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転生したらプリンセスやった。なんでや!

重複投稿です

興味があれば、pi○ivさんを覗いてみてね

まいど!シェナちゃんやで。

某ポケットなモンスターのキャラの真似をしながら自己紹介をするという阿呆みたいなことをしでかした私は、いわゆる転生者や。

令和の時代で、日本という国の大阪に住んでたただの一般人やったはずなんやけど、突っ込んできたトラックに轢かれて無事転生を果たしてしもた。

転生前は割愛させてもらうで。なんせ平々凡々でしかないからな。

私が転生したとこは、中世風の異世界で、日本人が暮らしやすい感じにできてるから、所詮どこぞの漫画とかの世界やろうなとは思っとる。

そんな世界に生まれた私の立場はというと、超大国のプリンセスやった。

……なんでやねん!柄ちゃうわ!

思わず突っ込んでまうほどの不相応さやわ。

しかも、見た目は平々凡々日本人顔でせっかく転生したのに張り合いがない。

……と思ったら、そうやあらへんかったみたいや。

意味わからんやろ?私もわからんわ。

私はお姫様やから10歳ぐらいまで箱入り娘やった。やから最近気づいたんやけど、実はこの世界は私の感性で言う不細工が美しいと褒め称えられて、私の感性で言う美人さんが不細工やと貶されていた。

心の底から言わせてもらうわ。

『なんでやねん!!』



――――――――――――



私は現在15歳。

この世界ではもう成人やから、こないだ「シェナ姫の成人式パーティ」と称して盛大すぎるパーティをしてもろた。

そして、成人した王侯貴族だけなんやけど、自分の身の周りの世話をさせたり、護衛させたり、趣味に付き合わせたり(意味深)する奴隷を最低一人は買うらしい。

これは成人式のしきたりで、私が拒否しても絶対買えと言われてしもた。

今日はその奴隷を選ぶ日や。

ものすんごい憂鬱。ほんまに。

「ヘレナー。ほんまに嫌なんやけど……。」

私のヘアセットをしてた侍女のヘレナに言うてみる。

「姫様。これはしきたりなのです。諦めてください。」

ピシャリと言われてしもた。

「…………へーい。」

「……よし、これでいいでしょう。」私の用意ができたみたいや。

その後、奴隷商がきはったので客間に移動する。

客間に行くと、奴隷商が立って頭を下げていた。

王族にしなきゃあかん挨拶を終えて、座ることを許したると、奴隷商はセールストークを始めはった。

「これはこれはシェナ姫様!お噂は予々聞いておりましたが、大層お美しいですね!」

別にこの世界基準でも美しくはないんやけどなぁ。

とりあえずお礼しとく。

「ありがとーさん。」

「もったいなきお言葉。本日は上質なものだけを持ってきましたので喜んでいただけるかと……。」

そう言って、奴隷商は控えさせてた奴隷たちをこちらへ並べさせる。

どいつもこいつも私基準で不細工や。

このしきたりに従うから、せっかくならイケメンか美少女がいい。

しかしそのまま「不細工ください」言うのもなんか自分の美的感覚を捻じ曲げるようで嫌や。ということで、こう言うことにした。

「もっと個性的な容姿の人はおらへんの?」

そう言うたら、奴隷商は頭の上にハテナをいっぱい浮かべて狼狽えた。

「え?いやぁ、あるにはありますが……、店に行かないと……。」

「なんや歯切れ悪いなぁ。ほんで、店行けばいはるねんな?」

関西弁のせいでいまいち伝わらんかったので、言い直す。そしたら伝わったようだ。

「左様でございます。一度、出直させていただいて、また後日持っていくこともできますが……。」

「いや、自分で探すわ。ほんじゃ、かえってええよ。」

そう言って、私はサッサと部屋を出る。

後ろで奴隷商がなんや言うてたけど無視や。

すると、後ろに控えてついてきたヘレナが聞いてくる。

「よろしかったんですか?あのような上等なもの。」

ヘレナも奴隷の人をものとして捉えてんのかと苛立ちつつ返事する。

「ええのー。」

「そうですか。」

それ以上追求してこーへん侍女の鏡なヘレナ。

「あ、ヘレナ。私、お忍びで奴隷商んとこ行くわ。」

「……は?」



――――――――――――



なんとか許してもろたお忍び外出の日。

お忍びできた子爵令嬢という設定で行く。

偽名は、へレーナ・シュアリーだ。

決してヘレナからとってない。とってないからな!


