謎パワー
謎です
「……これ、現実ではのぼるのにエレベーターだったんだけど、ここって電気なんかきてないよね」
そもそもここが地球ではないのに、ましてつい今しがた創ったものに電気の供給などあるはずもなく。付近に電柱のなければ鉄塔もなかった。まぁ、木しか見えないし。
まさか、階段でのぼるとか?
『そのへんは謎パワーで動くので問題ナッシングですわ、たぶん』
「最後の一言さえなければ安心していられたんだけど」
『創造するものの動力源は女神たるわたくしの謎パワーがカバーしちゃうのですわ』
ほらほらほめてくださってもよろしいのですわ、と紙には続く。
よほどほめられたいのか。普段からほめられておらず、クッソ上司からこき使われてたんだろうか。俺と変わらないブラックさだな神の世界も。就職は遠慮しておこう。
「そかそか、さすが女神様。ありがとうね」
紙を両手でそっとつかんでタカイタカーイする。めーがみさまをたいようにーすかしてみーれーばー、ってこうすると本心も透けるのかな。やらなくても駄々洩れだけど。
うっひゃいほめられましたですわよ!!、と力強い字体が紙に綴られてく。なんだか女神様が不憫に思えてきた。
『さっそく上に行ってみるのですわ!』
謎は謎のまま進みます