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第5話「4月30日 AM2:33~」

やっとロボットバトルモノっぽくなってきます。

素人はプラモとか商品展開を考慮しなくていいので、ロボットの全身を書く必要はない。

召喚的に、ロボットの一部だけで戦闘を行います。

ロボットの操縦席は外部露出型。

マリコのロボット「メクロン河永久橋」はMotoGPレーサーが操縦席。

八重葉のロボット「世界電波塔」は八重葉自身、背骨と融合した器官の小さな脳が制御装置です。

今回も時間が無くて、文章のチェック甘めですな。

世界電波塔

─ 四人の転校生 ─

第5話「4月30日 AM2:33~」


油谷港

AM2:33

(はじめ)

マリコ

(あらし)

(ひらく)

(たつ)

5人は3分遅れで乗合釣り船に乗り、海に出た

作戦開始早々に、5人の警察官を失った

しかし、別段補充要員があるわけでもなく、作戦は続行される

船に搭乗した時に、5人の他、誰もいなかった

(あらし)(たつ)は、ひょっとしたら失った5人の中に船を操舵する者がいたかもしれないと怪しんだ

誰が操舵するのかと思ったら、(ひらく)が舵を取っている

「東新田くん、キミ、船の操縦できたんだな」@(たつ)

(ひらく)は照れくさそうに身をよじっている

「”ひ・ら・く”って呼んでほしいな…ぼくは乗り物が好きでね、小学生のころ、いろいろな乗り物の操縦の仕方を図鑑で読んだんだ」@(ひらく)

「え?じゃあ、実際に舵を握るのは、これが初めてなの??」@(たつ)

(ひらく)は、闇夜にちらつく矩形の波を眺めている

「嗚呼、船が波にもてあそばれている。僕は広大な海の上で、一つ方向に船を向けている。右に左に落ち着かない船の舳先をなだめて、みんなの命を預かって」@(ひらく)

潮風に頬を撫でられて、気持ちよさそう

いや、マテ。船舶って有資格業務ではなかったか?

無免許…

「創さんすいません!東新田くんチェンジで!」@(たつ)

「騒ぐな辰。あのエリート様が舵を握らせているのだ。大丈夫なのさ」@(あらし)

指摘されれば、その通り

(たつ)は妹弟子に取乱した姿を見られて恥じ入る

「判ってるよ!」@(たつ)

(たつ)も風上に顔を向ける

海の匂いがする。

暗闇の中、水平線はいよいよ果てが無い

無限に感じる宇宙だ

河は山頂の源泉より湧き出でる

それは濁りの無い赤子だ

河は海へと向かう過程で沢から大河となり濁る

様々なものが混ざり濁る

器が大きくなる代わりに、清らかなままではいられない

その様はたびたび人生に例えられる

河がたどり着く先が海ならば、海は死後に魂が向かう場所なのかもしれない

死後、我々が広大な宇宙に向かうならば、生きている間に十分にこの世界の何たるかを心得ていたいものだ

もしかすると、この世に生まれる前に我々は別な過程を経ていたのかもしれない

海に街灯などない

隠密行動のため、船のライトも消している

星々が散らばり、雲の向こうに見え隠れする月

ひときわ明るいあの星。何年前の姿を我々は見ているのだろうか?

暗闇になれた若い目に距離感の無い光の芸術は、あまりにも浮世離れしている

宇宙という生物の体内に居る気がする

それが深夜の海

(ひらく)(たつ)

二人を包む波の音は、宇宙の胎動なのかもしれない

少年二人

海の広さ

暗闇は底がなく、距離感の無い風景とは裏腹に体は波に揺れている

生と死の境目が希薄になり心地良い

(たつ)が、星をつかもうと手を伸ばしたところで、二人は正気に戻った

「東新田くん。この暗がりで、よく操舵できるね」@(たつ)

「気になるかい。でも、君が銃弾の雨を鉄扇で薙ぎ払う技と、どっちが不思議かな」@(ひらく)

そうであった。自分だって、ただの子供ではない。(たつ)にはその自覚がある

「こんな所で襲撃されたらひとたまりもないな」@(たつ)

痛みを感じる間もなく死ぬことができたなら、それは幸せなことなのかもしれない

少年は海の暗闇にそう思わされて、つぶやいた

「その覚悟はしておけ」@(はじめ)

(はじめ)が甲板に出てきていた

「奴らの通信を使って、我々は死んだと報告した」@(はじめ)

(はじめ)がスマートフォンで敵兵の声をサンプリングして、暗号を用いた会話を敵車両の端末で行っていた…あれか

「だが敵兵を殺した事実はいずれ知れる。つかの間の時間稼ぎでしかない」@(はじめ)

この暗闇の向こうに敵がいるかもしれない

「嵐ちゃんは?」@(たつ)

「寝ている。大鼾をかいてな」@(はじめ)

ふと、暗闇の奥を見る

「お前も少し寝ておけ」@(はじめ)

「でも、」@(たつ)

