色々怪しすぎる紙っぺら
怪しいのは最初から
エレベーターの扉には、極彩色な羽の矢が刺さってる女紙様の姿が。深夜の神社で五寸釘を打ち付けられてるアレに見えなくもない。
『あら、矢で射られたのですわ』
「射られたんだからもっと焦ってお願い!」
『体を貫かれるのはもっと控えめなものがよいのですわ。大きすぎるのは、痛いですわ』
「なんか勘違いを誘発するような言動はお控えなすって?」
ともかく矢を抜こう。矢の半ばくらいを掴んで「うりゃ」っと引っこ抜く。
視界の端の残機が89に変わった。
「ちょ、こんなんでも減るの?」
と驚いてたら俺の顔のすぐ脇をすごい速度で矢が通っていった。
「うぉぉぉ残機制度万歳!」
生きてる、生きてるよ俺!
アレが当たってたらさっくり死んでたろ俺。
手のひらだってクルンクルンしちゃうよ。命あっての物種よ?
もしかしたら残機制って、俺が簡単に死なないためのもので、もしかしたらスペランカー体質ってのは、調子に乗った俺がやべーことしないようなストッパーだったりする?
『あぁ、貫かれるって、このような快k、感触だと、長く存在していて初めて知ったのですわ』
「おい女紙様、不穏な言葉は禁止だ。これ以上警告が来ると秋のバン祭りで召される」
『白い食器がもらえるのなら、じゃんじゃん投資もするのですわ』
「あの皿は良いものだ、だからね」
露骨に話をそらされたなチクショウ。
だらっと続きます