おやっさんの手伝い終了!
「田吾作。大体急ぎの仕事は片付いたんでな。今日で俺んところは終わりだ。親父が明日からは別のところで仕事があるって言ってやがったから、そっちに行ってくれや。」
「はい、・・・その、短い間でしたがありがとうございました。」
そう言いながら、頭を下げる
「いや、こちらこそありがとうな。」
・・・見つめ合う男二人、それを外から眺める巫女子。ぐぼらー。いってー、平手打ちにしては、威力ありすぎだろ。
「そうだ。最近槍の修練をしてると聞いてな。これは選別だ。」
そう言いながら、手に持った素槍を田吾作の前に突き出すおやっさん!
「これは・・・。」
「すまねえな。武器は専門じゃねえから、大したものじゃねえが・・・・」
「いえ、・・・いいんですか?」
「おうよ、昔作ったなかから程度のマシなやつを持ってきたんだが、倉庫に眠らせてるのもなんだ、使ってやってくれ。それとも、他の武器が良かったか?」
「いえ・・・・ありがとうございます。嬉しいです。本当にいいんですか?」
「おうよ。なんなら倉庫覗いて、他の武器から選ぶか?」
「親父さんの目利きに勝てませんので、これで。」
・・・・
「田吾作さん、田吾作さん。これとかどうですか?」
そう言いながら、渡された鍬、鎌、ナタ、鋤。
「そうそう、やっぱりこれが使いやすいよね。って、またか!しつこいわ。」
「はっはっは、ごめんなさーい。」
「そうだな。小刀くらいやれたら、良かったけど、今手元にないんだよな。そのナタでも変わりにどうだ?」
「いや、流石に申し訳ないですよ。」
「いいから、いいから。」
なぜだ。おやっさんはツンデレにするつもりが最初からデレデレやないかい!
「そうです。もらえるものは貰っときましょう。今お求めの方に限り、同じものをもう一本おつけしますよ!」
「どこの通販番組だよ!」
「はっはっは、流石にそんなにはつけれねえな。まあ、金貯めたら買いに来てくれや。」
「はい、必ず。」
「じゃあ、またな二人とも。」
「はい、お世話になりました。それでは、また。」
「ありがとうございました。」
・・・・
「おやっさんはいい人でしたね。」
「うん、いい人だったね。」
「じゃあ、今日はパーっとご飯にいきましょう。田吾作さんの奢りで。」
苦虫を噛み潰したような。うん?なんかあってないな。よし。便所虫でも見るような顔で答える田吾作。
バチーン!
「女性をなんてものに例えるんですか。」
ええー、比喩表現に文句言われてもー。
「いや、なんで奢りに。同じ仕事してたのに、こっちも余裕ないよ?」
「くっ、甲斐性のない男ですね。」
「男女差別反対!」
「何を言うんです、こんな可愛い早苗ちゃんに奢れる機会なんてそうはありませんよ。それに、割り勘でも構いませんが、女性に奢るのを躊躇うようではモテませんよ。」
「くっ、それは確かに。・・・出世払いでお願いします。」
「はい、わかりました。今から楽しみにしておきますね。」
「でも、自分から奢れって言う女性もモテないよね。だから、いきお」キラーン。「あっ、はい。すみませんでした、余計なことを口走りました。」
綺麗な土下座を決める田吾作に向け、
「田吾作さん気を付けてくださいね。口は災いの元ですよ。」
とのたまう、彼氏いない歴=年齢の独り身。グサッ。バタッ。
「あらあら、何やら虫が。」
「ガクガク、ブルブル。」
「ほら、私はいつでもお付き合いしようと思えば出来るんですよ。ただ、巫女ですしね。今はその気がないだけで。」
典型的な行き遅れ発言!その気になったときには、手遅れに。
グサッ。バタッ。ビクン、ビクン。
「田吾作さん。」
「はいー。ごめんなさい。許してください。神様、仏様、早苗様ー。」
「ふふふふふっ、何を怖がってるんですか。ほら、早くご飯に行きましょう。」
「はっはい、お供させて頂きます!」
将来、奥さんの尻にひかれそうな田吾作であった。
あっ、こんな酷いこと書きましたが、作者は20代後半まで、彼女いませんでしたから、似たようなもんですorz
人付き合い苦手で、特に女性はトラウマでやんした。
皆さん、セクハラには気を付けてね。