表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/82

この世界の住人は

世界は似たようなもの

「あの、だいぶ日も陰ってきたので、中で話をしません?」

 ぼちぼち陽が沈んで真っ暗になる。ここには街灯なんてないから、スカイツリーの中に入らないと何もできなくなるんだ。

「世界樹の中に入るだと?」

 明らかに動揺しているダンプさん。ぎょっとして目を大きくしているのがよくわかる。

 ダンプさんの言う世界樹ってのは、やっぱり木なんだろうかね。

「えぇ入れますよ」

 エレベーターのボタンをポチットナすると、扉は音もなく開く。

 シュッとナニカが俺の横を通り過ぎ、エレベーターの奥に突き刺さった。女紙様は俺が捕まえたままでよかった。また刺されて変なことを口走られても困る。

「……えっと、壊れちゃうかもだから、やめてほしいなぁ」

 世界樹って、敵扱いなの?

 それとも危険性でもあるの?

 振り返り、クロスボウを構えているダンプさんに声をかけた。そしてさっさと中に入ってしまう。

「ダンプさんも入ってください」

「……しかし、世界樹の中など畏れ多い」

「ささやかですが、歓迎のお酒なども――」

「よし行こう!」

 ダンプさんはマッハで入ってきた。

 この世界には酒カスしかいねえんだ、絶対。

「扉がしまりまーす、ご注意くださいー」

 案内嬢役の俺。

 なぜか静かにしている女紙様といえば、おっさけーおっさけーおっさけーのじっかんー、と紙の上で文字が踊っていた。比喩ではなく、踊っていたんだ。盆踊りみたくやぐらを囲うように、だ。

 この世界には酒カスしかいねえんだ、絶対。

 俺を含めてな。




だらっと続きます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