ドワーフっ子の名前と次なるお役目と俺の記憶と
せわしなくて書いてませんでした
「あの、アテクシ、アキホといいまして、その」
プリティちゃん特製ココアを飲んで落ち着けたのか、ドワーフっ子が話をし始めた。
「あしながの集落に住んでました」
うつむきっぱなしのドワーフっ子ことアキホちゃん。メカクレのせいで目は見えないけど、どんとりしてそうな声色だ。
アキホという日本名っぽいのも気にはなる。ダンプさんもよく聞く名称ではあったけど。アキホって、確か、会社の事務の地味な子の名前が秋穂だったような……。
【ふむふむ、アキホというのであるな。我は偉大なる最強メイドのプリティちゃんであるな】
「あれ、ドラゴンとは言わないんだ」
『わたくしは、絵にもかけない美しさを誇る放浪の女神様ですわ』
「女神様が彷徨っちゃダメでしょよ」
「あわわわ、アテクシはおいしくないので、あの、いけにえはごめんなさいですー」
アキホちゃん?がガバっと土下座をしてしまった。五体投地というのだろうか、車に引かれたカエルのごとしだ。
「イケニエ? って生贄ってこと?」
なにやら物騒な言葉だな。
「その生贄とアキホちゃんが溺れていたことと関係が?」
まぁ、世界樹がらみではないだろうし、俺が首を突っ込んでも残機が減るだけ――ってあれ?
お役目でドワーフがどうのとかあった気が?
『まぁ、なんてことなのですわ。次のお役目が始まっているのですわ』
「んんん、やっぱりそうなのか?」
『うふふふ、きっと、そうなのですわ!』
また何か企んでる感じだなこの女紙様。
世間とは隔離されたまったり空間のなかで続きます