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熊と先生と愛

作者: ガーヒー

とある山奥に動物達が住む小さな村がありました



村に住む動物達はみんな仲良しで、友達で、兄弟で、姉妹で、家族のように愛に満ち溢れていました



そんな小さな村には子供達が通う学校が一つあり、そこで子供達は色々なことを学びます



先生1匹に対して生徒は10匹、大きな樹の下にある教室で子供達は今日も元気よく勉強をします



今教室では、鹿のシカク先生が生徒に算数の授業をしています



「この問題わかったら手を上げてね〜」



と、先生が言うと元気な声で生徒達が手を大きく上げ「ハイハイ!」と連呼する中、1匹だけ手を上げない娘がいます



その娘の名前は熊のクミツでした



先生はあえて、手を上げてないクミツちゃんにを指名しました



「クミツさん。この問題わかりますか?」



クミツは教科書で顔を隠して返事をしません



「センセー!クミツは頭が悪いからわからないと思いまーす!」



「そうだよそうだよ!わかるわけないよ!」



キツネのコンとネコのニヤが何も答えないクミツのことを悪く言います



「わ、わかるわよそれぐらい!」



クミツはコンとニヤにバカにされたことに頭に血がのぼり、席から立ち上がり黒板の前まで歩いて行き、チョークを手に取ります



「クミツさん‥答えわかりますか?」



少し心配したような表情を浮かべたシカク先生



「だ、大丈夫です!これぐらいわかります!」



強気な言葉を言うクミツでしたが、クミツはチョークを握りしめたまま手を動かさないで少し震えていました



「早く書きなよクミツー!」



「そうだよそうだよ!時間がもったいないよ!」



後ろからまたコンとニヤがクミツに対してヤジを飛ばします



すると



キーン、コーン、カーン、コーン



授業が終わる鐘が鳴り響きました



「では、これにて授業は終わりです。クミツさんこの問題は今日の宿題にします。明日答えを先生に聞かせてくださいね」



「‥はい」



シカク先生はニコッと笑みを浮かべて、落ち込んでいるクミツの頭を優しく撫でました



「はいみなさん!忘れ物しないよう、気をつけて帰りましょうね!」



『はーい!』



生徒達は元気よくシカク先生の言葉に返事をして、帰って行きました



「さ、クミツさんも暗くならないうちに帰りましょうね」



小さく頷き、クミツは教室を出て行くと、外でクミツの友達の犬のイヌホが待っていました



「クミツちゃん一緒に帰ろ」



「‥うん」



クミツとイヌホは家が隣同士なので学校が終わるといつも一緒に帰える仲でした



「今日のコンちゃんとニヤちゃん酷かったね!あんなにクミツちゃんのこと言わなくてもいいのに!」



「でも、言ってることは本当だったから‥私算数苦手だから‥」



「だからってあんなに言わなくても!大好きなシカク先生の前で!」



少し顔が赤くなるクミツ



実はクミツはシカク先生のことが好きで、シカク先生に片思いをしていました



「嫌われちゃったかな‥」



「大丈夫だよ!シカク先生すごく優しいから、簡単にクミツちゃんのこと嫌いに塗らないよ!」



「だといいけど‥ね」



落ち込んでいるクミツにイヌホは何かを思い出したようにクミツの手を握りました



「そうだ!私お母さんから凄いこと聞いたんだ!」



と言うと、イヌホはクミツの手を引っ張り森の奥へ行きました



すると森の奥に小さな池がありました



「満月の夜にこの池でお祈りすると、願いが叶うんだってお母さんが言ってたんだ」



「願いが‥叶うの?」



「そう!でもお祈りするときに、自分の大事な物を池に落とさないといけないんだって」



それを聞いて少し悩みこむクミツでしたが



「わかった。私今夜お祈りしてみる。ちょうど今日は満月だからね」



「願い‥叶うといいね」



「うん!」



そして満月の夜。池の前にはクミツが立っていました



クミツはイヌホに言われたようにお祈りをし、大事な物も落としました



大事な物、それはシカク先生から貰った鉛筆でした。



すると池が光りだし、水面から白い服を着たバクが出てきました



『私はバクのオキと言う。私を呼んだのは君か?』



「はい!」



『そうか、しっかり君の大事な物も受け取った。願いを聞こうか』



本当に願いが叶うんだ!とクミツのドキドキと弾む心臓を抑えながら、クミツは口を開きました



「大好きな人がいます!シカク先生です!シカク先生に私のことを好きなってもらいたいです!そして私のことだけを見ていて欲しいです!誰でもない私だけを!そして‥そして‥」



