謎のツヨツヨ紙
だらだら進行進路ヨシ
「ちょ、買ったばっかのスマホがない!」
手取りの半分が消えた大事なスマホ。食費を削りに削って捻出したのに……
「そんなぁーーーー」
絶叫した。俺、こんな大声が出るんだってくらい、叫んだ。
なんか膝に力が入らなくって、ドスンと地面に膝をついて、そのまま後ろに倒れた。
目に入るやさしい水色の空が、鮮やかで余計に悔しい。俺へのやさしさはないのか。
そんな水色の空に、何かを見つけた。白いナニカだ。ゆらゆらと降ってくるようにも見える。
「視力検査は両目で0.2の俺にそんなものが見えるわけ……」
はっきりくっきり見えた。紙だ。紙があっちへこっちへ揺られながら落ちてくる。
思わず起き上がって手を伸ばす。届かないのはわかってるけど、そうすることが正しいと感じた。
直後、白い紙が急加速して、赤く発光して煙の尾を引きながら、俺が倒れていたちょうど頭の位置に激突した。へにゃりとした紙に見えるそれは、地面に半分ほど突き刺さっていた。
「うぉぉぉぉぉい!」
危うく死ぬところだった。
赤さが消えたけどもうもうと煙を吐く白い紙。そばにいるだけでも熱を感じる。
「燃えてないとか、なんなのコレ」
誰か説明を!!
深く考えたら負けの姿勢でだらだら気ままに行きます