「今いる位置は既に自衛隊空母の傘の下だ。奴らに手出しはできない。弾道ミサイルでも持ち出さない限りはな」@(はじめ)

(はじめ)のスマートフォンに着信。空母からだ

エリートはほんの十数秒無言で話を聞いたあと、「解った」と答えて終話した

(ひらく)」弟の名を呼ぶ、その表情は険しい

「兄さん?」@(ひらく)

「操舵を代われ。ちょっと早いがカミオカンデの出番だ」@(はじめ)

要領を得ない(たつ)が「トラブルですか?」と高圧的なエリートに問うた

「弾道ミサイルだ」@(はじめ)

「は?」@(たつ)

「しかも6発という大盤振る舞い。海上自衛隊のあしがらが迎撃にあたるが、すべての撃墜は困難だ」@(はじめ)

(たつ)の不安そうな顔。まるで、親とはぐれた子供のような。頼るものがない。その顔だ

「情けない顔だな」@(はじめ)

「でも…弾道ミサイルですよ。値段で言ったらこのおんぼろ船の何倍ですか」@(たつ)

「フン、その弾道ミサイルより高価な兵器がここにある」@(はじめ)

「はい?」@(たつ)

船の舳先に、(ひらく)が立っている

「え??」@(たつ)

「カミオカンデの存在は、まだ秘密にしておきたかったが、そうも言っていられない」@(はじめ)

「東新田くん!!」@(たつ)

(たつ)の呼びかけに、振り返った少年は、やや寂し気な笑顔を返す

「辰くんには、”ひ・ら・く”って呼んでほしいな」@(ひらく)

前に向きなおり、潮風に満たされた満天の星空を睨み上げる少年

探すはデネブでもアルタイルでもない

人類が創り出した狂気の光

兄は船を操舵しながらスマートフォンを耳にあてがっている

「墾、見えたか。3発くるぞ」@(はじめ)

「ああ、あの3つがそうか…兄さん、見えたよ」@(ひらく)

(たつ)には何も見えない。何しろ真っ暗闇なのだ

「東新田くん、君はいったい──」@(たつ)

少年は寂し気にうつむいた後、遠吠えをする狼の様に、果てのない漆黒を震わせた

「千の眼を見開け!カミオカンデ!!」@(ひらく)

何が起こったのかわからない

警察のキャリアが言う”弾道ミサイルより高価な兵器”の姿なんて何処にも見えない

しかし、彼らが乗る乗合い釣船は何か巨大なものに押し付けられる様に、2度3度と大きく揺れた

跳ね上がった海水をかぶる(たつ)

「何事だ!!」@(あらし)

(あらし)が飛び起きて甲板に出てくる

「東新田くん」@(たつ)

まるで見えない亡霊が暴れている様だ

そして、何もない空間から滑空砲の砲身が現れた

「東新田くん…これが君の秘密なのか…????」@(たつ)

ドン!

ドン!

ドン!

風紀委員も舳先に立つ少年を見つけた。暗闇の中、突如現れた砲身にも

「やったか」@(はじめ)

兄の問いに弟は「今」と微笑んだ

地平線の向こう、一瞬、ひときわ明るい星が三つ増えた

10秒近く遅れて、爆発音が聞こえてきた

「フン、上出来だ」

兄は船の舵を再び弟に預ける

(ひらく)が舳先から操舵室へ向かうとき、(あらし)(たつ)の前を通り過ぎたのだが、かける言葉は見つからず、黙って見送るしか出来なかった

この少年は、東新田墾(ひがしにったひらく)はただの人間ではない

そもそも人間ではないのかもしれない

(あらし)は彼が病院のベッドで身動き取れずに寝ていた姿を思い出す

ミサイル攻撃の時も逃げずにベッドに居たのだから、本当に寝たきりの状態だったと推察できる

それが翌朝には、何事もなかったかのように元気に登校をしてきていた

そして、

飛来する銃弾を握りつぶし、

真っ暗闇の中、船を操舵し、

弾道ミサイルを滑空砲で撃ち落した

少年が叫んだ”千の眼”とは?”カミオカンデ”とは?

少年の正体はいったい…

月明かりの中、水平線の上にのっしりと構える巨大な空母の輪郭が浮かび上がってきた2隻のイージス艦を従えている

時計を確認する(はじめ)

「フン、予定通りだな」

(あらし)(たつ)もGPS腕時計を確認する

”04:00 MCH-101 韓国行”とリマインドが表示されている

続けて、自分を中心に他の四人と空母、輸送ヘリMCH-101の位置、ヘリまでの距離と予想到着時間が表示された

「ホント、便利だな」@(たつ)

(たつ)は腕の曲線に合わせて湾曲した2インチ液晶画面を眺めている

「マリコさんはまだ寝ているのかな」@(あらし)

(あらし)は彼女の様子を見に、船室へと向かった

マリコは猫のようにうずくまって寝ていた

まじまじと見ると、段々マリコが豹とかジャガーに見えてくる

しかし、マリコさんほど勘の鋭い御仁がよく滑空砲の轟音に目を覚まさなかったものだ

いや、彼女ほどの野生ならば、弾道弾の接近に感づいて飛び起きてもおかしくはない

その疑問は、まもなく解決された

「マリコはしばらく起きぬよ」@(はじめ)

