プリティちゃんのやる気
やる気は大事です
二日酔いもない、さわやかな朝を迎えた俺。昨晩のダンプさんの鎮痛な顔と地縛霊という例えを思いついてしまったやりどころのない感情から、俺はやる気に満ちている。
「といっても、やれることはほとんどなし……」
2日目もプリティちゃんが木々をなぎ倒し、そのあとを戦車がついていくという、速度的には遅い歩みとなってしまう。
プリティちゃんに飛んでもらえば簡単だがそれだと道が作れない。ちょっと気になることもあって、ダンプさんの里とは連絡が取れるようにしたい。
飲み仲間が欲しいということではない。断じて。
【ふむ、すこしはすぴーどあっぷするのであるな】
巨竜になったプリティちゃんがそうつぶやいた。何をする気?と思う間もなく、大きな口から真っ白なブレスを吐いた。
「急になにするんだよプリティちゃん」
【うむ、燃えなければよいのであるな】
「燃えなければ?」
プリティちゃんの言葉にブレスを吐いたほうを見れば、そこにあるはずの木々が消失して、トンネルのようになっていた。どこまでトンネルなのか、遠くてわからないくらいだから遠いんですとリピートしたくなるほど遠いようだ。
「え、プリティちゃん、燃えないブレスってできたの?」
【ふははは、我に不可能はないのであるな】
「やべぇ、プリティちゃんが素敵すぎる」
抱いて!とは思わないけど、こうも万能だと、こう、女紙様との差がね。
【ふははは、もっと褒めてよいのであるな】
『わ、わたくしだって、わたくしだって……』
ぐずり始めちゃった女紙様には麩菓子を取り出して突っ込んでおく。
女紙様の活躍は、まだ先なんだよ、きっと。
にゅるっと続きます