第1話「4月25日 AM5:13~」
学園物がやりたかった
しかし、正直、バトルものしか書けない
で、先ずは10話バトルものを書いてしまうことにした
次の10話は学園物に…なるはず、構成上は
シリーズを通してのテーマは”許容性”
それが正しいからと言って、大きな変化を万人が許容できるのか?
1話ではまだ主人公もヒロインも出てこないです
最初の10話「四人の転校生編」では、コイツが主人公で、こ奴がヒロインだと言っても信じてもらえないと思います
多少秘密めいて話は進みますが、裏設定を書ききれてないだけで、深い意味はありません
世界電波塔
─ 四人の転校生 ─
第1話「4月25日 AM5:13~」
日本
平凡なる住宅街
生活感漂う、アスファルトが継ぎはぎだらけの路地裏
建物の隙間を縫って朝日がアンダースローで路面を照らし出す
人を小ばかにし熟れたカラスが、ゴミ捨て場の網を野太いくちばしに引っ掛けて引っ張る
始発間もないというのに、額の汗をハンカチタオルで抑え抑え小走りするサラリーマン
彼の脂肪で出っ張った腹部は、彼の歩調を狂わせる逆振幅を発する
走るには厄介だ
駅のホームに凛として立つポニーテールの少女
背中に真っ直ぐおわす細長いケース。きっと弓道部だ
犬の散歩をしている主婦を、ジョギングをしている青年が追い抜いていく
日本の朝だ
そんなあたりまえの風景
を、見る…
死んだ魚のような目をした少女
ジャージ姿。使い込まれた、傷だらけの白いジェットヘルメット。指先を切り落とした軍手。クタクタのデッキシューズ
彼女がハンドルを握るホンダスーパーカブの籠には、束ねられた新聞がスカイツリーの様にそびえ立っている
「ぶえくしっ!!」
四日間使っていいようにくたびれた使い捨てマスクが、鼻先の5cm先までくしゃみで押し出される
二回目のくしゃみはもっと盛大で、ハンドルが右に大きく取られた
スカイ”新聞”ツリーが左に傾く
少女は慌てる様子もなく左手でツリーを支えた
太陽の上端が建物の上にチラチラ見える頃には、配達も進んで籠の中の新聞も残りわずか
カブが路面の段差を通る衝撃で、新聞がパタパタと跳ねる
集合住宅の新聞受けに新聞をさしてゆく。もうすぐ配達も終わる。いつも通り。そんな時
「新聞屋さん」
突然、くぐもった声で話す、怪しい感じのオジサンに声をかけられた
「えっと、なんすか?」
学校からは『見知らぬオジサンには注意すべし』などと注意喚起されいるわけだが、それは学生としての体面であって、新聞屋の看板を背負っては話が違う
忙しくてうざったく思っても、怪しさに心では敬遠をしても、筋肉で笑顔を作ってご用件をうかがう
見知らぬオジサンいわく、
「実わね、いい儲け話があるんだ。騙されたと思って乗ってみないかい」
美味しい話には裏がある
胡散臭い
このオッサン間違いなく危ない種族だ
少女の笑顔がにわかに引きつった
幸い筋肉で作った笑顔はかろうじて機能している
ここは穏やかに自然にさり気なく立ち去るべきであろう
「すいません。配達の残りがありますので、これにて…」
「嬉野牡丹さん」
オッサンは満足げに微笑んでいる
「うまく誤魔化そうとしたね。そうだ、そういう抜け目無い処が良い。実に良い。まぁ、依頼内容だけでも見てくれよ」
オッサンはスマートフォンを取り出し、指紋認証でロックを解除すると、画面を三回程タップした
ピロン
ジャージ少女=牡丹のスマートフォンから通知音
状況的にオッサンからのメールだ。仕事の依頼の筈だ
メールを開くとGoogleマップのURL
あと、日時
そんだけのメール
なめてる
なんか、カチンときた
「あの、仕事依頼ってことは一応ビジネスメール…っすよね」@牡丹
「そうだね、仕事の話だな」
「拝啓とか、敬具とか、大人的な文言は無いんか?」
オッサンは何やらぶつぶつ言いながら、スーマートフォンをいじる
ジャージ少女のスマートフォンから通知音
オッサンからのメールだ
”拝啓”
潔くも二文字だけのメールであった
いよいよ腹が立つ
「なめてんのかオッサン!?」
ジャージの少女、嬉野牡丹はジト目で年齢が自分の三倍ある男を舐め上げた
その迫力に気おされることなく、オッサンの目はいやらしい光をたたえている
「怖い。怖い。まぁ、でもさ、その調子で頼むよ」
「名前くらい名乗りなさいよ!」
オッサンはへらへらと笑っている
「すまないね。今は中国にある名無しのsmtpから送ったそのメールがすべてだ」
「はぁ?」
牡丹は今一度、自分に送られてきたメールを見る
差出人のメアド…
XXXX@yyyy.zzz
「なんじゃあ!こりゃああっっ!!」
なんでしょうかこの、伏せ文字みたいなメールアドレスは。思わず目が点
「俺はそのメールアドレスを三日かけて考えた」
「暇だな!おい!」
「それくらいの慎重さが必要ってことさ。メール本文だって、長々と書いたらそこからアタリをつけられることもある。このぼそぼそしゃべりも声を聞かれるのは必要最小限にしたいっていう、慎重さの表れさ」
「…」
押し黙るバイト戦士の女子高生
