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番外編 アパートの節分

 二日遅れの季節ネタです。


※台本調で書いてます。

良平「突然ですが質問です。今日はなんの日でしょうか?」

雨「節分だろ!早く豆まきしようぜ!」

雲「鬼は灯火と新よ!」

灯火「え?僕と新さん?」

雪「二人が……殺人鬼と……吸血鬼……だから」

灯火「どうせ、どうせ、僕は殺人鬼だよ。そんな人でなしには鬼役がお似合いだよ……」

清水「灯火くんってばだめですよ!今日、しかも一時間くらいの話なんですから一々くよくよしてたら楽しくなくなちゃいます!」

灯火「清水……そう、だよね。せっかくの機会だし楽しまないとね」

清水「そうですよ!私、灯火くんと節分するの楽しみにしてたんですから!」


フェイト「この人数に対して鬼が二人というのもあれですし、ヴェルにも鬼をさせましょう」

パーヴェル「……え?なぜ」

フェイト「おや?やりたくない理由でもあるのですか?それとも私の意見に反論が?」

パーヴェル「そういうわけではなくてただ」

フェイト「“私に”意見がありますか?」

パーヴェル「よ、喜んで!不束者ですが誠心誠意、鬼役を努めます!」


新「アキの投げた豆は全部受け止めるからね!もちろん全身で!」

千秋「逃げるか避けろよ!いやそもそもお前は鬼役でいいのか?」

新「アキがくれるものは全部俺がもらいたいから全然いいよ!むしろ喜んで!」

千秋「投げるのは俺だけじゃねえぞ!?」

新「大丈夫だよ、アキ。アキ(の投げた豆)は全て受け入れるから。アキがくれるなら痛みも全部愛おしく思うから」

千秋「よしわかった。全力でぶつけてやるよ」


猫「まさに三者三様の反応だね。……フェイトにはちょっとお仕置きが必要かな」

十真十「少しくらいは大目にみてやれよ?年甲斐もなくはしゃいでるだけだろう」

猫「そうだね。今日くらいは大目にみようかな。鬼役も決まったところだし、そろそろ豆まきを始めようか」

十真十「ああ。今回は殻つきピーナッツでするんだよな?」

猫「その方が回収が楽だし、殻が割れなければ食べられるからね。一応大豆も準備してるよ」

十真十「さすがだな。お前がいればなんの心配もいらない」

猫「ほめてくれてありがとう。お礼はこの後の恵方巻きへ還元することにしよう」

十真十「そりゃ楽しみだ」



未来「猫さんが豆まきを始めてもいいってピーナッツをくれたよっ!だから早くしようっ!」

日向「そげん焦らんでもいいがね。四川達も準備出来ちょらんし」

自由「ナラナゼ日向様モピーナッツヲ持ッテイルノデスカ?」

日向「それは……なんでお前はそげんこつばかり気づくとか!」

未来「日向さんも私と一緒で楽しみなんだねっ!」

日向「ち、違うが!俺は上手く投げられるように感触を確かめてただけやっちゃが!」

新「お待たせ。準備出来たよー。さあアキ!思う存分俺に投げてね!」

千秋「鬼は外!ついでに新の煩悩も出て行け!」

日向「なんか違うの混じっちょらん!?」

フェイト「細かいことは気にしなくていいんですよ。ではヴェル逝きましょうか?覚悟は出来てますよね?」

パーヴェル「覚悟ってなんのですか!?あと豆に魔力をこめないでください!」

灯火「痛っ!雨ちゃん、雲ちゃんもう少し優しく投げてくれないかな?全力で投げられたらさすがに痛いよ」

清水「灯火くん、いえ鬼がなに子ども相手に弱気なことをいっているんですか!もっと強気にいかないとだめですよ!新さんやヴェルさんを見習ってください!」

灯火「新さんは千秋さんに相手をしてもらって喜んでるだけで、ヴェルは笑顔のフェイトさんに追いかけられて泣きそうにしか見えないんだけど、どこを見習えばいいの?」

清水「と、とにかく!雪ちゃん達くらいの強さなら二人よりも痛くないはずですよ!だから少し我慢してあげてくれませんか?」

灯火「確かにそれはいえてる……。じゃあ、少しだけ我慢してみようかな」

雨「よっしゃ!皆、全力で行くぞ!」

雲「そうこなくちゃつまらないわよ」

雪「……たくさん……当てる……」

未来「それじゃあ、灯火さん!未来もいっくよっ!」

晴「えっ!?皆、手加減しないんですか?」

颯太「ねえ、リョーヘイ。豆を投げる時、『鬼は外、福は内』っていうよね。なら鬼さん達は寒いのに家の中に入れないの?」

良平「鬼っていうのは生物じゃなくて病気とか災害とか人の手に負えないもののことをいうんだよ」

颯太「そうなんだ。ずっと妖怪の鬼のことだと思ってた。じゃあ寒い思いしなくていいんだね。よかったあ」

良平「そうだね(颯太くんがいい子過ぎて、日頃の恨みをこめて全力で新に豆を投げようとしていた自分が恥ずかしい)」



 一時間後


自由「投ゲタ豆ノ回収終ワリマシタ。拾ッタ豆ハソレゾレ均等ニ分配シマシタ」

晴「殻から出ていた物は殻だけ回収して、中身はそのままです。明日、鳥さんが喜んでくれるといいなあ」

猫「きっと喜んでくれるよ。さてと。時間もちょうどいいことだし、皆で喫茶店うちに行こうか」



雨「うわあ!たくさんある!全部うまそう!」

雲「桜でんぷの入っているものがいいわ」

雪「……おいしそう……早く食べたい……」

晴「普通の巻き寿司よりも細いから私でも食べられそうです」

日向「おっ!?レタス巻きもあると!?てげ嬉しいわ!」

自由「好キナ巻キ寿司ガアッテヨカッタデスネ、日向様」

新「アキ、食べきれなかったら僕が食べたあげるから好きなだけ食べてね」

千秋「大丈夫だっての。自分の限界くらいしってる」

新「いやただ僕がアキのだ、ごふっ!?」

良平「変態はこれでも食べて黙って。颯太くんは何を食べる?」

颯太「うーん、たくさんあって選びきれないよ」

良平「じゃあ颯太くんが食べたいのを半分こしようか」

颯太「え!?いいの!じゃあ……」

新「リョーヘイだって僕と同じこ、ぐうっ!?」

良平「変態と一緒するな。ちゃんと食べる前に切り分けるよ」

未来「いっただきまーすっ!」

灯火「何度食べてもすごく美味しい」

清水「お魚も新鮮ですね!」

ヴェル「種類も豊富だから何本でも食べられそうだな」

フェイト「何度見ても皆が同じ方向を見て無言で食べるなんてシュールな光景ですね」

十真十「まあな。猫、熱燗あるか?」

猫「そういうと思って準備しておいたよ。でもトマはこの後に仕事があるからほどほどにね」

フェイト「まるで夫婦のような会話ですね」

十真十「じゃあこのまま籍を入れるか?」

猫「あはは。面白い冗談だね」



久遠「俺の出番は!?」

咲楽「仕事しろ」

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