「…」@(あらし)

「今のうちに仮眠をとらせたくてな、クジラ様に調合した睡眠薬を投与した」@(はじめ)

「オガワマッコウ〔2.7m〕?」@(あらし)

「シロナガスクジラ〔26m〕」@(はじめ)

「永久に起きないぞ!それ!!」@(あらし)

(はじめ)は膝が悪い。(ひらく)にマリコを背負わせようとしたが、女性だから気を使えと(あらし)が背負った

イージス艦の腹に乗合い釣船を横付けし、クレーンで引き上げてもらう

引き上げられた順に、空母の甲板に小型のヘリで移動する

最後に小型ヘリに乗ったのは弟の(ひらく)

ヘリが数メートル上昇したところで、ズシンという衝撃があり、ヘリの上昇が鈍った

その理由を知る警察官たちは”ここからが勝負だ”と表情を引き締めて、ヘリコプターの様子を見守るが、いまだ理由を知らない(あらし)(たつ)の学生二人は、ヘリコプターの不自然な挙動に要領を得ないでいる

(ひらく)が人間でないと仮定しても、あれほどの重荷では無い筈だ。それに、数メートル上昇して突然重くなるというのも解せない

小型ヘリは、機体を斜めに傾かせ、ぶん回す回転翼をうならせて空母の甲板に上がってきた

小型ヘリから少年が降りてくる。飄々としてどこか頼りない体躯。へらへらと浮ついた表情。色気も主張もないファッション。これといった特徴のない姿に大きな謎を秘めて

「墾、早く来い」@(はじめ)

4人は既に輸送ヘリMCH-101に搭乗している

(あらし)が室内を見渡す

本来は10人で乗るはずだった

それが半分になってしまった

大型輸送ヘリの室内が、ひときわ広く感じる。5人、ヘリの後方にまとまって座っているので、なおさら広く感じる。不安が心に芽生えるほどに

(はじめ)の上官らしき人物がやってきて「本当にこの人員だけでやれるのか」と(はじめ)に詰め寄る

どうやら警察官四人の尊い命を失った事も含め、厚顔のエリートを糾弾している様だ

「敵の潜入を許したのはあなた方の不始末では?我々現場の実行部隊はいい迷惑だ」@(あらし)

そう舌戦で切り返したのは二身一心流、夏野嵐(なつのあらし)

子供に生意気を言われた上官は、目上の立場を用いて無駄口を控えさせるつもりであった

しかし、彼女の家柄を思い出し歯噛みする

(あらし)の家にたてつくのは頭のいい戦略ではない

「予定の半分の人員での作戦。あなた方の身を案じて申しております」

「そうか?元々この5人で予定していた作戦に、予定外の人員を追加されたと聞いて居るぞ。それが工作員の潜入を許し、弾道ミサイルの攻撃を受ける原因になったのでは?」@(あらし)

「そ、それは…」

小童(こわっぱ)に言い負かされ、上官は顔を真っ赤にして悔しがる

「お待たせー」@(ひらく)

(ひらく)が遠足にでも行く様な呑気さで、輸送ヘリに乗り込んできた

「下がれ。時間だ」@(あらし)

この上官も自衛隊からの出向。夏野家直系には頭が上がらない。引き下がった

「フン。好きに言わせておけばいいものを」@(はじめ)

「あなたを助けたつもりはない。定刻通りに作戦を進めたかっただけだ」@(あらし)

「八重葉ちゃん救出のためにか?」@(はじめ)

「ほかに理由は無い」@(あらし)

GPS腕時計を見ると、輸送ヘリ出発のカウントダウンが始まって居る

3 2 1…ゼロ

MCH-101離陸

GPS腕時計はヘリの動きを検知、

“1秒先行 予定通り”と表示した

操縦席から「かーっ、やっぱゼロは難しいな」「へっへー、1秒、ビンゴ。五千円いただきです」と、操縦士同士の会話が聞こえてくる

どうやらAM4:00Sharp、一秒もずれずに離陸できるかの賭けをしていたらしい。

「まったく、不謹慎な」@(あらし)

一言物申そうと立ち上がった(あらし)(はじめ)が制する

「呑んでおけ。奴らもいつ死ぬかわからぬ身。風紀も(つの)を引っ込めておけ」@(はじめ)

「風紀委員を鬼や般若と同じに語るな。あたりまえにしたいだけだ」@(あらし)

「兎に角座れ。未だヘリは上昇中だ」@(はじめ)

「自分は曲げぬぞ」@(あらし)

(あらし)(はじめ)の言葉を聞き入れて座ったが、へそを曲げてしまった

彼女はこう思っている

いつ死ぬかわからないから、いつ死んでも悔いがないように、身の回りを生きざまをきれいにしておくべきではないのか

この平和な国においても、国を守るため命がけの仕事が存在する

それを誰が行うのか?

