考えてみた
酒屑でも考えるんです
――人のためになることはすすんでやりましょう。
小学生の時に、担任がよく言っていた言葉だ。
仲よくしよう、という意味があったのだろうな、と思っていたがどうも違うらしい。
――情けは人の為ならず。
やったことは自分に返ってくるのだということわざで、これの具体的な行動指針だったようだ。
美しき言葉だとは思うが、自分が経験した記憶はない。なんだかんだと動かされた後には、徒労しか残らなかった。
まぁ、それでもコレで飯を食ってるからな。
と自分に言い聞かせる毎日だった。偉くなろうと思ったことはないし、別に歯車と呼ばれてもかまわなかった。
歯車だってないと仕組みが成り立たないんだ。目立ちたい奴は目立つような仕事をすればいい。
ホント馬車馬的に使われてたなー、なんて思うと、俺がいなくなったあの会社はいま回っているのか、と思わなくはない。
思ったところでここにいる俺には何もできないし、歯車が一つ欠けた所で補充されるでしょ、と。
うん、この地ビールうまいな。
お金は払ってないけど。
そうだよこのビールだよ。
やろうと思えないのは、俺に対して見返りがないのが原因なんだ。
――俺にできることはするけど、見返りがないならできない。
きわめてわかりやすい行動方針だ。
自分勝手?
俺に頼むのはそっちの勝手なのでは?
どうせ人生のロスタイムなら、これくらいでいいんじゃないのか?
見返りかー。
なんでも出せるってのが、もしかして見返りってやつなの?
あれ、これって、見返りの前借になっちゃってる形?
何気に毎日だらっと続きます