未知なる女神様(自称)と交信
駄女神は必需品
「まあアレだ、ともかく現状の確認だ」
紙から目を離し、ぐるりと見まわす。上のほうはといえば、やねよーりーたーかーいー♪と口ずさみたくなる高さまで育った木が押し合いへし合いしてる。
下のほうはといえば、俺の身長くらいまでスクスク育った草がヒャッハーしてる。
遊歩道どころか獣道の隙間すらない。
結論=何も見えねぇ。
見えるのはやさしげな水色の空だけだ。空がどどめ色だったら俺は泣いてたな。
グキュルルル
俺の腹の虫が不平を申し立ててる。そういや夕飯食ってねえんだわ。
「ボッチを満喫するまえに餓死したんじゃ本末転倒じゃね? 女神様さん」
ぽいっと紙を放り投げた。ひらひらと地面に落ちる紙。
『ちょっとー、せっかく転生させてあげたのに扱いひどくなーい?』
俺の足元から、妙齢っぽい女性の声がする。酸いも甘いも通り過ぎて薹の立ちすぎたこ『うっさいわ!』
『善意の押し付けで人を転生させて千年もすればたちつてとうもたつわ! こちとらぴっちぴちの千五歳だぞウヤマっても罰は当たりませんですわ!』
いましがた放り投げた紙から罵声が、とちゅうで我に返ったのか、ごまかしのトーンに。
『ぴっちぴちですわよぴっちぴち!』
やたら強調してくるそれを拾い上げた。文面が変わっている。
「……ぴっちぴちですわよぴっちぴち?」
なんだこれ。
『そうですわ、わたくしは若いのですわ! まだまだ千歳超えたばかりのいたいけな女神さまですわ!』
紙から声がするんだけど、それと同じ言葉が紙に書かれていく。
「紙に書かれていく意味where」
だらだら続くよどこまでも