この平和な国においては、善人の命は保証されなければならない

そして、国を守るものは善人でなければならない

すなわち、国を守るものは死んではならない

…国を守るための命がけの仕事なんか、存在してはいけない

この矛盾を背負う家系がある

(あらし)(たつ)は、その家系に生まれた

とりわけ(あらし)はその使命感が強い

自分を曲げるなんて、できるわけがない

4機のF-35Bが空母から離陸した

5人が乗る大型輸送ヘリを護衛するためだ

2機が先行する

警察のエリートは、ナイフのような視線で戦闘機の腹をえぐるように行方を追った

「こちらの新型重機が運用工程に入ったことは、奴らに知られてしまった。金輪際、容赦はないだろう…」@(はじめ)

新型重機(パンドラスマシーヌ)

この男、秘密を明かそうとしない

風紀委員は、人様の家に土足で上がるような視線でエリートの顔を覗き込んだ

彼女は、これくらいの圧力がないと、この高慢ちきなエリートとは対等に話せないと考えている

「”匿名結社(アノニマスセナクル)”、”死角空間(イグノアドエスパス)”、”重機(パンドラスマシーヌ)”…もう、FAKE NEWSのネタではないのだ。少なくとわたしと辰にとってはな。我々には教えてくれても良いのでは?」@(あらし)

そのエリートは、まだ、窓の向こうに戦闘機の機影を追いかけている

「そうだな、御庭番の末裔たち。お前らはもう、Xファイルを作る側だ」@(はじめ)

いよいよ、FAKE NEWSに隠蔽されてきた真実を聞けそうだ

そのとき、マリコが突如、目を覚ました

挿絵(By みてみん)

「うがつ!!」

そう、最初に気づいたのはマリコだった

輸送ヘリの後方に固定されている彼女の愛馬、ホンダRC213V交機仕様

野獣にふさわしい自動二輪

MotoGPレーサー

床に固定しているワイヤーを、彼女はレーシングブーツの踵で蹴り切った

しかし、

「兄さん。やられたよ」@(ひらく)

弟のため息

ドボオオオオオオオッッッ!!!!

輸送ヘリの前半分がまるっきり吹き飛んだ

墜落を始める輸送ヘリ

(はじめ)、マリコ、(あらし)(ひらく)、そして(たつ)。5人そろって只者ではない

死に直面したとて、この五人の誰が無様に悲鳴を上げようか

「フン、ここまでか、」──海面にたたきつけられるまでの間、何か出来るわけでもない

…はずだが、

ヅシン!!

落下する速度が急に減速した。持ち上がりはしないが、それ以上下がる様子はない

横に、横に滑るように進んでいる

「フン、無茶をしおって」

輸送ヘリの後方を警戒していた2機のF-35Bのうちの一機が、背面飛行で輸送ヘリの下に潜り込み支えている

とはいえ、長くはもたなさそうだ

「マリコ!墾!」@(はじめ)

高圧的なエリートの檄が飛ぶ

マリコは肩に引っ掛けていたFuryganのジャケットに袖を通し、ジッパーを上げた

「永久橋!突進!!」

(ひらく)は操縦室があった方、輸送ヘリの破壊された端部に立つ

「東新田!あぶない!」@(あらし)

「センパイ。”ひ・ら・く”って呼んでほしいな」@(ひらく)

大海の夜空に身を投げる少年。彼は星空の河を下に流れて叫ぶ

「千の眼を見開け!カミオカンデ!」

「うがああっ!」

マリコもアクセルを開けて、自動二輪ごと夜の闇に飛んだ

ミシッ!バキッ!!

輸送ヘリの下の方から、ぞっとするような音がする

鬼の風紀委員の背を凍らせたのは、己の身の危険が故ではない

自分の足の下で踏ん張っている、戦闘機のパイロットの身の危険が故だ

戦闘機がへし折れかかっているのだ

「東新田兄!もう十分だ!パイロットを脱出させろ」@(あらし)

(はじめ)はスマートフォンを手にした

これは死角空間警察(ラ・インビジブル・ポリス)専用で、専用のモデムを内蔵する

これにより、警察官同士でセキュアな通信を確立できる

(はじめ)が呼び出したのは、足元で踏ん張っているパイロット

「私だ。もう限界なのは分っている…」@(はじめ)

(あらし)は彼がパイロットに脱出を促すものと信じて、何度も頷いている

「…だが、先に降りたマリコの上まで我々を運べ」@(はじめ)

これは、パイロットに死ねというのと同意

「人でなしがっ」@(あらし)

(あらし)(はじめ)に対して拳を振り上げた

「嵐ちゃん!まずいって!」@(たつ)

(たつ)が彼女の腰に組み付く

(たつ)は小柄だが、剛力を誇る

「放せ辰!数々の下種な言動!何がキャリア組なものか!こやつを頭にいただいてはお庭番の家紋が煤を被る!」@(あらし)

「お願いだから、冷静になって!」@(たつ)

「フン、お前だけが死ぬ覚悟が出来ていると思うな、小娘」@(はじめ)

「違う!御庭番たるわたしのために誰かが死ぬ!この筋が通らぬのだ!!」@(あらし)

「フン、勘違いめ。お前が命を捨てるのは今日の夜だ。それまでは家紋をヒビ割っても命をつなげ、能無しめが」@(はじめ)

「何人」@(あらし)

「フン」

「あと何人、生贄に捧げる気だ」@(あらし)

「さぁな。たとえ千人の犠牲者を出しても、小江戸八重葉は…いや、世界電波塔は奪還するぞ」@(はじめ)

「世界…電波塔」@(あらし)

それは、千人の警察官の命に勝るという

それは、いかなる秘密を有しているのか?

