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黒い鏡の家  作者: 山和平
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作中神話要素解説

当方の解釈による神話要素解説となります。お気楽にお楽しみください。

◇ニトクリスの鏡【アーティファクト】

 古代エジプトのニトクリスが政敵を屠る為に使用したと言われる鏡。

 しかしそのルーツを辿ると、ネフレン=カ、更に古代の原始人類にまで行き付くとされる。

 ニャルラトホテプ信仰の神具として祭壇に『輝くトラペゾヘドロン』と並べられたらしいが、ニャルラトホテプと直接的な関連は薄い。まあ、膏薬とニャルラトホテプはどこにでも付くので。

 周囲の枠には食屍鬼などが彫刻されている。

 金属鏡であるらしいが何の金属かは不明。

 この鏡が映すのは己の貌ではなく、異なる世界の地獄絵図のような光景である。

 ただし、あまりに長く見続けると魂が奪われてしまう事もあり、さらに夜には原ショゴスなどが湧き出てくると言う悪夢じみた道具。被害が部屋一部屋で済むとはとても思えないのだが、その辺りはアーティファクトのアーティファクトたる所以なのだろう。


◇黒い鏡【アーティファクト】

 古代ペルシア風の見事な金属彫刻を枠組に持つ鏡、らしきものなのだが、鏡面は黒く、普通の鏡として使用する事は出来ない。

 ちなみにこの金属彫刻は、実はある文字列を象った物であり、条件下で発動する簡易的な召喚魔法陣と言える代物である。

 ニトクリスの鏡と酷似した代物であるが別物。条件次第ではそれこそ時間すら歪めてしまう場合がある。

 遣唐使の時代に日本に運ばれてきており、平安時代ではとある女房が夫が通う別の女への憎悪を晴らす道具としてしようした記録が有り、持ち主を転々と変えながら、各地で犠牲者を生み出してきた。

 戦前では内藤伯爵が蒐集しており彼が遺した目録に記録されていたものの、内藤伯爵の死後に散逸。


 改めて言うまでもないが、黒い鏡面部分は地球上の物ではない。

 ある禁断の書物によれば『蟹の甲羅』と呼ばれている。


◇ショゴス【クリーチャー】

 古きものによって創造された万能にして無限なる不死細胞を有する奉仕種族。

 自己進化の結果リミッターが外れて欲望のままに肥大化する事もしばしば。

 原ショゴスとかショゴスロードとなると結構な知恵を持っているのだが、下っ端連中は基本的に満足する事を知らないたちの悪い増殖モンスターである。

 ちなみに、RPGでおなじみのスライムさんのご先祖様である。ラブクラフトは偉大だ。


◇レトロ自販機【現代遺産】

 昭和四十年から五十年代にオートスナックと称して普及した自販機。

 そば、うどんと言った麺類。電子レンジを利用したハンバーガー。トースター内蔵のトーストサンド。

 味噌汁、カレーライスなども存在した。

 麺類はカップ麺ではなく堂々の茹で麺であり、各社が独自の湯きり装置を搭載していた。

 しかしドライブインの発達や二十四時間営業のファストフード、そしてコンビニの登場でこのオートスナック路線はあっと言う間に衰退し、現在では一機種あたり日本全国で十台動いているかどうかと言う状態である。もちろん補充する商品も製造する会社が少なく、当然のように純正品が尽きたので代替品を独自でセットしていると言う話もある。

 しかしながらそのために各地で味が異なり、その結果熱烈なファンが居る事も事実であり、そば・うどんの自販機で一日何十食も出ると言う場所もあるらしい。

 また、岩手県釜石市では津波災害直後にハンバーガー自販機を設置して好評を得たと言う。 


蓮塔観世音菩薩れんとうかんぜおんぼさつ【化身】

 仏陀の象徴である蓮と舎利を納めた宝塔を持つ複腕の希少な観世音菩薩像。仏典の守護仏であり、書庫を守ると言う言い伝えもある。対馬の廃寺に秘仏として安置されていた物があり、これを盗み出そうとした外国人が発狂したと言う話もある。具体的に言うと、1D100を振ったらしい。


乃法尼ないほうに【化身】

 日本全国に出没したと言われる高徳の尼僧。その正体は、もちろん這い寄る混沌。余談だが、戦国時代から江戸時代を経て明治頃まで、諸国を巡る巫女も尼僧も大半が売春も行っていた。そう言う意味で、需要有る姿だったとも言える。


夜空奏如来よくうそうにょらい【化身】

 密教では大日如来の前の時代を支配していたと秘伝される存在。詳しくは私の別の作品にて。


◇戦後の二千円【物価】

 低所得者の月給が大体500円から600円の時代。まあ戦後物価の方もそうとうおかしいので単純に比例比較できないのだが。

 ちなみに、この頃の紙幣は間に合わせで刷られている。


◇アメリカ人の老紳士【人物】

 ラバン・シュリュズベリイ博士。公式には1947年のルルイエ原爆攻撃を最後に姿を消しているが、環太平洋地域には事後調査に何度か姿を現したらしい。

 日本では沖縄戦直後の首里城に姿を見せた他、戦後GHQに大統領勅令で訪れ、日本の神話遺物を研究解析した。それらのデータは飯綱大学旧図書館に収蔵されている。


◇内藤伯爵【人物】

 昭和初期から終戦直前まで活躍したオカルティストであり研究家。

 終戦前年に疎開先の米沢で変死した。

 彼が集めた内藤コレクションは散逸し、様々な事件に関わる事になる。


◇飯綱大学旧図書館【組織】

 飯綱製薬の蔵書館を前身とする日本の対神話事件の砦。戦前は東京帝国大学図書館や一部の私設団体が担っていた対応を集結させた組織。


片山蘭堂かたやま らんどう【人物】

 東京で骨董品店『なあかる堂』を開いている怪人物。日本中を骨董品の買い付けに回っており留守が多い。その間の店番は姪っ子がやっているらしい。

 元関東軍騎馬斥候部隊中尉。満州事変直前に満州国境線付近で共産主義者と思われる集団を摘発中に神話事件に遭遇。精神に大きなダメージを負い満州首都の新京の病院に居たものの早期治療は困難と言う診断を受け本国に送還。予備役に移動後退役している。このため、彼は東京裁判には引っかかっていない。

 神話事件を追う中で知り合った内藤伯爵とは無二の友人であり同志だった。

 しかし、次第に狂気に憑りつかれた内藤と袂を別ち別の道を歩んだ。

 戦後に日本の神話事件対策を行う飯綱大学旧図書館を設立。

 昭和四十年代に北海道に調査に赴き消息不明。

ドライブインのモデルは、昔訪れた事のあるオートスナック。もちろん、今は廃墟となっております。

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