番外編 アパートの住人とみかん
※名前を省略し、台本調で書いてます。
リア充注意報とほんのりBL注意報を発令しています。
十分にお気をつけください。
灯火と清美の場合
清美「灯火くん!これ当たりですよ!すごく甘くて美味しいです!」
灯火「そうなんだ。買ってきてよかった」
清美「はい!灯火くん、あーん」
灯火「え、あ、その、じ、自分で食べられるから!」
清美「私がむいた蜜柑は食べられないってことですか!?」
灯火「ち、違う!そういう意味じゃなくて!」
清美「じゃあ口を開けてくれますよね?」
灯火「……いただきます」
清美「お味はどうですか?」
灯火「……すごく甘いよ」
清美「じゃあ今度は灯火くんがむいた蜜柑を私に食べさせてください」
灯火「えっ!?なんで!?」
清美「蜜柑は食べ比べするものですよ。ほらほら早く早く」
灯火「え、えーっと……あ、あーん?」
清美「もぐもぐ。ちょっと酸味が強くてこれはこれで美味しいですね!ではもう一度口を開けてください!!」
灯火「もう勘弁してよ!」
良平と颯太の場合
良平「行きつけのスーパーで蜜柑が安かったから買ってきたよ。おやつがてら食べようか」
颯太「うわあ!美味しそうなみかんだね!」
良平「そうだね。皮をむくからちょっと待っててね」
颯太「皮ならぼくもむけるから大丈夫だよ」
良平「僕がしたいだけだから気にしないで。はい、どうぞ」
颯太「リョーヘイ、ありがとう!すじまできれいにとってくれたんだね!」
良平「そっちのほうが食べやすいと思って。喜んでもらえて嬉しいよ」
颯太「じゃあぼくもリョーヘイの分むくね。……はい、どうぞ」
良平「ありがとう」
颯太「リョーヘイみたいにうまくできなくてごめんなさい」
良平「そんなことないよ。綺麗にとれてるよ(颯太くんの優しさが心にしみる)」
千秋と新の場合
新「アキ!蜜柑もらったから一緒に食べようよ!」
千秋「おー!マジか!ありがとな、新!俺、甘いやつがいい!」
新「甘いって聞いたから多分全部甘いと思うよ!あい、アキ!あーっごふ!」
千秋「何口移ししようとしてんだよ!自分で食え!……ったくマジでお前は油断も隙もねえな」
新「ごほっ、ごほっ!だからって、口に押しこまないでよ。思いっきり気管に入って苦しかった!」
千秋「それは……悪かった。あー、ほら。口開けろ」
新「っつ!?いいの!?いただきまーす!」
千秋「何、指までくわえてんだよ!離せ!ひっ!?なめるな!恍惚とした顔すんな!このド変態が!」
新「……ああ、アキ。すごく甘くておいしいよ」
千秋「蜜柑の話だよな!?そうだよな!?」
新「ふふ。どういう意味か教えてあげる。体の隅々に、ね?」
千秋「やめろっ!離れろ!近づくんじゃねえ!」
新「それじゃあ、本命をいただきます♪」
トマと猫の場合
十真十「確か蜜柑とコーヒーは相性が悪いんだよな?」
猫「そうらしいね。でも科学的な根拠は薄いようだね。私は個人の嗜好の問題だと思うよ」
十真十「まあそうだな。お前が淹れたコーヒーだと根拠にはならんが」
猫「それはどういう意味かな?」
十真十「世界一美味いものならなんにだってあうだろ」
猫「お褒め頂き光栄だね」
十真十「流すな。本気でいってんだからよ」
猫「知ってるよ。ありがとう」
十真十「絶対にわかってねえだろ。もういい」
猫「はは。拗ねないでくれないかな。本当に嬉しかったんだ」
十真十「お前はずるいよな」
猫「それほどでもないよ」
日向と自由の場合
日向「くらえ、リモネン攻撃!」
自由「日向様!?突然何ヲサレルノデスカ!?」
日向「蜜柑の皮にはリモネンっちゅうゴムを溶かす成分があるっちゃろ?だからその実験をしょっとよ」
自由「オ止メクダサイ!可能性ハ低イデスガ、私ノ皮膚ガ溶ケテシマイマス!」
日向「やっぱり溶けるっちゃね。わかったならもういいわ」
自由「ソレヨリモ面白イ実験ガアリマスヨ」
日向「面白い実験?なんすっと?」
自由「発砲スチロールニリモネンヲ使ッタ溶解実験デス」
日向「面白そうっちゃね!さっそく蜜柑の皮を集めんと!たくさんいるがね!?」
自由「では皆様カライタダイテキマス!」
日向「俺は効率的に抽出する方法を考えちょるわ!」
フェイトとヴェルの場合
フェイト「ヴェル、いいところに来ましたね」
ヴェル「年末で忙しいので失礼します」
フェイト「それは私よりも急がなくてはならない用事ですか?」
ヴェル「勘違いでした!暇で暇で仕方なかったんですよ!それで何用ですか?」
フェイト「ええ。味見をお願いしようと思いまして」
ヴェル「…………何の味見ですか?紅茶ですか?紅茶以外にありませんよね?」