少し間が空き、そしてクミツはお腹の底から声を出しました



「私だけを愛して愛して愛して愛し尽くして欲しいです!」



願いを言い終わると、オキは目を閉じ何かを考えている様子でした。そして口を開きました



『君の願いはわかった。しかし、本当にいいんだね?』



「はい!」



『本当にいいんだね?』



「はい!」



『‥。わかった。君の願いは叶えた。今すぐ村へお帰り』



「あ、ありがとうございます!」



ぺこりとオキにお礼をすると、クミツはすぐさま村へ帰って行きました



『愛と言う言葉の重さを知らぬとは‥無知というのは罪だな‥』



オキは池に沈んでいきました



クミツは森を走り、村へ帰えると、なぜか明かりがついている家が一軒もなく、街灯すら消えていて、明かりは月明かりしたありませんでした



「あれ?なんでこんなに暗いんだろう?」



薄暗い道を歩き、クミツは自分の家に帰ろうとしていると、ベンチにイノシシのイシさんとノシさんの老夫婦が座っていました



「あ、イシさんノシさん!」



クミツが近くまで近寄りますが、返事がありません



「イシさん!ノシさん!」



クミツが大きな声を出しても返事がありません



「?」



様子がおかしいので、イシさんの方を触ると



グチョ‥ドスッ



何かが離れ、何かが地面に落ちる音がした



雲に隠れていた月が、顔を出し、月明かりがベンチを照らすと



触れたイシさんの首から上が無く、足元に丸い物が転がっていた



「はっ⁉︎」



ようやく理解した



首が落ちたんだとうことを



イシさんの体が横にいたノシさんの方へよしかかるように倒れると、ノシさんの頭も胴体から転がり落ちた



「いや、いやぁぁぁあ!」



一瞬にしてイシさんとノシさんの周りには黒い液体が広がり始めた



クミツは衝撃な光景に吐き気がし、今すぐこの場を離れたい気持ちが込み上げてきて、クミツは走しった



違う違う違う!これは夢よ!悪い夢よ!家に帰ってベッドに入って寝ればきっと覚める!



ひたすら走った。家を目指して



クミツは早く帰るために、近道として学校の前を通る道をへ行き、学校の前を通る途中、クミツの顔に何か冷たい物が2〜3粒落ちたきた。すると、クミツの足はピタリと止まった



止まった理由は一つ。臭いだ



臭い!普段嗅ぐことのない臭い!



クミツはゆっくりと粒が落ちてきた頭上を見た


「‥!」



息をのんだ!鳥肌がたった!背筋が凍った!



クミツが見た光景。それは



両腕両足を切断され、首に縄をつけられ、まるでテルテル坊主ように吊り下げられていた



「‥ッ!」



異様な光景にもう声が出なかった、いや、むしろ息の吸い方がわからなくなった



‥どうして!どうしてみんながこんな目に!



足に力が入らなくクミツはその場に倒れこんだ



震えが止まらない



目から涙が止まらない



だが、クミツはまだこの現実を受け入れていなかった



這い蹲りながらもクミツは自分の家を目指す



「これは夢だよ‥これは夢だよ‥これは‥夢‥だ‥よ‥」



もうクミツの頭の中は正気を保つので精一杯だった



クミツは力を振り絞り、足に意識を向かせ、一歩、また一歩と歩き始めた



倒れそうな体を揺らしながら歩いていると、一軒明かりがついている家があった。自分の家だ!



