まずは酒だ
お酒イズパワー
『よろしくて? 頭に思い浮かべて言葉に発すると、具現化いたしますわ。これは、わたくしが与えた創造のスキルなのですわ。世界で伊能さまだけがもつ、超チートですわ』
女神さまはこう言う。紙には「すごいでしょ、さすがわたくしですわ。ほめてほめて」と続いている。
どうしても褒められたいらしい。もしかしたら、俺と一緒でいろいろあるのかも。
「思い浮かべる、かー」
そうだなー。
もうやってらんないよなー。
でも、今が本当だったらもう仕事もないんだし、許されるよね!
思い浮かべるのは、これだ
「スルトングでゼロなアレを、ひとケーズ!」
俺の目の前に、ドラッグストアでよく買ってた、瞬時に悪酔いできる凶悪でストロングなゼロの箱がある。定番のレモン味だ。
『この状態で酒ですの?』
「いきなりわけのわからないところに連れてこられてボッチだなんだとえぐられたらもう飲むしかないじゃん」
バリバリっと箱を開けて500ml缶を2本取り出す。銀ギラの悪魔がこんにちはだ。
プルタブをカシュっと開けて口をつけ、一気に流し込む。薬臭い香りと明らかにレモン果汁と分かりやすいアルコールがゴキュゴキュのどを潤していく。
「プハーッ! この一杯のために生きてるよなー」
『一本の間違いですわ……』
グダ進行よーぽっぽー