「世界電波塔」@(たつ)

(たつ)も、その名を心に刻むように口にした

ベキン!!

盛大な音がして、再び輸送ヘリが落下をし始めた

大型ヘリのでかい図体が、戦闘機をへし折ってしまったのだ

F-35Bは爆発炎上。最後まで機体をコントロールし、くそ重たい大型輸送ヘリを支え続けたパイロットは爆炎にのまれた

(あらし)は名もなきパイロットの勇気に抑え難き涙を堪えきるため敬礼をした

涙は英雄の為にならない

輸送ヘリは落下速度を増し、このまま加速を続ければ海面はコンクリート並みの硬度となり、輸送ヘリを木っ端みじんにしてしまうだろう

(たつ)はマグライトで照らして、迫りくる海面を確認する

「え?東新田くん?」@(たつ)

(たつ)は目を疑った

落ち行く大型ヘリの真下。少年が海面に立っている

少年の姿は遠く、米粒のような大きさだが、彼の全身が海面上にあることは確認できる

マリコの二輪車も海面を走っている

何の手品だ?

「もういい、退がれ」@(はじめ)

(はじめ)(たつ)の襟首をつかんで、ヘリの奥の方へ引きずってゆく

落下してくる大型輸送ヘリを見上げる少年──(ひらく)。満天の星空。流れ星の様だ

また、何もない空間に巨砲

「時限式榴弾」@(ひらく)

輸送ヘリの下方に榴弾が現れ、爆発をした

「「「ぬあああっっ」」」@(はじめ)(あらし)(たつ)

その衝撃に中にいる三人は宙を舞った。それぞれ壁や天井にたたきつけられる

輸送ヘリの見てくれはかなりのボロボロだが、落下速度は鈍った

「もう一発。時限式榴弾」@(ひらく)

少年はそう言いながらマリコのホンダRC213Vのテールの上にしゃがみこんだ

RC213Vは単座なので、このようにしか乗りようがない

「うががっ!」

加速するMotoGPのモンスターはそそり上がった波を利用して、トビウオの様に飛んだ

落下してくる巨大な鉄くずに挑む小さな二輪車

(ひらく)がカウルの上に移動する

「踏ん張りますよ。マリコさん」@(ひらく)

「うが!」

「せいのっ!!」@(ひらく)

MotoGPレーサーのカウルの上に立った少年は、鉄くずと化して落ちてくる大型輸送ヘリを素手で受け止めた

ズシン

その巨大な質量が肩にのしかかる

「重い!重い!重い!」@(ひらく)

「うががぁーっっ!!永久橋!突進!!」

マリコもアクセルを開ける

落下速度は鈍るが止まりはしない

「マリコさん。クソ重いっす。あっちの腕も出しますか」@(ひらく)

「うがっ」

「了解です!」@(ひらく)

迫りくる海面

そして、

ズザザザーーーッッ!!

着水

マリコと(ひらく)は輸送ヘリの質量に海中に押し込まれた

輸送ヘリは着水の衝撃でバキバキといくつかに分解した

榴弾の爆発で入れられた亀裂に沿って分解した

カミオカンデの計算通りに

落下の衝撃に抵抗せず緩やかに分解することで、中にいる三人を守る──カミオカンデの計算通り

(はじめ)(あらし)(たつ)三人とも衝撃に耐え、痛みに悶えていたが、生きている

ざぱーっ

マリコと(ひらく)が水中から戻ってきた

「みんなー!大丈夫かーい!」@(ひらく)

(ひらく)が夜の海面をぱしゃぱしゃと走ってくる

「東新田くん、君、幽霊とかじゃないよね」@(たつ)

首をかしげる(たつ)(ひらく)は抱き着いた

「”ひらく”って呼んでよ。それよりもけがはないかい?」@(ひらく)

(たつ)の全身をくまなくまさぐり始めた

ベキン!

