野営は豪勢に
野営とは言わないレベルですが
戦車に乗って爆走するも、日が傾き野営することに。まぁ、キャンプと思えばいいんだと考えたがこの森でそんな甘っちょろいことは通用しない。まっくらな森を覗けばグケケケケという奇怪な鳴き声が聞こえる。コワイ。
俺の残機が多数あったところで死に気がつかないシステムだといつも間にか残機オーバーでアウトだ。翌朝には屍になっている俺が瞼の裏に浮かぶんだよ。
「なので、家を出そうと思います!」
どーんと出したのは、RC造4階建てのマンション。独居用でオールワンルームタイプだ。さすがにこれなら壊されないでしょ。寝るのは最上階にするしさ。
そんな場違いなマンションをプリティちゃんが見つめている。
【……うむ、我は屋上で寝るのであるな】
「酒盛りは中でしかしないよ?」
【よし、華麗な女児になるのであるな】
即答手のひら返しのプリティちゃんの体がぴかっと光ると、そこには赤いメイド服姿の男の娘が。スカートをつまんでお辞儀をするというあざとさすら兼ね備えていた。
『何度見ても納得がいかないのですわ』
男児なのにかわいいのはずるいのですわ、と文字が続いている。文字がやや震えていて、よほどの悔しさなんだろうなと。あーたは文字化できないほどの美貌ではなかったのか。
いやしかし、女紙様が嫉妬するレベルでかわいいのだ。俺だって、男の娘と知っていなければ合法ロリと浮かれていただろう。
「……世界樹の管理者の力……すさまじい……これならば」
そんな俺たちをよそに、ダンプさんが何やら唸っている。巨躯が唸っていると怖いので、せめてあのモヒカンを何とかしてほしい。ポニーテールならいけるかもしれない。
おっと、エントランスは照明が点いてるけどもう日が沈んであたりは暗いんだ。さっさと中に入って酒盛りしようそうしよう。
にょろっと続きます