1話、待ちに待った学院の始まり
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「朝ですよー」
「うんぅっ...」
四月といえどこの寒さは朝が弱い僕にはきつい
「早くしないと学校に遅れてしまいますよ、起きないなら悪戯しちゃいますよー...それではアイリス17歳、アシット魔法学院一年生になるクロウを今からこちょこちょの刑に処します」
「分かった。分かったからこちょこちょはやめてくれ」
「それは残念。私の長年の研鑽から編み出された技が実践できると思ったのに...」
「勘弁してくれ」
僕は四月一日の今日からアシット魔法学院入学するクロウだ。こちょこちょしたがってる彼女も今日から同じ学院に通う。名前はアイリス、アイリスの顔はこれ以上なく完璧でしかも完璧プロポーションそこは認めよう。しかし、この性格...いたずら好きなこの性格はどうにかならないだろうか。ちなみ髪は金髪をツインテールにしている。黙っていればそれだけで絵になるのにな、惜しい。と思ってるという感じの設定かな。まさに最強主人公にふさわしいパートナーだ。しかし二人とも見た目そのままできてるのでアイリスに関してはいつもそう思ってる。
「入学式から遅れるわけにはいかないから早く準備してさっさといこう」
「誰のせいで遅れそうになってるんでしょうね...ちらっ」
わざわざちらっと言葉で発して煽ってくる。たまにはたいたらすっきりするのだろうかと考えることがある。何故仮想空間に来たばかりの僕達が遅れてしまうということが分かるのかというと今の状況が仮想空間に入った瞬間に頭に流れ込んで来る。とても便利な機能だ。
「それはアイリスの茶番に時間を取られたせいに決まっているだろ」
「なっ...クロウの馬鹿、私はもう早起きして準備出来てるから置いて行っちゃうよ」
「奇遇だな僕は昨日の時点で既に準備を終えている」
「ぐぬぬ」
可愛らしく悔しがっているがスルーしてさっさと朝ごはんを食べに一階に降りようとする。僕達は宿の二階に泊まっていて一階が食堂となっている。
「クロウ待って、ねぇ待ってってば」
扉を開けて下に降りる僕をアイリスは急いで追いかけてくる。それにしても今日でこの宿とはおさらばか。明日からは学生寮があり、そこに移ることになるのでもう少しこの宿を堪能したいという気持ちはある。頭に流れ込んで来た情報では一週間はここに泊まっていたことになっているが勿論今来たばかりなので寂しく感じることはない。階段駆け下りると野太い声で声を掛けられた。
「ようクロウいよいよ今日から学校が始まるな。楽しみだな」
がははと挨拶をしてくる身長2メートルを超えるまるで熊のような巨体の男はこの店のオーナーのスマートだ
「おはようございますスマートさんもう食堂は使えますか? 」
「おうとっくの昔にな。さっさと食べていかないと遅れちまくぞ」
僕は食堂へ急いだ。後ろではアイリスがスマートに挨拶をしていしたが、スマートも美少女の彼女と話してるせいか心なしか僕の時より楽しそうな声で話している。
(やっぱ美少女てそれだけで得だよな)
そんなことを考えながら僕はアイリスより先に朝食を食べ始める。
(さてここからは完全にどうなるかは未知数だ。僕が最強になることは間違いないはずだが最強といってもどのぐらいなのかはまだわからない。早く力をふるってみたい。)
僕達は遅れないために朝食を口に放り込み急いで宿をでる。
ご飯を二人とも食べ終わりなんとか入学式に間に合った。学院長が何やら長々と話しているが特に耳に入って来ない。学院長の長話が続く中僕は周りの人達を見ていた。
(自分は一体この学院ではどの位なのだろうか最強なのは分かってるんだけど、どれほど実力差があるのか気になるものは気になる)
やっぱりこういうことは気になる。アシット魔法学院が魔法学院の中でもトップクラスであり、ここを首席で卒業しようものなら卒業後の進路は選び放題だ、ほとんどなんだってなれてしまう。