(たつ)は鉄扇で(ひらく)を殴り飛ばす

海面をてんてんてーんと転がってゆく。そして20m向こうで立ち上がった

「よかった。元気そうで。でも、その愛くるしい体にわずかな傷でもついたら大変なんだからね」@(ひらく)

鉄扇の一撃が全く効いていない。(たつ)は可愛い額に筋を浮かべていらだった

輸送ヘリの残骸の上に二輪を停車させたマリコがジャケットのジッパーを下げようとする

「マリコ。永久橋のセッションはまだ切るな」@(はじめ)

「うが?」

彼女は下げかけたジッパーを元に戻した

輸送ヘリの残骸からボートになりそうなものを選び、ワイヤーでマリコの二輪につなげる

四人はボード状の残骸に移る

「ガキども何処かにつかまっていろ。マリコの運転は、少々荒っぽい」@(はじめ)

「うがっ」

一路韓国を目指して、MotoGPレーサーは加速する

”うが”だけで構成された謎歌を歌いながら

マリコに引きずられるヘリの残骸は波に乗り上げ飛んだり跳ねたり

乗って居る四人はたまったものではない

残骸にしがみつきながら、弟は兄にスマートフォンの画面を見せた

一機の重機(パンドラスマシーヌ)の写真

輸送ヘリの操縦室を吹き飛ばした機体を、カミオカンデの千の眼は捕らえていたのだ

「Spring8…間違いない」@(はじめ)

「マリコさんがすぐに気付いたんだけど、こいつ、大砲を一発だけ撃って、結果も見ないで去っていったよ」@(ひらく)

「フン、砲撃には絶対の自信がある機体。そういうことか」

「うぷ、」@(たつ)

激しい揺れに耐えかねて、(たつ)の顔は真っ青。今にも吐きそうだ

(ひらく)がオロオロと近寄る

「た、辰きゅん。大丈夫かい?」@(ひらく)

「だ、だいじょばないかも」@(たつ)

「と、取り敢えず全部吐いちゃえば楽になると思うよ。ぼ、僕が辰きゅんの嘔吐物を口うつして処理するとか」@(ひらく)

「コロスゾ」@(たつ)

「じゃ、じゃあ。背中をさすってあげるね」@(ひらく)

「それなら…か、かたじけない、」@(たつ)

(たつ)は迂闊にも(ひらく)に背中を預けた

「じゃあ♡いくよ♡」

(ひらく)(たつ)の背中に抱き着いて、体全体を使って彼の背中をさすった。

「チェストォー」@(たつ)

(たつ)(ひらく)を一本背負いで海に放り投げた

ばっしゃーん

マリコの二輪に引かれて去ってゆくヘリの残骸の後方、(ひらく)はいずことも知れぬ大海の奥深くに置いてけぼり

「海の藻屑になってしまえ!…う、うえぇぇ」@(たつ)

(たつ)、ゲロイン

「御庭番を名乗るには、もっと内臓を鍛えぬとな」@(あらし)

(あらし)が見かねて背中をさすってやる

「嵐ちゃんはそうやって一言多いから入門が…うえええ」@(たつ)

「だ、大丈夫かい?センパイが背中をさすっているから、僕は…そう、君のお腹をさすろうか?」@(ひらく)

大海に打ち捨てたはずの(ひらく)がいつの間にか戻ってきている。どうやって??

有言実行。本当に(たつ)の腹部めがけていやらしい指使いで手を伸ばしてきたので、(あらし)は二本の警棒で彼を殴打し、再び海に打ち捨てた

陽が昇る

障害物競走で、ハードルを飛び行くアスリートの様に波を超えて日光は走る

波の頂点にとどまる光は心地よく揺らぎ、闇に慣れた目に眩しい光の幻想は、瞬間俗世を忘却させる

陽の光が全身を通り過ぎて行く浮遊感

太陽信仰を肯定する

その光が進む先、

朝鮮半島が遠くにぼんやりと見えてきた

韓国空軍の戦闘機KFX6機が、5人を出迎えにやってきた

3分間ほどKFXとF-35Bが横並びに飛んでいたが、自衛隊のパイロットが韓国空軍のパイロットに敬礼をした後、F-35Bは空母へと戻って行った

「ふぅ、」@(はじめ)

(はじめ)の険しい表情が、やや、和らぐ

「ガキども。しばらくは安全だ。寝るなら今のうちだぞ」@(はじめ)

「そのセリフ、さっきも聞きましたが。死亡フラグですか?」@(たつ)

「兄さん、韓国は安全なの?」@(ひらく)

いつの間にか戻ってきている

「ああ。今の時期、北朝鮮は韓国を刺激するような真似はしない」@(はじめ)

寝ろと言われても…@(あらし)(たつ)#汗

並の上をびょんびょんと跳ねる鉄板の上で、それは難易度が高い


『牡丹ちゃーん、早くー。飛行機に遅れちゃうよー』@中埜鐘(なかのがね)

「何の話だっ!」@牡丹(ぼたん)

女子高生にしてガチバイト戦士、嬉野牡丹(うれしのぼたん)

怪しいおっさんこと、中埜鐘(なかのがね)に、朝の早よから電話で起こされる

『北朝鮮行こう、北朝鮮』@中埜鐘(なかのがね)

「なんで朝早くにたたき起こされた上に、おっさんとの海外旅行にいいともせにゃならんのよ!」@牡丹(ぼたん)

『いいともって、牡丹ちゃん相変わらず古いねー』@中埜鐘(なかのがね)

「話そらさないで頂けますなさいませ下さいかしこ」@牡丹(ぼたん)

『いや、牡丹ちゃんならもう、全然起きてると思って』@中埜鐘(なかのがね)

時計を見る。AM04:15。確かにいつもならとっくに起きて居るどころか、新聞配達も後半戦に突入するって時間だ

だが今はその新聞配達のバイトを失って居る。どっかの怪しいおっさんのおかげでだ

腹立たしい

「じゃああたし寝るので」@牡丹(ぼたん)

終話して布団に潜り込んだ

ぷりゅりゅりゅりゅ!!

