そびえたつスカイツリー(当社比2倍)前半
聳え立つあれ
『伊能くん、きぃーてーる?』
「きーてますよー」
『伊能くん、のんでるー?』
「のんでますよー」
飲み始めてからすでに3時間。もはやへべれけの俺たち。
ストロングなアレの箱はすでにからっぽ。追加で具現化したやつは、酔いが影響したのか、瓶がくの字に曲がったバーボンだ。
『伊能くん、つまみをー』
「イエス女神様ー。さんまのかば焼きでございますー」
『うぇーい、くるしゅーなーい』
たまりにたまった愚痴をずっと吐露して、途中で大泣きした女神様はすっきりしたのか、神としての威厳をどっかにおいてきたらしい。
その辺の酔っぱらいオヤジと一緒だ。
「つか、なんで俺こんなとこに飛ばされたの? ボッチっていってもさー、もちっとこう、目の保養とかあってもいーじゃん。どこ見ても木しか見えないし、俺、何もできないじゃん」
『それはねー、わたくしにもいろいろあるのよー、一応ね、女神さまだしー』
「一応かー」
『目の保養にもなるでしょー』
「紙しか見えないからー」
『透き通る白さの肌よー、しっかり堪能してー』
こんなバカ騒ぎ、したのっていつ以来だったかな。もう記憶にも残ってないや。
飲む相手は紙だけど、楽しいや。
『伊能くん、あれよあれ。木以外が見たかったら、こう、たっかーい建物造って、その上からながめればいーのよ!』
高い建物?
「なに、そんなものも出せるの俺?」
『わたくしを信じなさーい! 信ずるものは地獄いきー』
「そこはせめて天国にしてくれよ」
ぐだらでレッツゴー