バイトで、若輩の身でありながら多くの人と接してきた直感が、このオッサンはプロの悪人だという。もしそうならば仕事だと言って、自分は何をさせられるか分かったものではない。いやいや、自分が何をされるかだってわかったものではない。威勢よく啖呵を切っていたがそんな場合ではない。一瞬脳裏をよぎる恐怖。いや、もう突っ張ってしまったのだから、強気で押し通すしかない
「牡丹ちゃん」
少女はハッとする
頭の中を見透かされたか?一瞬、弱気になった心を
だって、そんな目をしている
「おじさんは悪人ではないよ…元悪人だったかな?今は、悪人の敵だから…正義の味方、じゃ、ないかな?」
「毒をもって毒を制するタイプのか?」
強気で突っ張る。さっきそう決めたから
怪しいオジサンの言葉を聞いてから、そのセリフを言い返すまで0.5秒とかかっていない
ジャージで武装したバイト戦士は、気をはって突っ張り通した
見立て通りだ。この少女ならばやってくれる。オッサンはほくそ笑んだ
そのニヤケ面は抑えきることが出来ず、最終的に大笑いをしてしまう
まだ全然軽く見られている。牡丹は苛立った
「悪人って誰よ?」
「匿名結社」
ついうっかり、口が滑ってしまった。自分の身元を示す手がかりを発してしまった
怪しいおっさんの笑い声はぴたりと止まり、引き攣った顔の口元を手で押さえる
「おっと、長話は無用だ。秘密ばかりで申し訳ない。牡丹ちゃんがこちら側に来たら全部話すよ。営業スマイルが可愛い嬉野牡丹ちゃん」
オッサンは道一本向こうに待機させていたタクシーに乗り、去っていった
「…匿名結社って、FAKE NEWSの定番ネタじゃない」
メールで受け取ったURLをGoogleマップで開く
そしてはっとする。
少女は、嬉野牡丹は何かに気付いたのだ
極めて重要な何かに
「新聞配達!途中だったーっっ!!」
アクセル全開
スーパーカブ、ウィリー発進
:
匿名結社
死角空間警察
死角空間
重機
全てSNSを徘徊するSlacker連中が好むFAKE NEWSの定番ネタであった。
:
いいねするだけで完結するSlacktivism
いいねやリツイートの数が、我ここに有りと錯覚を生み出す
ある種の麻薬と言って良い
手段は目的にすり替わり、膨大なリソースがゴミクズとなる
そう、実のところエネルギーと時間の大量消費をしているだけ。それが現実なのだ
偽物だ
:
そんな中にあって本者は居た
確かに居た
しかしながら何かを生み出した本者は居たが、この世を天国に変質しようとした者はいただろうか?
気の持ちようとか、宗教的な教えや道徳的観念ではない
物理的な天国だ
この物語では、一人だけ居たと仮定する
そして、その手段を簡便に説明するために”死角空間”というSFがあるとする
「フン。マリコ、追えてるか?」
むつかしい顔をした若い男が無線機のマイクを握ってそう口走った
仕立てのいい背広を着て、トヨタヤリスワールドラリーカー交機仕様のハンドルを握っている
アクセル全開で進む先の交差点は赤信号
「緊急車両だ!右折する!!」
トヨタヤリスは警告灯とサイレンで一般車両を止め、ドリフトで右折して行く
パトカーの警告に気付かなかった老婆
ぽつんと横断歩道の真ん中にいる
無論若い男は老婆を避けるためにハンドルを切ったが、突っ込んでくる車に慌てた老婆が、わざわざパトカーの方へと飛び出してしまった
「ちっ!」
両足をそれぞれブレーキペダルとアクセルペダルに乗せる
ハンドル操作とブレーキのタイミングだけで、老婆を中心に180度ターンを決めて老婆をかわす
そして一瞬バックギヤに入れてその場で更に180度回転し、真っすぐ走り去っていく
「うぉーっ!すげーっ!あの交機マジでキレてる!!」
パトカーの運転技術に興奮した男が拳を振り上げる
老婆の周囲には、スリックタイヤの跡が黒々と残り、ぶすぶすと煙を立ち昇らせている
若い男の無線に返事が返ってくる
『うがー、』
めんどくさそうな、女性の低いしゃがれ声
「判った。ならいい。やつらは追ってきているか?」
『うが』
「だろうな。マリコ、お前が頼りだ」
一台のMotoGP自動二輪─ホンダRC213V交機仕様が警告灯を点灯させて、住宅街を爆走している
ファミリーマートの店内を突っ切り、ブロック塀の側面を駆け上がり、アパートの自転車置き場のトタン屋根の上を突っ走り、何かを追っている
MotoGPの檻から出した猛獣にまたがっているのは若い女性
ノーヘル、
アイウェアはadidas EVIL EYE EVO PRO L、
長身にぼさぼさ頭、
淡い玉ねぎ色の頭髪、碧眼、
肩に引っ掛けたFuryganのジャケット、
彼女は、自動二輪を腕力でねじ伏せるように乗る
彼女の自動二輪の下面には、直径9cmの黒い円がある
その円のところだけ、一切の光を反射せず何も見えない
まるで、何も無いかの様に
「うがぁあ…」
アクセルを開ける
ウィリーをしながら神社の石階段を駆け上がってゆく
彼女が追っているのは直径13cmの球体
直径9cmの短い柄がついていて、柄の端部は真っ黒で何も見えない
そんな球体が、ぽっかりと空中に浮かんでいるのだ
マリコの自動二輪と同じ直径9cmの暗黒の円
球体は”目的”に向かって最短ルートを進んでいる
カン!カン!カン!カン!カン!!
