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俺とクレアの異世界転生黙示録 〜純情編〜  作者: ゆか
俺とクレアのイチャラブ全裸サバイバル、或いは島編
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登頂

 ずっとこの場にいても仕方が無い。


 そう考えた俺は、クレア様の股の下から両足を引き抜いて起き上がり、周囲の様子を見回した。

 この草地は周りをぐるりと円弧状に木々に囲われているものの、一カ所だけ開いた箇所が存在する。

 その開口部の先は、そのまま小高い岩山へと続いているようだ。

 岩山の斜面はそこまで急には見えないので、容易に登頂することが出来るだろう。


「とりあえず、一度あの上に昇ってこれからの方針を立てましょう」


 そう提案した俺に、クレア様も「よかろう」と二つ返事で承諾をくれた。






「それは何のまねだ」


 腰を落とし両手を前へ突き出した俺に、クレア様が問いかけて来た。


「何って、裸足で歩いたら怪我しちゃうかもしれないじゃないですか。

 さあ、遠慮なさらずその身を俺に預けて下さい!」


 彼女の足になることを決断した俺に対してクレア様は、どこか呆れたようなものをその深く蒼い瞳に浮かべながらも、無言でその腰を俺の両腕の間に落とした。

 いわゆる、お姫様だっこの形だ。


 ストンと俺の胸元に収まったクレア様。

 その体重は予想していたよりも軽かったが、彼女の確かな命の重みが感じられる。


 視線を落とし、クレア様の小さな身体を見つめる。

 なんて、きめの細かい肌なのだろう。

 彼女の少しひんやりとした肌から伝わるスベスベとしながらも柔らかな感触は、決して壊してはならない繊細な芸術作品を思わせる。


 そして俺は彼女の体温を堪能しながらゆっくりと立ち上がると、岩山を目指してその足を踏み出す。

 しかしそこに、


「背負う方が楽ではないか?」


と、クレア様がもっともな疑問を投げかけて来た。


「いえいえ、問題ありません」


 それだとクレア様の奇麗な全身を眺めることが出来なくなってしまうではないか。


 一時たりとも目を離してなるものかと、彼女の身体を凝視しながら、一歩一歩足を進める。

 そんな俺に、彼女は一言指示を出してきた。


「妾ではなく、きちんと前を見て歩け」






 道程は短いが、ここが未知の土地である以上、生き物との遭遇には細心の注意を払う。

 しかし幸いにも、蝶のような昆虫くらいしか目にすることは無かった。

 俺たちは木々に挟まれた草の道を抜け、灰色の岩盤で出来た緩やかな斜面を登る。


 しばらくの間はクレア様を両腕に抱えて進んでいた俺だが、いくら彼女が軽いとは言え、この慣れない格好は思ったよりも負担になっていたようだ。

 岩山の中程に到達した頃には、すっかり手が疲れてしまっていた。


「……やっぱり背負わせていただいても構いませんかね」


 そんな情けないことを言う俺へと、クレア様は「それ見たことか」と冷たい視線を送り、スルリと地面に降り立った。


「ありがとうございます……」


 感謝を述べながら、再び彼女を乗せる為に腰を落とす俺。

 今度は両腕を背中の方へと向ける。


 そして後方から近づく彼女の気配を感じながら、彼女が自分の視界から外れてしまったことを嘆いていると、少しひんやりとした人肌が俺の背中にぴったりと貼り付いて来た。


 ここここれはまずい!

 信じられないほどに心地良い感触だ。


 背中に訪れた予想外の刺激に軽くパニックに陥っている俺の首に、彼女の細く滑らかな腕がスルリと絡められる。


 やばいやばいやばい!

 高鳴る心臓を必死に鎮めながら、ゆっくりと彼女の両太ももを抱え上げる。


 や、柔らか過ぎる!

 かつて味わったことの無い快感に気を動転しながらも、俺はなんとか再び足を進め始める。


 だが、至福の時間はこれだけでは終わらなかった。

 目の前に、両手を使わなければ乗り越えられなさそうな、急斜面が姿を現したのだ。


「ク、クレア様。

 ちょっとしがみついていただいても構わないでしょうか」


 俺の要求に彼女は「わかった」と応答すると、俺の首に絡み付けた両腕に力を込め、両足で俺の腰を挟み込み、しっかりと抱きついてきた。


 密着した体表から、彼女の鼓動すらもが伝わってくる。

 逆に俺の鳴動する心臓も彼女に伝わっているのではないか。

 身体中から汗が噴き出してくるような錯覚が起こる。


 極度の緊張と疲労と快楽の中、背中にクレア様を抱きつかせたまま、手を伸ばし足を伸ばし、這うように急斜面を昇って行く。

 そしてなんとか山頂へと到達することに成功した俺は、精魂尽き果てたかのように、その場へと倒れ込んだ。






「貴様の反応はなかなか面白かったぞ」


 岩山の頂に到達した俺に、クレア様が最初にかけてくれた言葉がこれだ。

 その顔にはうっすらと、あの邪悪な笑みが浮かんでいる。


「心臓止まるかと思いましたよ」


 肉体的にも精神的にも疲弊しきった俺は、身体を休めながらそう返した。


「悪くは無かったであろう?」


 貴様の弱みはお見通しだと言わんばかりに問う彼女に俺は、


「ええ、それはもう」


と、多少落ち着いて来た今だから言える肯定の返事をする。

 確かに、冷静になって考えてみれば、これから何度でもお願いしたいくらいだ。


 背中に残った幸せな感触に頬を緩ませている俺の耳に、僅かに呆れを含んだクレア様の声が響く。


「貴様は本当に分かりやすいな」

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