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スケベな仕事

ぎゃあー、マッキーが捕まった。

今日も今日とて、日雇い派遣は仕事に邁進。

大阪万博の日雇いは新世界やあいりんに。昔ホームレス、今も生活保護で、住んでいる。なのに、大阪弄りはいつもこの辺のオッチャン。ほぼ、大阪出身ちゃうやんけ。むしろ、大阪出身者はやばいから近寄るなと教えられ、通天閣には登ったことがないと言うオチが付く。しかし、今日もやらせ番組は煽りに煽る。カバンから飴ちゃんは出てこないし、豹柄の服着たおばちゃんなど探しても見つからない。


そして、繰り返される東京オリンピックに大阪万博。地方の若者はもういない。今度は誰だ?外国人か?

あれほどのホームレスを生み出した日雇い派遣。懲りた結果の正社員、目指したものは総中流。されど、今の日本は中抜き大国。そして、生まれるこどおじ、ニート。そして、生まれぬ新生児。間引く胎児に死なぬ老人。


さて、タゴサック君。今日はあちらの店番と思えば、今日はこちらの庭掃除、そうかと思えば、今日はあさってで工事の人足、そして、今日はどぶさらい、さらに明日は肥集め。

町の至るところに回される程のいい雑用係、それが派遣の宿命だ!


「これ、家にいた時と何が違うんだろう。むしろ、慣れない仕事に慣れない人との会話で、家にいたころより酷いんじゃ。」


「はっはっは。腐るな腐るな。」


「人ごとみたいに言いますけど酷いんですよ。」


「いや、実際人ごとだからなー。」


「助兵衛さんはいいですよね。・・・・あれ?助兵衛さんって、普段どんな仕事してるんでしたっけ?」


「あれ?言ったことなかったっけ?」

「・・・・聞いたことないですね。どんな仕事なんですか?」

「うーん。・・・・内緒!」


「うわ、気持ち悪っ。」

「嬢ちゃん、俺のこと嫌いか?」

「えっ、何を当たり前のことを」


「田吾作〜、嬢ちゃんが酷いんだ。」

「まあ、最初が最初でしたから。」

「えっ、事実を言っただけだろ?」

ズドーン。ポトっ。

「ひいぃ」

「あら、ごめんなさい。おっきなハエがうるさかったもので。5月だったかしら?」


・・・・・

「なあ、なんか痛いわ上に気付いたら、地面に這いつくばってたんだが、何かあったのか。」

「覚えていないから、無理に思い出さないほうが。」

「なんの話してたっけ?」

「ああ、助兵衛さんの仕事ですよ。」

「そうか、・・・・教えるのはいいけど、まずはお前はなんだと思う?」

「そうですね。槍なんかも使えますから、傭兵や山賊退治とか?」

「いや、お前。一人で傭兵って。あと山賊なんて、数十人単位だぞ。こっちは俺ひとりか、せいぜい数人で勝てるわけねえだろうが、そんなのは大名様の領分だ。」


「じゃあ、何してるんです?」

「まあ、退治ってところはあってるぜ。ただし、対象は鬼や妖だけどな。」

「鬼?妖?そんなのいるんですか?」

「おうとも、普段見えなくても、どこにでもいるぞ。まあ、人に害になることが稀だけどな。」

「へえ、どんなのがいるんですか?」

「小豆洗いに海坊主、子泣き爺にぬらりひょん。」

はーい、ここまで全てハゲ親父。


うちの叔父が子泣き爺似、よく考えたら父方母方ともに、叔父が若いうちからだと!遺伝的にやばいだと!


「まあ、危険な奴もいれば、そうでもないのも多いな。」


「鬼はその中でもかなりやばい部類だな。」

「・・・・鬼・・・・。」

「まあ、当面は雑用のやつには関係ない話だ。」

「くっ、俺だって鬼くらいやっつけられますよ。」

「そう言うことじゃないんだけどな。何を言ってもお前は当分雑用だよ。その間に少しでも強くなれ。」

「どうしてですか。俺だって少しは戦えますよ。この一ヶ月雑用ばかりじゃないですか。」

「お前、この町に来た時、1人だったか?」

「ええ、1人でしたよ。それが・・・」「じゃあ、今どれくらい知り合いがいる?」「えっ?」

「それが、答えだよ。一人で出来ることなんて、たかが知れてる、だから親父はお前に色々なところでの雑用を振って顔を売れるようにしてくれたんだよ。」

「・・・・。」

騙されるな、タゴサック。それじゃ、町の奴隷だ。現代でも宮崎あたりで、100万円くらいで移住者募集してるくらいやぞ!

実際、中世くらいの人口なら価値あるけど、現代の人口密度だと、こんなことやっても、ほとんど他人だからね。あしからず。


「人脈は力だよ。今のお前は武器の扱いだけじゃない、色々な力を得る時だ。それこそ、文字や算術だって必要になるぞ。」

「・・・・はい。」

「まあ、まだ納得いかないかも知れないが、騙されたと思って、頑張れや。」

「はい、ありがとうございました。」

助兵衛のくせに、まともな説教をするだと!馬鹿な、どうしてこんなキャラになった!


「そうですよ。頑張ってくださいね。今日の支払いはこの変態がやってくれますから。」

「はあ?」

「ご馳走様です。」

「・・・・ああ、わかったよ。奢ってやるよ。」

項垂れる助兵衛であった。

社会風刺はしない方がいいのかね。

実際、話的には必要ないんだよね。

まあ、いいや。みんなが見てるわけでもないし。


ちなみに、万博でホームレスになったのが、80代。

正社員の恩恵を受けたのが、70代。そして、派遣に舵を切った際の経営層や経団連が70代!

こうやって、色々見るとよくわかるね。

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