硬い足音が二つ、マリコを追ってきている
時速90kmで走れる歩行補助機を足に装着した少年と少女
少年はバケツを被って顔を隠し、少女はAmazonの段ボールを被って顔を隠している
この石階段では自動二輪より二足歩行に分がある
二人は4段跳びで距離を詰めてくる
二人は声をそろえて「「千手先を読め!ディープ!!」」と叫んだ
若干の訂正をしよう。声は意図してそろえたのではなく、そろうべくしてそろったのだ
この少年と少女は、性別こそ異なるが、遺伝子的に言って同一人物
性格や考え方も同一人物
ならば発する言葉も同一であり、タイミングもそろう
そういう二人が必要とされ、選ばれた
「うがぁ!」
マリコは大きくハンドルを切って、バイクを蛇行させる
「ふふふ。バイクに向かって直接攻撃しても良いのだが…」@バケツの少年
「…重機はまだFAKE NEWSの存在。衆目に晒すには時期尚早よ」@段ボールの少女
はた目には少年と少女がマリコを睨み付けているだけの様なのだが、マリコはミサイルを避けているような回避運動をとっている
『何、やつらに追いつかれただと』
マリコの「うがぁ!」を無線越しに聞いた若い男──彼の気難しそうな声が、無線機から聞こえてくる
「うがぁあ!!」
マリコの表情は、追ってきた二人に対する怒りで引き攣っている
「そうか…マリコの好きにするといい。虫ピンは私が追う」
無線からではなく、直接、若い男の声が聞こえてきた
この神社には徒歩の参拝者用の石階段のほかに、丘を回り込む車道が整備されている
丘を駆け上がってきたヨタヤリスワールドラリーカーが駐車場を突っ切り、車止めを飛び越えて境内に入ってきた
マリコは頭上を飛び越えて行くラリーカーを目で追った
若い男は車を着地させながら、目標物を目視で捉えた
「フン。あれか」
丘の裏手、古墳公園に続く砂利道の空中を直径13cmの球体が飛行している
「神よ、俗世の無作法を詫びよう」
若い男は懐から財布を取り出して、さい銭箱に投げ入れた
「金銭的な解決が、神への非礼にあたらなければいいが」
ラリーカーは四輪を掻き毟り、玉砂利を巻き上げて斜めに進みながら球体を追う
マリコはラリーカーの巨大なリヤウィングを見送った後、少年と少女に向き直った
「う…が…」
肩に引っ掛けていたFuryganのジャケットに袖を通し、ジッパーを上げる
「ぅがぁ…、、、、…、、永久橋!突進!!」
廸佐高等学校、正門
口を真一文字に結んだ女子学生が、タブレットを手に校門に立っている
彼女に、登校してきた後輩の女子があいさつ
「嵐センパイ、おはようございます」
「ああ、おはよう」
嵐は後輩の短いスカート丈やはだけた胸元などに目をやった
親しげに手を振りながら、立ち去ろうとする後輩
嵐は後輩の手首を無言でねじ上げた
「痛い!痛い!」
「今日も不健康極まりない服装だな」
「やだなぁ先輩、わたし健康診断はA評価ですよ」
「風紀診断はE評価だ。学生証を出せ」
「やだなぁ先輩、今更。知らない仲じゃないじゃないですか」
「お前が学生証を携帯しているということを確認するのが肝要なのだ」
嵐は後輩の手首を更にひねりあげた
「イタタ!わかりました!痛い!も!勘弁してください!!」
嵐が手首を放すと、後輩はしぶしぶデイバッグのインナーポケットから学生証を取り出した
学生証の表には廸佐高等学校の校章と連絡先が印字されている
裏返すと学生の顔写真とQRコードが並んでいる
その他、個人情報の類は一切明記されていない
「うむ、」
嵐は学生証のQRコードをタブレットのリヤカメラで読み取った
”1年1組、新城幸子”
タブレットに後輩の名前と、生年月日、血液型や試験結果までもが、何しろすべて表示される
勿論、健康診断の結果も表示されている
「ほう、本当にA評価だな」