(あとはやっぱりかわいい子がいるか気になるよね)
学院長の話が終わり1時間も経たずに入学式は終わった。その後は各自教室のホームルームで連絡事項があるらしい。僕達は自分達の教室であるAクラスへと向かった。まだ入学式が終わったばかりということもあり一人でそれぞれ向かっている人が多い。中にはもうすでに何人かでグループを作っている人がちらほらいる。
(僕の自分から話しかけて友達作るとか苦手なんだよな)
そんなことを考えているとAクラスの教室にが見えて来た。この学院は基本自由席なので教室を覗くとまばらに席が埋まっていっている。ちょうど空いていたので僕は安定の一番後ろでアイリスと座る。やはりアイリスは目を引くらしくアイリスに多くの目線が集まっていた。
(自分が作った世界といっても面白くするため必要最低限のことしか設定しないようにアイリスにいっているのでこれから何が起こるのか皆目見当もつかない)
そうこうするうちにクラスの席が埋まっていき先生が来た。
「私はこのAクラスを担当するクロードだ。今年一年よろしく頼む。早速だが皆に伝えねばならないことがある。入学して早々ではあるが明日早速実力試験を行いたいと思う。」
ほとんどのクラスメイト達は声には出さないが一様に嫌な顔をした。その中で一人喜ぶ生徒。
(早速きました実力を発揮する場が、分かってるねアシット魔法学院、否分かってるのは僕の頭を読み取った優秀機械達なのかはたまたアイリスか)
ホームルームが終わり割り当てた部屋がある学生寮に向かうのだが、期待していた美少女を連れてることで絡まれるイベントはなく肩を落とす。イベントが起こることはなかったもののその他は今のところ理想的だった。なにより明日の実力試験がとても楽しみだ。
学生寮といってもさすがアシット魔法学院クラス別に部屋のクオリティが違うようだ。一番上はもちろんAクラス。多分その下にBクラスとか来るのではないだろうか。
「ここでアイリスによるサプラーイズ!事前情報でバレるとクロウが求める面白さにかけるかなと思った私はなんと、事前情報に嘘を書きました」
「嘘っ!一体どこに....魔法学院じゃなくて剣術学院でしたとか、それとも実はここに入学してないだったりして.....まさかあの宿のオーナーはスマートではないのか! 」
少し違和感を感じていたんだ。あのオーナーの名前がスマートはないだろう。あの熊のような体にスマートな要素は何一つもない。
「クロウの予想してる前二つはとんでもないサプライズだけど最後の一つはたまたま。確かに私もびっくりした。それにそんな大きなものじゃないよ。実はAクラスが一番下でその上にSクラスとSSクラスがありますっ ! 」
「いやぁまたまた何を言ってるんですか。最強がAクラスなんて何かの間違いだろ。教室を間違えたか」
「間違えてないよ。クロウは正真正銘のAクラスここからどうなるかはお楽しみ」
「ほう...なるほど...今思いついだぞ名付けてAクラスでSSクラスを倒しSSクラスの生徒にAクラスに負けるはずがない何かの間違いだを言わせてやろう作戦を決行する」
「作戦名長すぎるのが気になるけどここからどうするかはクロウ次第だよ」
ふふふと楽しそうに笑いかけてくるアイリス。アイリスにしては中々面白いことをしてくれる。せっかくだしこのAクラスを存分に活かして楽しもうじゃないか。部屋を見たが一人部屋には十分の広さだった。一部屋しかないが基本寝るだけの部屋にそこまで強いこだわりはない、それよりも魔力を流し込み本人であることを認識する鍵を開けるのに初めて魔力というものを感じ二人で無茶苦茶盛り上がった。
こうして仮想空間での初日が幕を閉じた。
読んでいただきありがとうございます良ければブックマーク登録等お願いします。反応次第では連載ペースを早め可能性がありますが今のところ2話は一週間後量は1話の二倍ぐらいを考えています。