フェイト「期待させたようで悪いですが、今回は紅茶ではありませんよ」
ヴェル「急用を思い出しました。非常に残念ですが、この件はまたの機会に」
フェイト「蜜柑でママレードを作ってみたんです」
ヴェル「あの甘いような苦いような何ともいえない異臭はこれのせ……冗談です。すみません」
フェイト「これも悪くない味でしたよ。一口味見してください」
ヴェル「……これなんですか?なぜ濃緑色なんですか?」
フェイト「苦味が足りなかったので抹茶を足してみた結果ですよ。さあヴェル。口を開けなさい」
ヴェル「い、今、お腹いっぱいなので無理です!」
フェイト「しかたないですね。食べさせてあげましょう。口う」
ヴェル「わあ!美味しそうですね!いただきます!(棒読み)」
フェイト「どうですか?」
ヴェル「(『解毒』、『快勢』!)……抹茶が全てを台無しにしてます」
フェイト「そうですか。やはり改善の余地がありますね」
ヴェル「一応確認のために聞きますけど、作ってるのは劇物ではなく、ママレードですか?」
フェイト「先ほどからそういっているではありませんか。ああ、また味見をお願いしますよ」
ヴェル「(舌に残る癖のある苦味と後に残るくどい甘さ、ママレードにあるはずのない辛み、砂のようなざらざら感と片栗粉の塊のようなどろっとした食感。全てをそろえたあれは劇物としかいいようがないが。とっさに魔法をかけるほどだったし)……忙しくなりますのでもう二度とその機会はないと思いますよ」
未来と四つ子の場合
未来「みかんもらったよっ!みんなで食べよっ!」
雨「よっしゃ!うち、これとこれな!」
雲「私はこれとこれとこれとこれとこれよ」
雪「雲……とり過ぎ……。皆の分……なくなる」
晴「未来ちゃん、ありがとうございます」
未来「どういたしましてっ!ねえみんな見てっ!うさぎさんっ!」
雨「おおお!すげえじゃん!それどうやって作んの!?」
雪「……かわいい」
雲「それくらい私もすぐに作れるわよ!」
晴「私は犬を作ってみました」
未来「晴ちゃん、上手っ!」
晴「そうですか?ありがとうございます!」
雨「うちもできた!どうだ、これ!」
雲「何それ。ぼろぼろじゃない」
雨「雲も同じじゃん!何作ったのかわかんねえよ!」
雲「なにいってるのよ!どう見てもうさぎじゃない!」
未来「二人とも落ち着いてっ!」
晴「喧嘩はダメですよ!」
雪「……みかん、おいしい」
管理人と掃除夫の場合
久遠「蜜柑もらったぜ!蜜柑といえば炬燵だよな!こうして炬燵に入りながら蜜柑をくうのって最高の幸せだぜ!どのくらい幸せっつうと高級旅館の露店風呂で熱燗を飲みながら夜空を眺めるくらいだな!あん時の焼酎マジで美味かったな。また行こうぜ!」
咲楽「そうだな」
久遠「何この蜜柑!マジでうまっ!めっちゃ甘いけど酸味もあっていくらでも食えるわ!俺、これでもう五個目だし!蜜柑っていえば路地とハウスの二種類あるだろ?どっちがいいんだろうな?どっちも美味いから違いがいまいちわかんねえんだよな。表示されてなかったらわかんねえわ」
咲楽「そうだな」
久遠「まあどっちでもいいか。ようは美味けりゃいいんだ、美味けりゃ。それが真理だ。反論は許さん。でもさ、蜜柑ってたくさん食うと手が黄色くなるだろ?あれどうにかなんねえか?リアンに怒られるんだけど。手を洗ってもなかなか落ちねえんだよな」
咲楽「そうだな」
久遠「そういやネットでさ、蜜柑の皮でいろんな形を作ってんの見たぞ。定番の兎もあったけど日本地図とかもあって面白かった。一番強烈だったのは蜜柑を運ぶ人だったな。あれどうやってバランスとってんだ?特に支えとかないように見えたんだけどな」
咲楽「そうだな」
久遠「お前さ、人の話聞いてる?」
咲楽「聞いてる。蜜柑の話だっただろ」
久遠「なんだ。ちゃんと聞いてくれてんじゃん。ずっと蜜柑食ってるから聞いてねえのかと思ったぜ。まあそんだけ食ってくれたなら持ってきた甲斐もあるけどさ。お前、それで何個目だ?」
咲楽「三十六個目だ」
久遠「……ぱーどぅん?」
咲楽「三十六、いや三十七個だ」
久遠「いやいや食いすぎだろ!?なんでそんなに食えるの!?」
咲楽「なんでといわれても、食えるうちに食っておけといわれて育ったせいだろう」
久遠「お前ってマジで規格外だよな、色々とさ。まあそういうとこがおもしれえんだけどな。あ、でも食い過ぎると気持ち悪くなるから気をつけろよ」
咲楽「……そういうことをいうのはお前くらいだ」
久遠「ん?なんかいったか?」
咲楽「何でもない。腹八分目になったし、あと三個食べたらやめる」
久遠「まだ食うのかよ!?」
リア充が多くて砂糖を吐きそうになりました(笑)




