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趙子龍、推参なり。

中国・後漢末期、劉備軍の趙雲子龍が玄徳の妻子を助けるために出陣したがどうやら赤ん坊を連れて異世界に転生してしまったらしい。子龍は無事に赤ん坊を連れて劉備のところに帰ることはできるのか…

それは中国・後漢末期(建安13年「208年」)の時の出来事である。南郡当陽県の長坂での戦いでは南下してくる曹操孟徳(後の魏の実質的な創設者)から民と共に逃げる劉備玄徳(後の初代蜀皇帝)という一方的な戦であった。さらに、劉備は民を見捨てて逃げることのできない義のある将であったため自分の妻子ですら吾先に逃げることができない状態にあった。


「伝令っ、伝令っ。玄徳様、共に城から歩いてきた玄徳様の妻子が見当たりません」


「なにっ、それは本当か」


「はい。最後尾からお声がけしながら参りましたがどこにも見当たりませんでした。」


「なんとういことか…」


玄徳はグッと肩を落として落胆した。


「玄徳様、妻子を探すという命、我に命じてくださいませんか。」


「おぉ、子龍ではないか。だが、曹操の軍はもうそこまできている。ただでさえこの戦いで我が軍は多数の被害を受けたそこで子龍まで私は失いたくない…」


そう玄徳が言うと子龍はドンッと手を胸に当てて言った。


「この趙雲 子龍。必ずや玄徳様の妻子を連れ生きて帰って参ります。」


劉備の目には溢れんばかりの潤いが浸っていた。


「子龍よ、私の糜夫人「びふじん」(劉備の妻)と阿斗「あと」(劉備の子供、二代目蜀皇帝)を頼みます。」


「ハッ、必ずやお二人を玄徳様の所へお連れいたします。」


そう言い残して白馬に乗り長く鋭い槍を持った将が駆けて行った。


「必ず帰ってくるんだぞ、子龍…」


どすどすとものすごい速いスピードで子龍は走って行った。


「阿斗様、阿斗様はおりませぬか。」

「おそらく身を潜めれるのはこの近くだったらこの集落しかないはず…」


戦場になった村には火が放たれていて当たりから煙が上がっている。


「いったい阿斗様達はいずこへいらっしゃるのか…」


「子龍よ。いるのか?」


「この声は?!?」


奥の方へ駆けていくと。


「奥方様っ、大丈夫ですか?!」


そこには火を放たれた家が崩れ落ち赤子を抱えながらその瓦礫に足を取られ寝そべっている奥方の姿があった。


「奥方様。この趙子龍が必ずや貴方と阿斗様を玄徳様の元へお運びします。」


そういって馬から降り瓦礫をどかそうとすると。


「なりません。子龍よ。私はもう動けそうにありません」

「どうか。阿斗を連れて行って私を置いて行きなさい。」


「なりません、奥方様、貴方は大切な玄徳様の妃です。そのようなことは決してできるものではありません。」


「子龍っ。早く阿斗を持ちなさい。」


「ですが…」


「早くっ。」


子龍は奥方から阿斗を受け継いだ。


「さぁ、阿斗を連れて早く行きなさい。」


「かしこまりました…御免…」


子龍が奥方の元から離れていく。


「貴方の成長する顔が見たかったわ…」


その直後建物は完全に崩壊した。


「必ずや阿斗様を玄徳様の元へお連れします。」


そう言い残して赤子を抱き抱えながら子龍は玄徳の元へ帰って行った。


曹操の大軍に劉備軍が蹂躙されているさなか


「玄徳様の元へ行くにはあの曹操軍を抜ける必要があるか…。阿斗様ご安心ください、必ずや趙子龍が守ってみせます。」


曹軍「おいっ、敵将だー。討ち取れー。絶対に逃すなー」


スパン、スパンっと。子龍を討ち取ろうとした敵の首が落とされていった。その力を目の当たりにした曹軍は徐々に怖気付いて行った。


曹軍「いったいあの将は何者なんだっ」


「我こそは常山の趙子龍。命が惜しいものはそこをどけぇぇぇ」


曹軍「ひぇぇ。逃げろー」


この時子龍はたった1人で赤子を抱えたまま曹軍の将を含めて100人ほど討ち取ったという。