「嵐センパイに嘘はつきませんよ」
「流石は国立組。試験の成績も申し分ない。これで服装さえ完璧ならば風紀委員にスカウトしていただろう」
嵐はタブレットを操作して、幸子の違反項目を登録した
”パンパカパーン”
タブレットから軽快な音が発せられる
登校してきた生徒たちの耳目が集まる
嵐が幸子にタブレットを見せる
子犬の様に嬉々として無邪気に10インチディスプレイを覗き込む幸子
「おめでとう。放課後風紀指導1時間と、反省文1,200文字だ」
「ひぃいっっ!!」
幸子は顔面を引きつらせて、その場で固まってしまった
嵐は校門をくぐってきた女子を呼び止めた
その女子は自分が知らずに何らかの風紀違反をしてしまったのかと動揺している
「君は1年1組の娘だね?」
1年1組=国立組の生徒は見た目でわかる。幸子以外は
「は、ハイ」
鬼の風紀委員に声を掛けられ、生唾を呑み込む
「悪いがこのバカを教室まで連れて行ってくれ」
幸子の手を握らせる
「ここに突っ立っていられると邪魔なんだ」
「ああ、そういうことでしたか」
女子はほっと胸をなでおろして、ぺこりと頭を下げて、幸子の手を引いて行った
タブレットの右上に表示されている時間を確認する嵐
AM08:02
嵐のほほが若干紅色に染まる
そろそろ彼女の愛しい人が校門に現れる筈なのだ
鬼の風紀委員の思い人は、AM07:49着の電車に乗ってやってくる
そして、他の学生であれば5~6分で歩ける道のりを10分もかけて、ゆっくりと歩いて来る
「八重葉…可憐な野菊よ…わたしは、今日も君に’おはよう’と言おう」
恋する乙女、夏野嵐の胸の鼓動は祭囃子の様に高鳴っていた
神社の石階段
MotoGPの自動二輪にまたがったマリコはかぶり物をした少年と少女に向かって、一直線にアクセルを開ける
しかし、
「るぅがあぁっ!」
見えない何かに吹き飛ばされる
「ぬああっっ!!」
二度、三度と吹き飛ばされる
自動二輪は横倒しになり、放り出されたマリコは密生するたんぽぽを横に突っ切り、綿毛を撒き散らかせる
そして…’ガゴン!’…地面から突き出ていた岩に側頭部を打ち付けた
どさり、
地面に長く伸びたマリコの頭部からは尋常ならざる量の血が垂れ流され、手の指は痙攣している
むき出しの闘争本能も、これであっけなく終わってしまうのか?
否
無人のMotoGP自動二輪が地上10cm程度の位置に浮いた状態で、マリコの方へとやってきた
その間にも何らかの攻撃を受けているようで、バイクは何度か激しく振動をした
マリコは音で、そのGPレーサーの荒っぽいアイドリング音で、自分の相棒が真横に寄り添っていることを感知した
意識は混濁している
バイクを手探りで確認し、力が入らない己の身体に怒りながら、バイクに爪を立ててシートによじ登った
全身、どこもかしこもズタボロ
眼球だけが、やたらとぎらついて、被り物をした少年と少女に死を予感させる
それは鮫や虎が人に感じさせるものと同じ感覚だ
檻で守られていようが、人間が銃を手にしていようが、野生のそいつらは怯まず殺意を殴りつけてくる
一瞬の油断をも見逃さない
ああやってぎらついた眼でずっと見ていて、たった一瞬の隙をついて、迷いも疑問もなく相手を殺してしまうのだ
そのマリコの目は何かを探していた
自分を吹き飛ばした砲撃は、被り物の二人の仕業じゃない
他の誰か、
あの二人には仲間がいるのだ
どこかに潜んでいて、攻撃を仕掛けてくる
”ディープ”以外の敵重機
”ディープ”は前にもやり合ったお馴染みさんだ
それ以外
”ディープ”の他に、連中がもう一台完成させていたのだ
「うがああっっ!!」
マリコは自動二輪ごと我々には見えない何かに吹き飛ばされる
そして、彼女はある意味目が覚めた
敵に仲間がいるから…なんだというのだ?
