リ・サイクル

人生に疲れてしまった。
すべてを終わらせるため、縄に首を通して絶命した――はずだった。

意識が戻ると目の前には、２歳くらいの少女が鏡の前で座っていた。
見覚えのある顔。
いつだったか、終活をしていた時に開いた１冊のアルバム。この鏡の中にいる同じ顔の子の写真を見たことがある。
この顔は、私の幼き頃の姿だ。

私、古河（こが）静香は、どうやら２歳の頃の時代に戻ってきてしまったらしい。しかも前回の人生、２２年間分の記憶を保持したままで。

『やり直すチャンスが到来した！』と安易に考えられるような人間ではなかった私は、再び絶望の毎日が始まるのかと打ちひしがれた。
だがもうなんとか生活するしかない。
とにかく自分を守る力を得るために、早い段階から準備をきちんとしておこうと決意する。何よりも私自身が傷つかないようにするために。

これは、自分の人生を再び歩むことになった主人公が前世での経験を活かしながら、地道に静かに力を蓄えて、第２の人生を歩もうと奮闘する物語である。