スキルの弱点
まぁこんな感じです
地表の空き地にはドラゴンの影はない。ただ、森の中でガシャメキドドーンって音が聞こえる。
割と近い感じだ。
「生きてるようでよかった」
ホントそう思う。高さ1000mから落下して生きてるのはさすがドラゴンってとこなんだろうか。
メギギギと目の前の木々が激しく揺れ、バギっと折れた。
ぬっと顔を出したのは、あの赤のドラゴンだった。
対空砲が当たった頭はぱっくり割れて血だらけで、天空回廊で見た神々しさというか美しさは。どこにもなかった。
ちょっと悲しくなってしまった。
「さすがにやりすぎじゃ……手当はってよくファンタジーにあるポーションって……あぁ、現実にはないから出せないのか」
そんなものを出そうかと思ったけど、飲めばもしくは振りかければたちまち怪我が治るものなんて、ありえない。
魔法とか
「使えるわけないよなー」
とわざとぼやきつつ女紙様をチラ見する。もちろん、バレバレにするのは忘れない。
『伊能さまのスキルでいけますわ!』
女神さまはダテじゃない、と紙には続いている。俺なのか自分をほめたいのかどっちなのよ。
まぁたぶん後者だろうなぁ。このダ女紙様は褒められたがるし。
「おうふ、そうなんだ。で、どうすれば?」
とりま、女紙様に全振りすればよさそうだ。
『伊能さま、カビ〇ラーを出してほしいのですわ』
「カビキ〇ー? んなもんどうするの?」
『あのドラゴンにぶっかけるのですわ!』
だらだら続きます