自分がやることは決まっている
今、目の前にいる二人
被り物をした少年と少女
クソ生意気な二人を頭から丸かじりにし、
陰にこそこそと隠れて攻撃をしている誰かも、首を食いちぎる
「…永久橋、突進」
力のないしゃがれ声だが、自らの敗北なんか、これっぽっちも考えにはない
自動二輪もマリコも地面に横倒し
廸佐高等学校の制服を着た女子
一年生だ
一人ぼっちで通学路をぽてぽてと歩いている
男女四人の集団が彼女を追い抜いていく
その少女は歩くのが遅い
集団の中の一人、女子が彼女に声をかける
「八重葉、おはよ」
「おはよう」
笑顔で返事をした歩くのが遅い高校一年生の名は、小江戸八重葉という
目立って顔立ちがいいわけでも、エロい体をしているわけでもない
並だ
成績も並
運動は得意ではないが、運痴と悲観するほどではない
並だ
漫画やゲームも並に愛好している
ただ…
「八重葉おっす」
男子が声をかけた
八重葉は小さく縮こまり、髪の毛をいじるように顔を隠して押し黙ってしまう
女子がその男子の脳天に軽くチョップを入れる
「アンタわかっていて、八重葉からかってるでしょ。最低」
四人グループは去っていった
八重葉は男子が苦手な自分を恥じ入り、うつむいたままその歩みはいっそう遅くなる
前方
背の高いOLが時計を気にしながら、小走りで近づいてくる
昨晩飲み過ぎたか?
駅に向かって急いでいるようだ
「…」
八重葉はさりげなく、OLとは道の反対側を歩く
大人も苦手
彼女は、男子とか大人とか、強そうなものが苦手なのだ
少女は、そういった自分の弱さにコンプレックスを持っていた
ヨタヤリスワールドラリーカーのナビシート側に取り付けられたディスプレイ
そこに捜査本部からの指示が表示される
”この先通学路、約200名の学生が路上に存在。注意”
「ちっ」
まったく本部は仕事の条件を厳しくするための要求をするばかり、現場の為になることは何もしはしない。たまには問題を解決する気の利いたアイディの一つでも出していただきたいものだ
若い男は無線を手にする
「マリコ、退け。虫ピンの先回りをするんだ」
『うがぁぁ』
「決着はまたの機会だ。今すぐに虫ピンを止める。これが最優先だ」
若い男の目の前を直径13cmの球体が進んでいく
若い男はディスプレイにマリコの位置と永久橋の被害状況を表示させる
「フン。大丈夫だ。永久橋の速度なら挟み撃ちにできるさ」
マリコはフラフラと立ち上がり、ジャケットのジッパーを下げて、はぎ取るように脱ぎ、肩に引っ掛けた
忌々し気に被り物の二人を睨む
ズギャアアアアアッッ!!!!
大型自動二輪の超絶加速!
舗装路ではないというのに、時速100kmまで2秒とかからない
被り物の二人に背を向けて、駐車場の方へ走り去る
被り物の二人はマリコのMotoGPレーサーを追うが、容易に追いつけないことは分かっている
永久橋の機動性はよく心得ている
「「千手先を読め、ディープ」」
二人は丘の上のとりわけ見晴らしのいい場所を陣取った
「「スーダン。この丘の上から狙え」」
『イエス、サー』
無線から、少年の声が聞こえてきた
その声は、主人に隙を見せることを嫌っていた
主人に対して礼を欠いてはいけない
主人に軽く見られてはいけない
そして何よりも、主人に期待をさせ過ぎてはいけない
そういった匙加減をよく心得ている返事だ
5分後、スーダンからの連絡
『配置につきました』
被り物の二人は周囲を見渡す
スーダンの姿はない
「「どこにいる?」」
『古墳公園です。』
「「なぜそこにいる?」」
『ディープの予測データを見たからです。ここから出ないと狙えません』
「「この丘の上から狙えと言った筈だが?」」
『失礼をしました。2分でそちらに到着します』
スーダンには強弁に出たが、自分たちの指示が間違っていたことは、被り物の二人も心得ている
「なっちゃいないな」
「ええ、なっちゃいないわね」
「僕たちが手を読み間違えるなんてね、」
「あってはいけないことなのよ」
「再計算だ。この丘の上から狙うという条件を加えてね」
「「さぁ、千手先を読め。ディープ」」
ヨタヤリスワールドラリーカーのナビ側ディスプレイに、優先度”緊急”で情報が表示される
”匿名結社はSPring8なる新造の機体を実践投入した、注意されたし”
「なにっ!」
若い男は無線機を手にした
「こちら虫ピン○追中の東新田創。本部応答せよ」
無線から女性の声が聞こえてくる
創の上司だ
『こちら本部。Brigadier-Chef、何か?』
「敵新型機について情報を乞う」
『詳細不明。事実確認中だ』
「その確認待ちの情報をよこせ!」
『Chef』
たしなめるような声。創は声を荒げる
「本当はこっちが新型を追加して優勢になるはずだった!それが先手を打たれた!情報をよこせ!あとは現場で判断する!Kが動かせない今、後手に回ってMを失ったら終わりだ!!」
『わかった』
ディスプレイにSPring8の未確認情報が表示される
「主武装は300mm級の火砲、移動能力はあるが主武装を使う時は機体を地面に固定…クッソ!」
匿名結社め、厄介なものを作りやがって
ディープの相棒として、これ以上はない