スマートフォンから着信音

いつまでも鳴り響いて居る

留守電になっても、一度切ってまたかけ直してくる

スマートフォンの電源を切った

しかし、スマートフォンの電源は自動的にONになり、また着信音

「うっそ!あたしのスマートフォン、クラック済みなの?」@牡丹(ぼたん)

半ば怯えつつバッテリーを取り外した

もう、大丈夫のはずだ

ガッシャーン!!

窓ガラスを突き破って、何かが集合住宅の三階に位置する彼女の室内に飛び込んできた

ぷりゅりゅりゅりゅ!!

着信音

どうやらスマートフォンの様だ。とりわけ頑丈なタイプの

「クソオヤジっ!」@牡丹(ぼたん)

怒れる女子高生は、そのスマートフォンをたまさか彼女の部屋にあった万力で圧壊した

バキム

頑丈なタイプのスマートフォンは完全に沈黙した

額の汗をぬぐう牡丹(ぼたん)

「ざまぁみさら…」@牡丹(ぼたん)

ガシャーン!ガシャーン!

今度は頑丈なタイプのスマートフォンが2つ、部屋に飛び込んできた

ぷりゅりゅりゅりゅ!!

ぷりゅりゅりゅりゅ!!

「あああっっ五月蠅ぇえっ!!めっちゃ癇に障る!!あのオッサン!人の神経を逆なでする天才か!?」@牡丹(ぼたん)

ぬそー、

窓の外を見ると、上から何かが降りてくる

うさん臭いオッサン、中埜鐘(なかのがね)

ドンキで買ったような安っぽい、パーティー用の天使の羽と天使のわっかをつけている

クレーンのワイヤーに捕まって、窓の外に降臨してきた

「なんのつもりだ、オッサン」@牡丹(ぼたん)

「いや、牡丹ちゃんを刺激しないようにアプローチしようと思ってね。女子高生好きだろ?可愛いもの」@中埜鐘(なかのがね)

「ああ、好きだとも。可愛いものはなっ!!」@牡丹(ぼたん)

牡丹(ぼたん)は頑丈なタイプのスマートフォンを両手に握りしめて、うさん臭いオッサンめがけて、両方ぶん投げた

頑丈なタイプのスマートフォンは、オッサンの両目にメキっとめり込んだ

頑丈なタイプのスマートフォンは、頑丈なだけに通常のスマートフォンより重い

その質量はそのまま両目への激突時の衝撃となり、オッサンの首をグキリと無茶な角度で後方に押し倒した

オッサンは後方に押し倒された首を起こそうと試みるが、なぜか首に力が入らず容易に起こせない

「あれっ?あれっ?」@中埜鐘(なかのがね)

折れたのか?

ひょっとして首、折れたのか??

オッサンは両手で自分の頭を持って真っすぐに起こし、首の付け根辺りをぐりぐりとこじった

恐る恐る手を放す

彼の首は、プルプルと震えながらも前後左右に動いた

「おおお、なんかはまったぁー。ちょっと抜けてただけ見たい。よかったー」@中埜鐘(なかのがね)

チュイーン!ヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィ!!!!

目にスマートフォンがめり込んでいて何も見えないが、彼の上方でなにやら研削音がする

嬉野牡丹(うれしのぼたん)が、たまさか彼女の部屋にあったダイヤモンドカッターで、オッサンを吊るしているクレーンのワイヤーを切断しているのだ

ワイヤーを切り通す瞬間、彼女は親指を下に向けた

「くたヴぁれえぃ!!」@牡丹(ぼたん)

オッサンは無残にも三階の高さから自由落下

周りが見えないから、ジタバタと何をしたいのか定まらないまま手足を動かし、無論受け身など用意のない状態で地面に叩きつけられた

アスファルトの上に長く伸びた怪しいおっさんは、まるで車に轢かれたガマガエルの様に見える

その潰れたカエルがピクリと動いた

「ちっ!生きていたか」@牡丹(ぼたん)

牡丹(ぼたん)はたまさか彼女の部屋にあった、彼女自身より重いサーバーラック用UPS(無停電装置)を持ち上げ…

「ぬおお!」@牡丹(ぼたん)

持ち上げ…

「つおおお!!」@牡丹(ぼたん)

持ち上げ…

「ぬおおうりゃあああ!!」@牡丹(ぼたん)

持ち上げた。そして、おっさんの上に落とした

「ぴぎゅ!!!!」@中埜鐘(なかのがね)

