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王様の放浪日記

夕日のある景色

作者: 東雲 一鞠

 小さな黄色い光が、遠くで虚しく点滅する。太陽は沈みかかり、町に暗闇が降りてくる。ターコイズの空を、不気味な雲が這う。生温い風が吹いては、電線を揺らしていった。

 重苦しい雲が、夕日を隠す。黒いそれは、眩しい光で縁取られる。夕日になれない黄色い光は、相も変わらず、一定の間隔でぱちりぱちりと瞬きを繰り返していた。

 ごおおおう、と、飛行機でも通っているのか、空が唸る。すべてのものが、吸収されるように、夕日に向かう。自分もまた、それにつられるように、光に向かって歩きだした。

 つまらなさそうに瞬いていた黄色が赤になる。憂いを帯びた雲が空を覆う。ひときわ強い風が、フードを揺らした。

 軽快に笑う空き缶を横目に、次はどこへ行こう、とぼんやり考えた。

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