創は無線機を手にした
「マリコ!飛ぶな!低い位置を進め!遠くからでかいので狙われているぞ!!」
遠くから巨砲で狙われている…無線を聞いたマリコは成程と合点がいった
先ほどの戦いでディープ以外の機体の存在には気づいていたが、確認まではできなかった─遠くにいた
そういうことだったか
しかし、そういった情報はもう少し早めにほしかったとマリコはため息をついた
だってもう、住宅の屋根の上にジャンプしちゃったもの
飛んでるもの
マリコは300mm砲の直撃を受ける被害と、2階+の高さから落下して地面に激突する被害を天秤にかけた
「うんがああああっっ!!」
彼女は全体重を使って、美しい放物線を描いて飛ぶ二輪のバランスを崩した
自動二輪は地面へと落下して行く
我々の目には見えないが、その直上を300mm砲弾がかすめてゆく
直撃を避けたとはいえ、相手は300mmの巨漢。近くを通り過ぎただけでも、その風圧はすさまじい
「うがああああ!!!!」
やや横に吹き飛ばされ、マリコはアパートのエアコン室外機に激突した
丘の上
「外しました」@スーダン
SPring8のターゲットスコープを覗き込んだまま、褐色の少年スーダンが、さして残念そうにもなくつぶやいた。なにやらタブレットを操作している
「けだものの第六感か?さもなければ…」@バケツの少年
「警察はSPring8の情報を手に入れたようね」@段ボールの少女
「いいさ、我々が優勢なことには変わりない」@バケツの少年
「そうね。あのけだものも最早虫の息」@段ボールの少女
被り物の二人はマリコをしとめるために、丘を降りて行く
スーダンはF2000アサルトライフルから銃身を切り落としたような、銃口のない銃を肩に担ぎ、徒歩で丘を降りる
その銃口のない銃には折り畳み式のタブレットがついている
その銃がSPring8のターゲットスコープなのだ
彼の銃の銃床にも直径9cmの円があり、その円は一切の光を反射せず、何も見えない
13cmの球体を追うトヨタヤリスワールドラリーカー
ナビ側のディスプレイに”メクロン河永久橋の被害、41%”と表示される
マリコが手機能攻撃を受けた
「なにっ!」@創
これ以上の被害を受けたら、永久橋は戦力として期待できなくなる
創は慌てて無線機を手にした
「マリコ!逃げろ!奴らはとどめを刺しに来るぞ!」@創
彼女に指示を出しながら、ディスプレイ画面をタップして回収車の手配をする
「うがぁ、」
彼女は地面に落下した衝撃で天地も前後もなく、それどころか痛みの感覚すら覚えぬ状態でうめいていた
「マリコぉ!!お前に死は許可されていない!動けぇえっっ!!!!」@創
創の手は、無線機を握りつぶさん勢いで震えていた
「マリコ!マリコっっ!!」@創
創の悲痛な声
彼女は自分がもうまともに動ける状態ではないことを悟っていた
「うがっ!」
痛みが戻ってくる
どこもかしこも痛い
カン、カン、カン
アスファルトを通じて、あの忌々しい硬い足音が聞こえてきた
近い、
彼女は身を転がして、横倒しになっている自動二輪に覆いかぶさった
チェンジペダルが上になった状態で倒れているのは不幸中の幸い
ギヤを一速に入れアクセルを開ける
タイヤが接地していないので、後輪は空転するのみ
「「みぃーつけた」」
被り物の二人に追い付かれた
マリコはそのぎらついた眼で二人を睨みつける
彼女に自動二輪を起こす力は残っていない
後輪は無駄に回り続けている
「投了のころあいだ。君は能無しだが、良きライバルだった」@バケツの少年
「最後には知恵が回るものが勝利する。私たちの戦いはその証明になるわ」@段ボールの少女
マリコは無言で二人を睨み続けている
自動二輪のアクセルを開けたまま
被り物の二人はマリコと10m程度の距離を保ったまま、それ以上近づいてこようとはしない
マリコは、まるで何かを待っているようだ。そう見える
何を待っているのだ?
援軍か?
回収車か?
時間稼ぎをしたいならば、いつものようにむき出しの闘争本能でうなり声をあげ、二人に食ってかかれば良い
何故そうしない?
時間稼ぎというよりはむしろことを急いている様だ
人影の少ない場所だが、徐々に野次馬が集まってきた
ひょっとしてMotoGPレーサーの喧しいエンジン音で、人を集めているのか?
顔ばれを嫌う、被り物の二人を追い払うために
被り物の二人は顔を見合わせた
「君はくだらないことを考えているに違いない」@バケツの少年
「ええ、無駄なあがきをしているだけだわ」@段ボールの少女
二人は、自分たちの優秀な頭脳を信じた
「「千手先を読め!ディープ!!」」
被り物の二人の声は無線を通じて創の耳に入った
”マリコが殺られる”
無線からマリコの名を叫ぶ、創の悲痛な声が聞こえてくる
我々には見えないが何らかの攻撃が行われ、マリコの自動二輪は激しく振動し、10cmほど地面から浮いた
「うがあああぁぁぁっっ!!」
彼女は体にわずかに残っていた力の全てを使って自動二輪をゆすり、一瞬だけ後輪を地面に設置させた
ギョアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!!!