言葉にならないオッサンの悲鳴が聞こえてきた

集合住宅の敷地内に一台のポルシェカイエンがやってきて、玄関前のタクシーとか宅配のトラック様の駐車スペースに止まった

ドアを開けて出てきたのは喜多野(きたの)

相変わらずスマートフォンをいじって居る

転職先を、真っ当な仕事を探して居るに違いない

スマートフォンを弄りながら、ちらりと中埜鐘(なかのがね)の方を見やる

「牡丹ちゃん。どうですか」@喜多野(きたの)

路上のヒキガエルは痛みに呻くばかり

建物の三階を見上げると牡丹(ぼたん)が、窓ガラスが割れた窓から身を乗り出して居る

手に、彼女の部屋にたまさかあったマンホールの蓋を持って

牡丹(ぼたん)はマンホールの蓋をブーメランの様に投げた

ギャルルルル!!!!

唸りを上げて飛ぶ分厚い鉄板=マンホールは、喜多野(きたの)が手にして居るスマートフォンを粉砕し、その後ギュインと上昇し、喜多野(きたの)の鼻先を確実に目指した

「ヒェェ、とんでもないコントロールだねぇ」@喜多野(きたの)

喜多野(きたの)は感情と力、両方が抜けた口調で、マンホールの強襲をあっさりとかわした

マンホールは大きく軌道を曲げ、喜多野(きたの)が乗ってきたポルシェカイエンのボンネットに突き刺さった

「へー、オジサンと…オジサンの車も狙ってたんだねえ、あ、あとスマフォも。スゲェ」@喜多野(きたの)

癖でスマートフォンをいじろうとしたが、牡丹(ぼたん)に粉砕されて、下半分しか残っていない

地面に長く伸びて居る中埜鐘(なかのがね)をじっと見る。

特に意味はないのだが、手に握っていたスマートフォンの半分を中埜鐘(なかのがね)の腹辺りめがけて投げ捨てた

今一度、集合住宅の三階に視線を送る

あれは、牡丹(ぼたん)はモノ物が違う。子供とたかをくくるなかれ

「成る程、」@喜多野(きたの)

「なーにが、成る程だーっ!!」@牡丹(ぼたん)

少女は未だ牙を剥いている

「中埜鐘さんの酔狂かと思ったけれど、オジサンも牡丹ちゃんのこと、気に入ったよ」@喜多野(きたの)

「五月蝿い!足元に転がっている生ゴミ持って帰れ!」@牡丹(ぼたん)

「牡丹ちゃん。オジサンと北朝鮮に行く気ある?」@喜多野(きたの)

「お前なんか拉致洗脳されてしまえ!」@牡丹(ぼたん)

「小江戸八重葉ちゃんって、知っているよね?」@喜多野(きたの)

「?」@牡丹(ぼたん)

「彼女がまさに拉致されていてね、」@喜多野(きたの)

「警察病院で入院している筈だ」@牡丹(ぼたん)

「今、北朝鮮にいるよ」@喜多野(きたの)

「なんでまた…拉致のメッカに…」@牡丹(ぼたん)

「夏野嵐、海神辰、そして東新田墾が救出に向かったそうだ」@喜多野(きたの)

「東新田?」@牡丹(ぼたん)

なじみがない名前だが、全く聞き覚えがないわけではない。3日前に編入してきた一年の生徒の名が確か…

「おじさんは興味ないけど、まぁ、そういう依頼でね。どうする?金にはなるよ。あと、友達の助けにもね」@喜多野(きたの)

牡丹(ぼたん)にはFAKE NEWSの住人を、常人には知覚できないそれを見ることが出来る

彼女は一時期、自分は正気ではないのかもしれないと思い悩んだ

それが正義の味方になるとは…怪しんでしかるべき

それにつけても八重葉。彼女は牡丹(ぼたん)の後輩であり、親しい友人

この小説の戦闘要員にはそれぞれ決め台詞を設けてみました。

今更この話をする理由は、4話でやっと全員分の決め台詞がそろったから。

ヒロイン辰の決め台詞だけどうしても思いつけず、4話で初めて口にする予定だったのがナシで、嵐だけ決めるのも不自然なので、嵐の決め台詞も削って4話を投稿。

で、その翌日にようやく思いついて4話修正と。

後々の展開ともつじつまが合って破綻しないセリフ選びって難しいですね。


現在の挿絵のストックは八重葉とスーダン。

八重葉は出番少なくって7話で使いたいので、6話はたぶんスーダン。

スーダンは最初は褐色の美少年で書いたのですが、プロが描くありがちなキャラで気にくわなかったので破棄して、美少年ではないリアル方向の少年兵にしました。


とある母親が、赤子が鼻を詰まらせたのを見て、口で鼻水を吸い取ったという話がありまして。

何が言いたいかと言うと、墾の辰に対する接し方なのですが、キモイ路線狙っているわけではないと。

自分にとって可愛い赤子や小動物に対しては、キタナイとかなくてやってしまうんですと。

そういう理解なんです。

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