夜想曲(かのん)
死神の優しく面白い語り
夜想曲/作者:香乃木 雪兎
短編の一人用の声劇台本です。
男女比は0・0・1
・死神 不問(年齢不明)
男性っぽい女の死神or優しい男の死神
配役表
死神 不問:
ーーーーーーーーーー
俺の話は退屈かもしれない。それを聞いていくかい?
途中で寝ちまってもいいぜ!その時は毛布をかぶせておくからな。
風邪引いちまわねぇようにな。
まぁ、俺は温度を感じないんだがな。寒いかどうかわからない。
風邪は…人間だった頃に肺炎になるまで酷くなった記憶がある。
…
っと…この話はお終いにするぜ。
俺の仕事の話をする。
そうだなぁ…何から話すか迷っちまうが。
先ずは俺は基本、食事をしない。何故かって?
それはな…骨だから。え、ザックリとしすぎてる?
うーん、それはな…そのまんまだからだな!
人間じゃないのは前の語りで察したかもしれねぇが、骸骨なんだよなぁ。俺。
だから、骨。だって言ったんだよ。
なぁに、怖がらせないように仮面はしているさ。笑顔の仮面をな!
なかなかユニークだろう?ニコニコ仮面の死神さ☆
…
……
俺らしくもねぇな…語尾に星をつけるなんて…。反省
ま、そこらの無表情な死神とは違う訳さ(笑)
そうそう、昨日の仕事の話になるぜ!
話題がコロコロかわってすまねぇな…。
実はな…病気で余命半年の女がいたんだよ。
んで、会いに行ったわけさ。
元気な風に見えるんだが大きな腫瘍があって、全身に転移していたんだ。
こりゃー…辛いだろうな。と思った。んで、家族は悲観的なわけ。
当人は…まぁ…その…元気だな。心が。
刻々と時間は過ぎ去るわけだ、そして、ある時姿を見られた。
余命半年から結構経っていたからな。その時が来たんだ。
開口一番に。『あなたは…天使さん?』て言ってやがったな。驚いちまうだろ?
死神なのに天使だってばよ…あはは
仮面の効果か?笑顔なだけにな。
んで、俺は言った。『すまねぇが、お前の命の灯はもうすぐ尽きる。俺は天使じゃない。死神さ』
その後も、色々と話して女は満足げに天に昇っていったんだよ。
話し相手が欲しかったのかもしれねぇな!満足げな最期だったから安心したぜ。
ついでに死者を送り届ける夜想曲を舞ってやったよ。迷わないようにな。
この世で迷子になっちまったら大変だから。
彷徨うのは辛いと思うぜ。
まぁ、俺のひとり語りさ。聞いてくれてありがとよ!
使用して下さりありがとうございます。
@hello_good_haro
何かあればこちらまで