自動二輪はテールを大きく横に振ったが、徐々に立ち上がった
そして前輪が接地した瞬間強烈にまっすぐ加速し、自動二輪は完全に立ち上がった
ハンドルを握るマリコは、全身の痛みで何とか気を失わないでいる
MotoGPレーサーはあっという間に、被り物の二人を置き去りにしてしまった
身じろぎもせず彼女の背中を見送る二人
被り物の二人
「脳なしにクソ粘りをされたね」@バケツの少年
「指し切りね、ここは退きましょう」@段ボールの少女
「ああ、電波塔を追わなければならないしね」@バケツの少年
二人は高く跳躍して戸建て住宅を飛び越えた
「八重葉!今日も始業時間ギリギリ。重役出勤ですなぁ」@牡丹
八重葉に声をかけたのは嬉野牡丹
駅前のコンビニで買った苺ジャムコッペパンを食べながら小走りでやってきて、八重葉を追い越すところ
「牡丹先輩は、今日は遅いんですね」
忌々しそうな牡丹の表情に、八重葉は何か悪いことを言ったのかと焦っている
牡丹のため息
「違う、違う。いやぁ、バイト戦士とは文字通りでね、仕事してるといろいろなトラブルに遭遇するのよ」@牡丹
「へ、へー。たいへんですね」
「うん、たいへんなのよ」
牡丹はコッペパンを食べ切った
そして、ポケットからスマートフォンを取り出す
「ナーラちゃんですか?」@八重葉
八重葉が牡丹のスマートフォンを覗き込む
LINEの画面をいじっている、
「うん。今日はいつ話せるかって…相変わらず日本語へたくそだな」
「無料電話って便利ですよね」
「海を越えた向こうだからねー」
「ナーラちゃん。楽しみにしてるんですね」
「なはは」
さっきまでの不機嫌面はどこへやら、目眉鼻口耳頬隅々まで緩み切った笑顔
牡丹にナーラちゃんの名を出せばいつもこうだ。瞬時に笑顔になる
スマートフォンをしまう
「じゃ、先行くので!」
走り去る牡丹に手を振って10mほど見送った、その時
バキイイイイイイィィィィl!!!!
八重葉の身体が腰のあたりから折れ曲がり、2mほど浮き上がった
「え?え?」
少女は空中で”車に轢かれたのかもしれない”と考えた
意識ははっきりしているから死にはしないと思うけど、腰の違和感は何だろう?と、そんなことを考えていた
「八重葉っ!」@牡丹
破壊音に驚き振り返った牡丹があんぐりと口を開けている
八重葉は「驚かしちゃってすいません。わたしは大丈夫だから」と、言葉にする余裕はないが、その思いを伝えるために笑顔を作る
目じりに涙をためて
実の処、牡丹には一般人には見えない、一機の重機の姿が見えていた。しかし、周囲を見渡すとその巨大機械に気付いて居る者は自分一人。牡丹はまた余分な白昼夢を見たと、見えないふりを決めた
「八重葉あああああっっ!!」@嵐
100m近く向こうの校門から、嵐が八重葉の一大事を見つけて全力疾走してくる
八重葉はゆっくりと着地し、地面の上に立った
「ちょっ、八重葉!大丈夫!?」@牡丹
牡丹が駆け戻ってくる
「はい、」@八重葉
親しい先輩に向けた作り笑顔
後ろを振り返ると一台のド派手なパトカーが止まっていた
八重葉はひょっとしてパトカーにぶつけられたのか?国家権力が相手か?と冷や汗
彼女は強いものが苦手だ
車から降りてきた創が、右足を引きずりながら近づき、八重葉の腰を確認する
男も大人も苦手な八重葉は創を避けようとしたが、強引に近づかれた
制服が破けて、肌に直径9cmの円がある
円は一切の光を反射せず、何も見えない
八重葉は服が破れたところを手で隠した
「まさか…そんなことってあるのか?」@創
車に戻ってモニターを見たところ電波塔は移動をやめたようだ。この少女が目的だったのか?
「警察の方ですか?」@牡丹
牡丹が八重葉を案じて近づいてきた
創が警察関係者であろうということは、パトカーを見て判断した
「ああ、そうだ…」
カン!カン!カン!
