女神様の不吉な言葉
口には出さないずるい女神様
『さ、伊能さま、近くにいってみるのですわ』
女神さまの紙はひらひらととんでいってしまう。起き上がって追いかける。
創造した当社比2倍のスカイツリーは、見た感じスカイツリーだった。シルバーの四角い塔が、頂点に向かう途中で円形になる不思議デザイン。タワーの足元には、本来あるはずのソラマチなどはない。代わりにエレベーターの扉のようなものがある。
タワーの脚は森の中に消えていて、そこがどうなっているやら。間違いなく木はへし折ってるだろうなぁ。森林破壊ヨクナイ。
そして天辺には電波関係の釘バットみたいなのもついてる。
ただし、遠すぎてぼやけてるけど。
「えっと、高さが2倍ってことは」
『630メートルくらいが倍なので、1260メートルくらいですわ!』
「1.2キロメートルって考えると、半端ないな」
上を向いているとのけぞりそうになる。
確か、天望回廊が450メートルの高さにあったから……これだと0.9キロメートル!!
『これだけ高ければ、遠くまで見えるはずですわ!』
どんな世界なんでしょう、どこまで見えるかわくわくですわ、と紙には続いている。
どんな世界なんでしょうて、あーたが連れてきたんでしょうが。
駄々洩れなのは駄女神様だから