俺は否定したい
否定したいこともあるのです
リラックスレッドドラゴン(たった今命名)は、俺と女紙様の面白くもない漫才を見ていたようだ。見物料徴収するぞ?
ちなみにお代はこの世界の酒な。
『失礼ですわ、熟年の夫婦漫才ですわ!』
「全然違うし! ついでにさらっと俺の胸の内を捏造しないでいただけますか?」
『ちょっとした、女神ジョークを披露しただけですわ』
そんなに否定しなくっても……と文字は続いている。
この女紙様はなし崩し的に押し通そうとするから、ちゃんと否定しておかないと後でヤバそうなことになるに違いないと俺のエマージェンシーサイレンが鳴ってるんだ。
冷たいようだが、ここは話題をスルーさせてもらう。
「あのドラゴン、すっかり治ってる気がするんだけど」
なんとなくニヤニヤしているように見えるドラゴンを指さした。人型と紙に対してどんな妄想を爆発させているのやら。ドラゴンカーセッ〇スじゃないんだぞ。
『消毒液は万能なのですわ。さっきわたくしが決めましたもの』
うふふふ、と紙には続いていた。
「ついいましがた、俺のために世界を選んだって言ったその舌の根は乾いていないのですか?」
って女紙様に舌はないか。なんかもうため息しかでない。思わずぺしっと額をたたいた。
【うむ、なかなか楽しい漫才であるな】
なんていう言葉が、脳内に、超美テノールで響いた。
だらっと気ままに続きます