驚きのシステム
驚きの白さです
女神さまの腹は安定の漆黒ですが
ドドーンと地響きと衝撃が天望回廊を揺らす。ドラゴンが落ちたんだろうか。
『さ、行ってみるのですわ!』
「え、どこに?」
『もちろん、ドラゴンを見に、ですわ!』
いうや否や、女紙様はひらひらとエレベータに向かい、さっとボタンを押してしまう。
「もしかして下りも新幹線エレベーター?」
『重力を利用すればマッハも可能ですわ』
「あ、結構です」
死んじゃうからホントニ。
エレベータのドアが開くと、拷問でもするかのような厳つい鉄むき出しの椅子があった。
「……ここに来るときにはなかったよね?」
『わたくしがサービスで用意したのですわ。これで音速越えも可能なのですわ』
「安全安心を要求します!」
『あの椅子に括りつけられれば安心安全な旅を保証するのですわ』
保証されても魂が離脱しそうです。
『大丈夫ですわ。伊能さまには、残機がまだ29もありますわ。ひとつくらい失っても、よいことをすればボーナスで残機が増えるのですわ』
「いやその残機システムって初耳なんだけど」
『先ほどの登りのエレベーターでひとつ減っているのですが、まだまだ余裕ですわ』
「そーゆーことは減った段階で教えてくださって?」
アレで俺は一回死んだことになってんのかよ!
「なんでそんなマイナスなことになってんのよ。俺ってボッチで静かに暮らす設定でしょ?」
『色々特典を付けたらポイントがマイナスになってしまったのですわ。しかたなく超虚弱なスペランカー体質をつけて相殺したのですわ』
「え、その特典のことも聞いてないんだけど?」
『わたくしが付かず離れずぴったりサポートする抱腹絶倒の超大特典ですわ!』
「ちょ、その特典いらない! てかなんで俺のところに来るんだよ!」
あ、これ、女紙様の家出に巻き込まれてるな俺。
きままにだらだら続きます