そうして子龍は阿斗を抱き抱えたまま窮地を脱出したのだ。


「はぁはぁ。ここまでこれば流石の曹軍もおってこれまい。しかし。さっきから砂嵐が激しくなってきた、ついさっきまではこんなに風が吹いていなかったはずだが」


砂嵐はどんどん勢いを増しついには目の前ですら見えないほど濃くなっていった。


「何分。いや、何時間彷徨っているのだろうか…

阿斗様あともう少しの辛抱でございますぞ」


赤子に砂が行かぬようしっかりと抱き抱え直した。


「おや?」


やっとの思いで砂嵐を抜けると先ほどまでいた南郡の地とは違い少し北部のような荒れた大地が広がっていた。


「ここは…いったい先の砂嵐で我はどこまできてしまったのだろうか…」


少し当たりを見回していると金属のようなものが競り合っている音がする。


「しまった。まだ曹軍がいたか…」


カキンッ、カキンッ。


「これは…随分と数が多いな…しかも旗がないからどちらが我が軍なのかまるでわからないな。」


「とりあえず阿斗様を玄徳様の元へ連れて行かねば。」


子龍は、戦っている間をすり抜けるように駆けて行った。


??軍「おい、すごい甲冑をきた奴が逃げようとしてるぞ」


??軍「すぐに上に報告しろ、あんなにいい甲冑着てるんだぜ、上のものに違いねぇ」


??軍「報告しますッ、戦場にで敵将と思われる存在が何かを抱えたまま逃げておられます。

中将様達のお力沿いを願いします」


中将1「全くそれだけいて将の1人も討てぬとは」


中将2「まるでなっておりませんな」


中将3「まぁ良いではないか、兄者達よ、それより早くその将をとっ捕まえに行かなくては」


中将達が馬に跨り子龍めがけて追いかけて行った。


中将1「そこの将よ、待たれい、何かを抱えた将が逃げておると聞いたがまさか赤子を抱えているとはのう、いったい誰の子だ?」


「お前達にそのようなことを喋る義理はない、さぁ。命が惜しいならそこをどけぇ。」


中将1「将がどくわけなかろうて。それならば黙ったまま死ねぇぇ」


両方の馬が走り出し一騎打ちになった。


中将2「赤子を抱えたまま兄さんに勝てるはずないであろう」


すると、子龍は片手で槍を大きく上に掲げ、勢いよく振り下ろした。


中将1「なにぃっ」


ズバッと中将とその馬は真っ二つに分かれた。


中将2.3「なにっ?!」


「さぁお前達も来るなら来い。容赦はしないッ」


中将3「おのれぇ、兄さんの仇だぁぁ」


中将2「早まるでない、弟よ」


だが時すでに遅かった。

カキーーンっというと中将の剣は飛んでいった。


中将3「なんという…力…」


スパンっと中将の首が切り落とされた。


「さぁ、お前はどうする」


中将2「いや、やめておこう」

「ところでお前はどこの軍のものだ」


「それでは我には時間がないので…御免」


中将2「これは流石に大将に報告してこなければ…おい、お前ら撤退だ。速やかにこの地から離れるぞ」


??軍「ハッ」


そして謎の軍団が撤退すると同時に子龍はここがどこなのかわからぬまま日が沈む方へ走っていった。


「いったいここはどこなんだ、全くもって南郡と違うではないか…あぁ、玄徳様。命令を守れなかった私をお許しください。必ずや帰ると約束したのに。」


「落ち込んでても無駄だ、どうにかして行かねば」


「おぎゃあおぎゃぁ」


「阿斗様っ?。困ったな赤子のあやしかたなんて我は知らないぞ」


「おやおや、何かお困り事かな」


「しまった、油断した。貴様は何者だ。我は常山の趙子龍。 切れるものなら切ってみよ」


「そう焦るでない御仁よ。」


体は細く頭はピカピカな老人が立っていた。

















ご精読ありがとうございました。文字数少なくてもう少し書こうか迷ったんですけどギリギリキリがいいかなと思ってここまでにしました。気ままに書きます

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