真面目な話
真面目は似合わない
【世界樹は、めぐる魂が一時的に憩う場所であり、生と死のはざまであるな】
プリティちゃんが、真面目な顔でそう告げてきた。それは違うぞ。スカイツリー第二形態というのだ。
現実のスカイツリーに対空砲はついてないしな。
『森羅万象がここから生まれるのですわ』
酔っぱらいのはずの女神様がまともだ。おかしい。酒が足りないのか。
いや、おかしいのは俺か?
どうなってんだ。
「俺は、何も知らないし、知りたくもないんだが」
【役目とは、知らされないものであるな】
『人跡未踏の荒野を歩いた後に続いている道が、お役目なのですわ』
「何かを押し付けようとしないでくださりやがりますか?」
何をマジな顔で語っていやがるんですか。酔っぱらいの話は中身がないからこそ面白いのに。
俺は酒を飲んでまったり、残機を気にしながらビクビクして暮らしたいんだ。死んだ後にまで何かをやらされたくはない。
いいじゃないか、好きに生きて。ここは俺の人生のロスタイムなんだろ?
【まぁ、とりあえづ酒でも飲むのであるな。我は濁り酒というのが好みであるな】
『わたくしは美少年を所望するのですわ』
一匹と一枚は、何かを期待する気配で俺を見ている、気がする。女紙様は目はないし、プリティはデカすぎてどこ見てるかわからないし。
まぁいい。
「濁り酒はっと、ここに。美少年はここにいるだろう?」
親指で自身を指した。
『お酒好きで素敵な美青年ならいるのですわ』
「ちょっと女紙様。きちんとボケてくれないと突っ込むに突っ込めないんだ」
『早くお出しになりなさいって、京都風に言っただけですわ』
うふふ、とか文字が続いてるけど、こいつらごまかしやがったな。
俺は単純だからだまされちゃうけども!
――ピコーン
お役目①をクリアしました。ボーナスとして残機が100追加されます
頭の中にそんな言葉が響いた。
『うふふ、お役目をクリアすると、残機が増えるのですわ』
声はなく、女紙様の紙に、そう綴られていた。
ここで一区切りの1章終了です
まだだらっと続きます