家の明かりがクミツにとって、まるで希望の光のように見え、自然と足が速くなる



「家だ‥私の家‥家族のいる家‥」



家の扉を両手で握り、ゆっくりと開ける。

そしたら、リビングの方から誰かがいる気配がした



「ママ‥パパ‥」



涙が溢れてきた



やっと悪夢が終わる



玄関からすぐリビングへ向かい扉を開けると



そこには



一面


赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱赤緋朱



キッチンに目線を送ると、デカイ鍋をかき回しているシカク先生がいた



「‥せ‥んせ‥い?」



クミツの声に反応したシカク先生がゆっくりと振り向く



「やあ、クミツさん。待っていたよ」



不気味に微笑むシカク先生



シカク先生の体はほぼ赤く染まっている状態で、鍋をからは手のような物が見え、それにクミツは驚いた



手の指に付いてた指輪、まぎれもなくクミツの母親がつけていたものだった!



「うそ!そんな!ママぁぁあ!」



クミツは叫んだ、声が枯れるほどに



「あははは、そうだよ。今君のお母様を煮込んでいるんだよ」



笑いだすシカク先生



「いや〜大変だった君のお母様をここまで小さくするのにさぁ。ノコギリで足から順番に切断していくんだからね、もう手が痛くて痛くて」



周りをよく見ると無数のノコギリのような物が床に散らばっていた



「君のお父様はかなり僕に抵抗してきたから頭に来ちゃってね。椅子に針金で縛り付けてから、灯油をかけて火を付けてから、すぐに水をかけて火を消して、また灯油をかけて火を付ける。それを数十回繰り返したよ。君のお母様は凄く泣き叫んでいたてうるさかったから、眼球をスプーンで掻き出して、口をホッチキスで何重にも挟んでやったさ!しばらくしたらお父様が丸焦げになってるのにまだ息してんの!ずっと君の名前とお母様の名前をブツブツ言って気持ち悪かったから金槌で頭をかち割ってやったさ!」



高らかに笑い出しシカク



「どうしてよ!どうしてママとパパをこんな目に!」



笑っていたシカクが黙りクミツを見下ろす



「君を愛しているからだよ」



「⁉︎」



「僕は君を愛している。この世の誰よりも愛している!もう君以外誰もいらない、君以外視界に入れたくない!だから、村の奴ら全員殺してやったさ!そして、君を愛しているのは僕意外に両親も君のことを愛している、だからその愛を僕がもらうために君の両親を殺して僕の腹に入れることにしたんだ。そうすれば両親の愛が僕の身体の一部になるから君はもっともっともっと僕の愛を感じるんだよ!」



「正気じゃない!アンタなんて異常よ!」



「これが愛さ!」



「違う!こんなの私が求めていた愛じゃない!」



「‥っチ」



舌打ちをしたシカクはクミツの近寄り首を両手で握りしめた



「‥ぐっ」



力強くクミツの首が絞められ、息ができなくなる



「これが愛なんなだよ!愛する者を誰にも渡したくない!自分だけの物にしたい!それが愛なのに何故わからないだ」



バタンっ!と握っていた首を離したシカク



「いいこと思いついたぞ」



するとシカクはテーブルに置いてあった包丁を手にする



「君を誰にも渡さないために、君も僕の身体の一部になればいいんだよ!それがいい!そうしよう!」



「いや‥やめて‥やめてよ!」



「これで本当に一つになれるね。クミツ!僕は君を愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛しているぅぅうう!」



グサっ



「‥!」



シカクは振り上げた包丁を首に突き刺し



そして



何度も何度も何度も何度も何度も何度も包丁は振りかざしは刺して、振りかざし刺してを繰り返しクミツの面影が無くなるほど刺し



飛び散ったクミツの肉片をかき集めて喉に流し込む



床に散らばった内臓もかき集めて喉に流し込む



シカクは目から涙を流しながら、クミツの肉を時間をかけて胃に入れていった


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― 新着の感想 ―
[良い点]  健気な願いはジーンと来るものがありました。 [一言]  制御の働かなくなった生き物は怖いです。
2015/10/03 09:58 退会済み
管理
[一言] R15ってそっち系ね。。。 追加で残酷な描写ありのタグをつけることをオススメします 妄信的な愛の前では誰しもがタガが外れちゃう これは鹿タガないね
2015/10/03 08:26 退会済み
管理
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