物まで存在するらしい。

 地球人の空想上の生物がこの世界に実在することは不思議だが、クレア様の言によるとあらゆる世界の人間の魂魄は意識階層下——普遍的無意識の領域で繋がっているとのことで、先人たちは意図せずともそれを通してこの世界を感じていたのかも知れない。

 まあその真偽はともかくとして、こんな小さな島では魔物はおろか、通常の大型動物すらいそうにない。

 その点は不幸中の幸いと言えるだろう。


 島の大部分は樹木に覆われており、その所々に草地が点在する。

 最初俺たちがいた草地は、それらの中でも比較的大きいものだったようだ。

 

 この岩山を挟んでちょうど反対側の位置には、先ほどの草地と同じ程度の大きさの池がある。

 水面が太陽の光を反射して、まるで鏡のようだ。

 そしてその池には、この岩山の中程が水源となっているらしき、小川が流れ込んでいる。


 良かった。

 真水の確保は心配しなくてもよさそうだ。


「とりあえず、あの池の辺りを調べてみましょうか」


 クレア様の承諾を得た俺は再び彼女を背負うと、登頂経路とは逆方向に岩山を下り始めた。






 小川は岩山の中腹の、洞窟から流れ出していた。

 あまり深くは無い洞窟だが、中はそれなりの広さがある。

 薄暗い洞窟内部の壁には冷水が湧き出している箇所があり、そこから長年の浸食によって出来たのであろう細い水路が洞窟入り口へと通っていた。


 そんなわけで、当面の間風雨を凌げそうな場所を見つけ安堵した俺は、そのまま小川沿いに岩山をくだってきた。

 だが、河原の丸石に転ばぬよう気をつけながら進んでいる俺は今、岩山登頂時以来の緊張感に包まれている。


 さっきから、背中のクレア様の様子が何かおかしい。

 ときどき、その身体をモゾモゾと動かすのだ。

 密着した身体がいろいろとこすれて、俺の理性は大変まずいことになっている。


「ど、どうかされました?」


 そう問う俺にクレア様は、澄んではいるがどこか困惑したような声で、自らの身に起こった異変を伝えてくれた。


「どうも、生理現象を催したらしい」


 なるほど、神様でもそう言うのがあるのか。

 いや、これも転生によって人に近くなったことが原因だろうか。

 いずれにせよ大事じゃなくて良かったと、俺はほっと胸を撫で下ろす。


「では、俺は後ろを向いていますので、ここでして下さい」


 我慢はよくない。

 クレア様を降ろし、緊張で額に浮かんでいた冷や汗を拭いながら、俺はそう促す。

 しかし、クレア様は意味が分からないと言った風に、


「なに?」


と、聞き返して来た。


「俺の手が届かない所でクレア様に何かあったら大変じゃないですか!」


 例え大型獣がいないとしても、危険が全く無いと言い切れる訳ではない。


「貴様、そこまでの変態だったとはな」


 どこか蔑みの色を含む冷徹な目で俺を見たクレア様はそう言いつつも、その場にゆっくりと腰を落とした。

 かがみ込んだ彼女の背中からお尻、そして太ももへの流れるような曲線が、とても美しい。


 おっと、見蕩れている場合では無かった。

 俺はクレア様の反対側へと身体を向ける。


 やがて彼女の方から「んっ」と言う小さな可愛らしい声が漏れ聞こえたかと思うと、側の小川の清流音に混じり、何かを水が断続的に打つような音が聞こえ始める。


 なに、邪な気持ちで彼女にこんなことをさせている訳ではない。

 決してない。

 断じてない。


 平常心、平常心。


 しばらくの後クレア様が立ち上がる気配を感じた俺は、再び彼女を背負う為に腰を落とす。

 だが、彼女はそこで一言、「待て」と俺を静止する。

 クレア様の方を振り返る俺に対し、彼女は小川の方へと顔を向ける。


「そこで洗わせろ」


 彼女はそう言うと、俺には目もくれずスタスタと歩き出した。

 慌ててそれを追うように、俺も後へと続く。

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