あの、硬い足音が近づいてくる
被り物の二人…ディープが近くに来ている
マリコを欠いた今、警察にディープに対応する手はない
今すぐ逃げなければ
しかし…しかしだ、
電波塔を奴らに渡すわけにはゆかない
それに、少女のこの状況、放ってはおけない
幸い電波塔は活動を停止している
今ならば好きなところに移動できるだろう
少女も自分の腰にできた9cmの円に怯えている
創はため息をついて頭を冷やし、そして、覚悟を決めた
「君、名前は?」@創
「小江戸八重葉です」
「では八重葉ちゃん。君には精密検査が必要だ。その腰の円、君もさぞかし不安に感じていることだろう」
「あの…えぇと」
大人が怖くて気持ちを素直に表せない
泣き叫びたいほど不安で、この腰にできた漆黒の円が恐ろしいというのに
「君を警察病院に運ぶ。安心してくれたまえ、最高のスタッフが対応をする」
「貴様ッ!!」@嵐
野次馬の学生をかき分けて、嵐がやってきた
八重葉を案じるあまり、鬼の様な形相
「八重葉から手を放せーぇっっ!!」@嵐
創はその威勢のいい鼻っ面に身分証明書となる警察手帳を突き付けた
「死角空間警察!?」@嵐
それはSNSのよくあるFAKE NEWSのネタ。謎だらけの政府機関の名前
嵐は間抜け面に変わって、バッジをまじまじと眺める
「匿名結社の追っ手が来た。時間がない」@創
匿名結社!?
これまたFAKE NEWSでお馴染みのネタだ
にわかには信じ難い。だが、
「嘘はないな?」@嵐
鬼の風紀委員は聞き返した
創が顎をしゃくった先に居たのは被り物の二人
FAKE NEWSに登場する怪人物がそこに、まんまの姿でいた
嵐は腰のホルダーから二本の警棒を取り出し、両手に持って構えた
創は二本の警棒を構えるその姿に見覚えがあった。確か二身一心流の「攻」。まさかこの窮地での参上とは、まさに日の丸の御庭番
「警察の方。ここはわたしに任せて、八重葉を早く安全な所へ」@嵐
嵐は被り物の二人に向き直り、すり足でジリジリと間合いを詰める
「FAKE NEWSのフィクションに隠れていればいいものを。我が二刀流を見たが運の尽き。覚悟なされよ」@嵐
「今のうちです!」と創に言い放ちながら、警棒を振りかぶって被り物の二人に襲い掛かる
ガキン!!
警棒を受け止めたのは褐色の少年兵スーダンの二丁拳銃
「ほう…小僧、できるな」@嵐
嵐はそう鼻を鳴らしながら、横目で創が八重葉を連れてこの場をずらかったのを確認した
ワールドラリーカーのエンジン音がもうかなり遠くに聞こえている
風紀委員の顔に勝利の笑み
「小僧との腕比べも一興だが、もうすぐ朝礼が始まる」@嵐
嵐は警棒を腰のホルダーにしまった
「無論、学業に増して大事なことは、放課後速やかに八重葉と面会できるよう、警察に掛け合うことだ。きっと面会謝絶だろうからな」@嵐
嵐は高笑いをしながらスーダンに背を向けた
「匿名結社ごときのチンピラもどきとじゃれ合っている暇はない」と、
ダキューン
スーダンの拳銃から発射された弾が、嵐の頬をかすめて行った
嵐の更なる高笑い
スーダンは舌打ちする
「一本取られたな」@バケツの少年
「見事な演技で我々の目を電波塔から自分にそらし、奴らが逃げる時間を作ったわね」@段ボールの少女
スーダンは舌打ちをして拳銃で嵐の頭部を狙う
彼女の警棒を銃で受けた時、自分は、本当は銃で車を破壊して敵の足を奪わなければいけなかったのだ
それを、
あの女!!
引き金に力がこもる
「よせ」
バケツを被った少年が、スーダンの銃を手で押し下げた
「お前とあの女は相性がよさそうだ…スーダン」
「仕返しの機会があるといいわね…スーダン」
スーダンは歯噛みし、3人は去った
牡丹は口をあんぐりと開けて、創のセリフを思い出す
『匿名結社の追手が』
”匿名結社”
それはFAKE NEWSの定番ネタでしかなかった筈だ
怪しいオッサンから送られてきたメールを見る
あのオッサンもその名を口にしていた
多くの人には見えておらず、自分には見えているFAKE NEWSの住人
実は現実のもの??
ウソ?ホント?
牡丹の脳細胞がしばし混乱する
「冗談にしといてくれないかな…そーゆーの…マジとか、きついんだが」
警察病院
対面する医者と創
八重葉の診査結果が出たのだ
「無理に電波塔を切り離そうとすると、小江戸八重葉さんは死にます」
「ちっ…」
死の一文字が、創の背に重くのしかかる
牡丹ちゃんのジャージは、生活面でのたくましさを表現したく、大阪のオカンを参考に柄をアレンジしました
「。」は文章の見た目をすっきりさせるため極力省いております
誰が言ったのか読み手が迷う可能性があるセリフは「@人物名」付加してます
重機は一話では見えない空間に隠れたままですが、だんだん見える側に出てきます




