ナルシスト in the スクール
ナルシストが苦手な方は引き返して下さい!
学校になんとか間に合った俺たちを待っていたのは碧姫のファンクラブ。
コイツはもうそれはそれは美形で男女問わずモテる。
最初の内は陰で騒がれるくらいでまだ良かった。しかし今はその規模が学校全体にまで及んでいる。
「「おはようございます!碧姫様!」」
「うん。おはようみんな。今日もいい天気だね」
爽やかすぎる笑顔をみんなに振りまき颯爽とその中を歩いていく。、、、俺を連れて。
『なぜ肩を抱く!?;』
「そんなに恥ずかしがらないで、さっ、行こう」
イーヤーだー!!恥ずいとかそんなんじゃなくて後々面倒なんだよこっちは!!
あー、、、。そらみろ、ファンクラブの人たちのあの顔!!怖いって!;
玄関に着いた瞬間俺は猛ダッシュで教室まで逃げ込んだ。クラスが別でよかった~
「ねぇねぇ、ちょっといい?」
早速何か来たよ!?だからヤなんだよ。
『何か用か?』
「えぇ、大ありよ!!」
あぁ…相当ご乱心のようだ。ここは適当にやり過ごすか…
「ちょっと聞いてるの!?」
『うるさいから静かにしてくれないか?てかさ、それって単なる嫉妬だろ?俺に当たるなよ』
「っ!…もういいわ。行きましょ」
碧姫のやつ…。俺の身にもなってみろってーの…。
そのあと、普通に授業が始まった。
〜昼休みの屋上〜
『はぁ〜腹減った〜』
「そうだね…。はい、今日は中華風にしてみたけど、どうかな?」
…。こんなこと、恥ずかしくて誰にも言えないが、俺は毎日コイツの弁当を食っている。別に頼んだ訳でもないのに作ってくる。本人曰く、1人分も2人分も変わらないのだそうだ。そしてこれは断る理由がない。なぜなら…
『うまい…!!』
「そうかい?フフっ、よかったよ♪麗央の為に少し辛めにしたんだけど、どうかな?我ながら完璧だと思うんだけど」
コイツ何でそんなこと知ってんだ?まぁいいや。
『あぁ!丁度いい辛さだ!すっげえうまい!毎日ありがとなっ』
「フフっ、相変わらず麗央は可愛いな。そんなに焦らなくても、誰も取ったりはしないよ?あ、麗央。こっち向いて」
『ん?どうし…「ココ。付いてる」っ!!』
「?」
顔…。すっげえ近かったっ!!それなのにあの顔かよ!都合のいい天然だな;
「どうかしたのかい?マイスイート」
クソ…俺だけ意識して…。バカみてえ。
『や、何でもねえよ。デザートは?』
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今日もあと掃除だけで終わり。なのに、目の前には碧姫。なぜだ?
『あのさ。掃除行きたいんだけど?』
「行かせはしないさっ。そんなに通りたいのなら僕を倒してからにするんだね」
何処ぞの悪役だよ…;でも、勝てる気しねえ…。逆に、空手十段のコイツに勝てる奴いるのか?あーもうホント邪魔
『…ホント迷惑。いつもいつもさぁ…。邪魔なんだよ。だからどけ』
自分でも驚く程低くて冷たい声が出た。
しまったと思った時にはもう遅くて、碧姫は暗い顔をして静かにその場を離れた。
『あー…やっちまった…』
その時俺は
こちらを睨む目に
気付いていなかった。
現実ではナルシストって軽蔑の対象ですよね…。