死に方の希望はありますか?
えっと、死ぬにしても他殺は痛そうだし、焼死、水死も苦しそうだし、やっぱり病死かなぁ。
え 病死全般で待ち時間10年!?
ページにはそう書いてあった。
確かに柊さんは期間かかるとは言ってたけど、そんなになの。
さすがに10年は待てないよ。
1番早いものだと、、他殺の日付は明日だった。
一通り目を通してから質問してみた。
「あの、これ病死希望の場合は10年待つんですか?」
【あーやっぱり病死人気ですね。はい、長くみて10年になります。
みなさん1番楽に死ねる方法を希望なので、人気が集中してしまうんですよ。
現在の待ち人数は10万人ほどです。
篠田さんが希望される場合は、10万1382番目になりますね。
「えっ え10万人ですか。」
確かに近年自殺死亡者は増加傾向にあると言われてるけど、それにしても10万人もの人が、ここで順番が回ってくるのを待ってるのだと思うと驚きだ。
「凄い、人数が多いんですね、驚きました。」
【はい。病死自体の実行が少なくて月に1、2回ある程度なので、希望者は増えていく一方なんですが、なかなか実行して減らすことが出来なくて、、。
他の死に方に割り振れたら良いのですがね。
すぐには順番は来ませんが、篠田さんも希望だけされますか?】
「あ、はい。お願いします。」
【心臓病とか病気を特定してしまうと更に待ち時間が長くなってしまうので、病死全般を予約で宜しいですか?】
「はい。それで大丈夫です。
あの、病死以外で他の死に方も一応 予約しておくことできますか?
10年待てる自信がなくて、、。」
【そうですよね、10年長いですもんね。
大丈夫ですよ。例えばどういう死に方を他に希望されますか?】
うーん、そうは言ったものの、他殺は嫌だし何が良いんだろう。
そういえば、私は昔から山登りが好きだった。
幼稚園の遠足で、何回か山を登った記憶がある。
小さな体で一生懸命に山登りをした後、頂上の景色を眺めながら、先生から貰える飴を舐めるとすごく美味しく感じたのを思い出した。
それからは休みができると、1人でも小さな登山くらいなら出かけたこともあり、数少ない趣味の一つだ。
「あの、雪山で凍死とかいけますか?
そんなに大きな山でなくても大丈夫ですので。」
【ほぉ、これはまた限定された死に方ですね。
雪山凍死はあまり例がないので、回ってくる可能性は低いですが、一応こちらも予約に入れておきますね。】
やっぱり凍死ってなかなかないのか。
確かにニュースでもあまり聞かないもんな。
外国での方がまだあるのかもしれない。
「はい、お願いします。
あ そういえば、これって日本国内での死ぬの限定になるんですか?
例えば海外とか、自分が住んでる地域から遠く離れた場所っていうのもあるんですか?」
雪山って希望しながら、私はできたら自分の地元で一生を終えたい願望があった。
縁もゆかりも無い場所で、死を希望して、死ぬのも少し遠慮するものもあるし。
【いえ、希望があれば、海外や、好きな地域での死を望むこともできますよ。
ただ、死に方、場所あまり条件を絞ってしまうと、なかなか順番が回ってこない可能性が大きいですので、一旦は範囲広くで予約してもらった方が良いかと思いますね。
公務員試験も、倍率が凄いから、みなさん自分が住んでる地域だけでなく、地方でもとりあえず受験したりするじゃないですか。
そんな感じですね。】
なるほど。最初から欲張らないでおこう。
「分かりました。では、とりあえず範囲は関東圏内でお願いします。」
私は関東住みだ。
【了解しました。それではこちらで申請書を書いて頂いて今日は終了になります。】
「はい。」
ふぅ、終わりか。どのくらい時間が経ったのだろうと思ったが辺りに時計は見当たらなかった。
柊さんが左手に腕時計をはめているが、秒針は動いていなかった。
夢の中だから、時間はないのだろうか。
【では、こちらでしっかり申請しておきますね。
もし、順番が回ってきたら、必然的に夢の中でまたこの図書館に足を運んでもらうことになります。
あ、すみません。
大事なことを言い忘れていました。
申請書の裏の注意事項にも書いているのですが、死に方が決まったら一週間前にこちらに来て頂くことになります。
特に当日までに準備して頂くものはなくて、ただ予定の確認といった形になります。
予約の三日前になりますとキャンセル出来なくなりますので、もし、死にたくない場合や、別の死に方を希望される場合は三日前までにお願いします。
そうでないと、死にたくないのに死んでしまう可能性ありますので。
こちらもそれは避けたいので、ご注意下さい。】
おっと、最後にとても重要なことを言われた。
万が一、順番が回ってきたときはよく考えてから決めないといけないな。
「はい、分かりました。」
では、本日はありがとうございました。
お気を付けてお帰り下さい。
ありがとうございました。
ふぅ。終わった。
次にここに来るのはいつになるのだろう。
もし妥当に順番が回ってきたとしたら、40歳か。
雪山の方が決まったらもっと早くなのかな。
でも、いつかは死ねると思うと少し気が楽になった。
このまま何の楽しみもない暗い毎日が一生続くことはないのだと思うとホッとした。
そんなことを考えてる間に、また暗闇の中に落ちていった。