初めての遭遇
初体験です
まぁともかくだ。矢が飛んできたってことは、矢を射ったやつがいるわけで。
「怖いから向きたくはないけど向かないと話が進まないしたぶん残機も減っていく一方なんだ」
という理由をつけて回れ右した俺。
目に飛び込んできたのは、というか、森から顔をのぞかせてたんだけど、ピンク色のモヒカンのイケメンだった。そして耳が長い。みにょんと横に伸びてる感じだ。
「なぜピンク色、なぜモヒカン。そして肩パットもセットだった!」
ゆっくりと体をゆすってそいつは出てきたんだけど、世紀末覇者よろしくの肩パット付の、ちょっとした鎧みたいなものを着ていた。腹筋は、その鎧ごとシックスパットだった。手には厳ついクロスボウ。
アレで俺は狙われたのか。コワッ。
「でっ……」
身長は、2.5メートルはあるかってくらいでかいんだけど。
離れてるのに見上げたくなる感じで、俺の感覚がバグってるのかと思った。
「お前は、何者だ」
ピンクモヒカンイケメンが、クロスボウに矢をつがえながら俺をにらんでくる。敵意しかない感じ。
「そ、そっちこそなんだよ」
こっちの残機は80を超えてるんだ。80本の矢を食らっても、とりあえず死ぬことはないはず。たぶんきっと。
ガクブルな脚は見なかったことにしてもらって、女紙様を顔の前にかざして盾にして、俺の精神的安全を確保する。
肉体的な安全は、忘れてくれ。
『あれは、エルフなのですわ』
女紙様に、そう文字が書かれた。しかも裏面に。器用だな女紙様。
「エルフ……」
俺は、トラックのエルフしか知らない。そりゃー単語としては聞いたことはあるし、漫画とか小説とかで有名だってのは知ってる。
だって、そんなの読む時間は、俺にはなかったんだ。知るわけなかろて。
だらっと続きます