腐術!キラーンΣ(゜д゜lll)あっはい、巫術ですよね。
今日も軽快に薪を割る田吾作君。
「うわー、無駄に手際いいですね。それにナタ振るう姿のしっくり加減。うーん、天職じゃ。」
「やだよ。薪割りが天職とか。」
「しかし、手慣れてますね。」
「三男だからね。雑用はよくやらされたよ。」
「早く手伝ってくれます?」
「ナタですよね。一度変わってくれます?」
「はい。」
「ふんふん、しかし無骨ですね。でわ。」
あっ来た。ブンっ。ザクっ。NOーーー!
「あの?なんでナタ投げたの?」
「あれ?いや、そんなはずはあれ?」
ナタを拾い上げ、再び早苗に手渡す
「はい、今度は離れとくから、こっちには投げないでね。」
「うーん。でわ、今度こそ。あれ?この!刺さらないですよ。」
刃物の使い方には、慣れていないのか。まともに刃が当たらない。どういうことだろう。自前のまな板ならば、包丁くらい楽に使えそうなのに?
急に、包丁に持ち替えた早苗が音もなく振るった結果、真っ二つになる薪。そして返す手で投げる包丁。
そして、刺さる包丁。って、また俺かい。
「えっ、包丁で薪って切れるっけ。あと、投げないでって。」
「いえ、害虫を見つけまして。」
誰がゴキブ・・ブンッ。
「その名前は出さないでくださいね!」
あっはい。
「もう、いいよ。薪割りはやっておくから、水汲みやってよ。」
「女性にあんな重たいものを運ばせる気ですか?」
「いや、何しに来たの?」
「くっ、わかりました。やりますよ。」
文句を言いながら、なんとか水を運ぶ早苗ちゃん。
「ふう、終わり。そっちはどう?」
「なんとか。しかし、もう腕がプルプルです。」
うん、二の腕とか特にね。ズコーン。
「うわー、腰の入った正拳突き。全然余裕じゃないの?」
「こんな、か弱い可愛い女の子を捕まえて何言ってるんですか。」
「おーい、終わったら、飯にするぞー。」
「「はーい。」」
けふも涙を流しながら、食うタゴサックに引くさっちゃん。
「飯も済んだし、田吾作には昨日同様、フイゴをやってもらおうか。嬢ちゃんには・・」
「はいはいはーい。私がやりますよ。」
「いや、結構重労働で火花なんかも飛ぶからな?女には・・・」
「ふっふっふ、私は巫女ですよ?そこは、巫術を使います。」
「ふむ。・・・・そうだな、一度巫術ってやつも見てみたいし、試しにやってみてくれや。」
「では。」
そう言うと、早苗のかざした手から風が出てくる。
「おおっ、すげえ。本当に出来んだな。巫術なんてのは初めて見たわ。嬢ちゃん、もう少し強く出来るか。」
「はい。」
「おし。いけそうだな。じゃあ、嬢ちゃんにやってもらうとして、田吾作は・・・そうだな・・・。お前、研ぎとかできるか?」
「家の包丁とか農具に軽くはやってましたね。」
「じゃあ、あの辺の錆びた奴に軽く当ててくれねえか。仕上げは俺がやるからさ。」
「はい。」
そうして、役割に分かれて仕事を始める各人。
初めは順調に見えたが、半刻ほど経った時点で
「すみません。ちょっと、巫力が切れそうです。」
「うん。大丈夫か?」
「あっはい。少し休めば、また。」
「そうか、田吾作!ちょっと、こっち来てフイゴ変わってくれ。」
「はい。」
「嬢ちゃんは、水でも飲んで、母ちゃんを手伝って来てくれや。また、出来るようになったら、こっち来て田吾作と変わってくれ。」
そんなこんなで交代しながら、この日の仕事を終えた三人は、また親父の店に。
「どうだった。嬢ちゃんは。」
「おう、巫術ってやつか。初めて見たわ、すげえな。」
「俺も見せてくんねえかな。なあ、嬢ちゃん。」
「今日は、もう疲れてしまってちょっと。」
「おっと、すまねえな。また機会があったら見せてくれや。飯くらいなら奢ってやるからよ。」
「はい。それで、親父さん。猪突苦斎様は?」
「いや、さすがに昨日の今日でこっちにいねえんじゃねえかな。」
「そうですか。」
「まあ、来たら引き留めといてやるよ。」
「絶対ですよ。絶対!」
「ああ。わかったわかった。」
これは言質とられたね。親父。はっはっは。グサッ!
( ;´Д`)
最後までこれかよ。がくっ。
最後なぜ親父が包丁投げたかって?平仮名にすると意味がわかるかもね。