馬車に乗って店まで行く。

その店は、意外と綺麗な外観だった。

うちの国での奴隷の扱い酷いから、こん中で行われてることって闇深いんやろなぁ。

外観だけやわ。綺麗なんわ。

「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」

店に入ると、おめかしした店員が寄ってくる。

ものすごいややったが、しゃーなし言う。

「個性的な容姿の方います?」

店員は少し驚いたみたいだが、すぐ取り繕って言う。

「ありますよ。こちらへどうぞ。」

そう言って案内されたとこは、薄汚くて嫌な匂いして明らかに劣悪な環境やと一目でわかってまう場所やった。

「こちらが当店で扱っている不細工ですね。うちは上質なものしか取り扱っておりませんのでこれしかございません。」

ややドヤ顔で言うてくる店員がだいぶウザい。

「これは高貴なお客様の目を汚してしまうぐらいの不細工ですが、男ですので使い捨てとしてはよろしいかもしれませんね。」

多分下世話なことを言うてるんやろう。ほんま、大きなお世話やわ。

内心ため息つきながらその男性の方を見る。

首輪をつけられて、鎖で壁に繋がれている彼。

ガリガリに痩せ細った体に、手入れされてない長く伸びた白髪の混じった黒髪で、ほんまに不健康そうやった。

彼はなるべく顔を隠そうと、髪を必死に顔の方へ持ってきている。

その仕草がほんまに痛々しくて仕方なかった。

そこで思った。

この人を幸せにしてあげたいと。

「買うわ。いくら?」

自分で思うより随分と冷たい声が出た。

その声に何を思ったか、彼は震え出してしもた。

「お買い上げですか!お会計をいたしますので、こちらへ。」

案内される前に、私は彼に声をかける。

「今助けたる。待っといてな。」

バッと彼が頭を上げる。

すると、彼が必死に前に持ってきてた髪が横に避けて、彼の顔が見えた。

深い海みたいな綺麗な瞳や。でもその瞳にハイライトがあらへん。

「顔を隠せ!この不細工が!売れなくなったらどうしてくれるの?!」

店員から怒声が飛んでくると、彼は青い顔をさらに真っ青にしてすぐに下を向いた。

「まぁええやないの。私は素敵やと思うで。」

そう言うた後、プリンセス生活で身につけた威厳のある声で言う。

「でも、彼はもう私の大事な人やねん。アンタらのもんやあらへん。」

すると、店員はすぐに謝ってくる。

「ほな、お会計お願いしよかな。」

さっきとは打って変わって明るい声で言うてみた。

店員の異物を見るような目はほんまおもろかったわ。



――――――――――――



会計を済まして、彼を連れて帰る。

そのために、彼がいた牢屋に行って店員に牢屋の鍵と、首輪についてた鎖を外してもろた。

「立てるか?」

私は彼に肩を貸して立たせようとするけど、上手く立てへんようやった。

立とうとしても足に力が入らんのか、膝がガクガクゆうて歩けへん。

「ちょっと失礼するなー。」

このままでは拉致があかんので一声かけて、彼を抱えあげる。

「ひゃぁ………………!」

彼が小さく声を上げる。

私は彼を馬車まで運んだ。

運ぶ道中、彼が必死に私に密着せんように体を離してたのはちょっと傷ついてしもたが、彼にとって私は自分を買うた奴で、これから何かれるかわからんのやから当たり前か。


馬車に乗って揺られとる。

私は、流石に名前聞かんのはまずいか?と思て、彼に聞いてみた。

「アンタ、名前は?」

しかし返事は返ってこうへん。

何事か思て、彼の顔を覗き込むと、彼は私の腕ん中でぐっすり寝とった。

寝てるのをええことに、私は彼の目が隠れるぐらい長い前髪を避けてみる。

さっきはあんま見えんかったが、よく見ると端正な顔立ちをしてはった。

「きれいやねぇ。」

思わず声に出てたが、彼はまだぐっすり眠っとる。

「起きて話できんのが楽しみや……。」

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