殴ってやろうか、その笑顔
掲載日:2025/12/19
昨夜から待っていたのに。今朝から何度もメッセージを送って、何度も電話をかけて、それでも全く応答のない相手に私は苛立っていた。そして結局、電話がかかってきたのは昼過ぎだった。
「いやー、ごめんごめん。今起きたわ」
「ちょっと、飲み会終わったら連絡してくれるって約束忘れたの!?」
「ベロベロになっちゃったみたいで。昌樹が部屋まで送ってくれたらしい。マジごめん」
全く申し訳なく思っていない声だ。
「へえ、そんなに飲んだの。珍しいね」
私は少し含みを持たせて言ったのに、
「やっぱり同窓会っていいね、久しぶりに会うとテンション上がっちゃうよ。楽しかったなぁ」
へらへらした態度、まだ起きて間もないのだろう。そう、私と一緒にいるよりそんなに楽しかったの。私と飲むよりそんなに進んだの。
「キイちゃんも同窓会は行った方がいいよー」
「ありがとう、じゃあ私も誘われたら迷わず行くね」
「そうしなぁ」
ふふふ、と気味の悪い声。本当に、旧友との飲み会で全て忘れてしまったらしい。
「ねぇ、今日何の日か覚えてる?」
「えぇー?」
こいつまだ起きていない。その顔、会ったら殴ってやろうか。
「私の誕生日だよ!! さっさとうち来い!!」
電話の向こうで尻もちをついたように派手な音が聞こえた。ようやくお目覚めらしい。




