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異世界召喚された私は姫様の影武者として生かされ、そして復讐を誓う【18-1】

国王と王妃が轡を噛まされて引きずられて退場してからと言うもの、

残された4人の表情は明らかに引きつっていて、

更に怯え方が酷くなったように見えた。

それはそうだ。

必死に抵抗してここで「高貴なる者の死」を賜れると思っていたのかもしれない。

けれど国王は新たな王国へ旅立たされ、王妃は帝国の医療技術発展の為に、

その身を捧げる事を誓ったのだ。

一国の頂点に立っていた代表者二人の結末が敵国で王族としての死ではなくて。

ただの処分の様な結末。

毒杯を貰って皆一斉に皇帝陛下の死を賜るのだと、

勝手に思っていたのかもしれない。


「そんな…そんな…」


既に引きずられて出て行った国王と王妃の命がけの抵抗の煩さはなく、

王太子の呟く声が静寂の広がっていったのだ。


恐怖が増長され式典会場の中心で未だ敵意ある視線にさらされ続ける王族。

けれど皇帝陛下の気持ちは王族にはなく長引いてしまっている事による、

妃達の状態を、私達の事を気に掛けて下さっているみたいなのだ。


「ふむ、式典の時間が伸びてしまっているの」

「左様でございますね妃達の為にも、ご休憩なされるのも宜しいかと」

「そうさの」


それだけを言い残して側近達は私達妃と王子が座る為の椅子を、

予定調和とでも言うべ気なのか運び込ませたのだ。

すぐさま私達は背中のコーンスタンドの様な保護具から解放されで、

皇子の傍へと、体を預ける事になった。

もちろん、受勲した兵士達が私達の周りを固めで、

王族達には一時的に目隠しを巻かれる事になる。

けれどそれだけで王族は「ひぃっ」とか「あぅあぅ」とか不思議な声を上げていた。

敵陣のど真ん中でただ待たされるだけの状態になったのだ。

怖くてしかたが無い事は解るけれど…

それにしても情けない声しか聞こえてこないから、

その声を聞くだけで幻滅しそうになる。

なまじ、国王の下で私を蔑んだ瞳で見下していた連中だから、

更にそう感じるだけかもしれないけれど…

こうして眼前に現れても同情心もなく、ただまな板の上で調理されるのを待つ、

哀れな動物の様にしか見えないのだから、

私の精神も大概王国の王族に壊されているのかもしれない。

けれど休憩時間中も式典会場の真ん中に居続ける王族は、早く進めてくれと

言わんばかりにガタガタと激しく震えているだけならいざ知らず、

体力が有り余っているのか、後ろ手の固定されて首輪で床に重しを繋がれて、

逃げられない様にされていると言うのに、必死に第2第3王子達は暴れ回っていた。


「ちくしょう!ちくしょう!なんで俺が!」

「こんな事になるはずないのに!」


そんな小言を漏らしながら、必死に暴れ回っているのだった。

ガチンガチンと鎖が張る音がしてけれど王子達は跪ずいた退勢から、

何一つ体制を変えられていなかったのだった。


「うむ、満足いくまで首と手枷の付け御ごちを堪能するがよい」


それは第2第3王子達があばる事を良しとするという意味で、

その間は裁きを伝える時間は引き延ばされ私達の休憩時間とされるという事だった。

一番動揺しているのは第2第3の両王子で、

あの悪態をついていた姿は今はなく、

唖然とした表情で本当に自分達がどうなるか。

想像を巡らせ始めたのかもしれない。

高貴なる死は、眼前になく惨めたらしい最後しか用意されていないと、

帝国は栄誉ある死を与えてくれないと気づいた王子達は少しでも裁きから逃げる為に、

今更ながら必死に無い頭で必死に打開策を考えているのかも知れなかった。

王族として最後まで立派に抵抗して帝国に敗れた王子。

その王子は最後まで英雄の様に崇高で誇り高い心を持っていたのだとでも、

歴史書に書かれる事を思っていたのだろう。

そんな自分達を想像していたのかもしれないのだ。

けれど、残された王族に栄誉を与えてやるほど帝国は甘くない。

と言うより皇帝陛下のご気分は宜しくない事だけは明らかなのだ。

だから、もちろん王子達二人にはより楽しい結末しか用意されていない。


「あ、兄上?」

「兄上、どうにかしてくれ!」


二人の王子は縋る様に王太子を見つめて、なんとか自分達の最後を、

「王族らしく」したいみたいたった。

十分にこういった式典会場で暴れ回って逃げようとした王族に誇りもへったくりも、

ないと思うし、今更取り繕ったってたかが知れているのだ。

話せば話すほど生きぎたない最低の王族と言う烙印が強くなっていっているのに。

もはや皇帝陛下としてもこの無様な醜態を晒し続ける第2第3皇子に期待する所はなく、

淡々と皇帝陛下はた王太子に尋ねたのだ。

それは少しの休憩時間の終わりであり、残りの裁きを伝える時間が再開されたって事で。

はっと時間を引き延ばそうとまた王子達は暴れようとしたのだけれど、

もちろん体力は続かないし、皇帝陛下が話そうとしているのだから、

兵士達に容赦なく取り押さえられながら、跪いた体勢を取らされることになっていた。


「時に王太子よ?国王が新しい王国に向けて旅立ったのだ。

王位継承は行われなかったが…

今、この場にいる王国の最高権力者はお主になった。

そのお主に問いたいのだが…

王国には隠された「男の子の様な可愛らしい姫」がいると聞いたのだが、

事実か?」


勿論王太子は何を言われているのか解らなかった。

けれど「考える素振り」を見せてしまったのだ。

勿論思い当たるのは逃がした「黒薔薇姫」の事だっただろう。

しかしその事は関係ないのだ。

王族に隠し子と言う話はよく聞くけれど、王太子として知りえた情報の中に、

他に姫がいるという事実は「黒薔薇姫」以外にないのだけれど、

その僅かに訪れた沈黙が皇帝陛下の話した「言葉」に信憑性を持たせて、

しまっていたのだった。

その沈黙こそ皇帝陛下が望む者だったのだ。


「実はのう、帝国では新しく「ゲーム」を始める事にしたのだ。

その「ゲーム」の勝者と、健闘者に相応しい商品を探していての?

王国の姫ならその景品として相応しいと思うのだがどう思う?」

「よ、良いお考えかと。

し、しかし我が国に姫は…姫は…おりません」

「いや、いないのであれば作れば良いだろう?」

「そ、それは我が妃に、こ、子供を作らせると?」

「…バカな事を申すな。

そんな悠長に貴様の子供が生まれるのを待ってやる道理が無かろう。

そこにいるではないか。

これから「姫」になられる王族が」


そう言いながら指刺された場所にいたのは、第2王子と第3王子だったのだ。

王太子としても理解が出来ない事態だったとは思う。

けれど皇帝陛下は揺るがない。


「ワシも悪戯に命を奪うのは忍びないと思ってのぅ。

今回戦争に係った「王族」は国王以下6名のつもりなのだ。

処罰を受けるのはその6人であって突然現れた「姫」がいたとしたら、

それは処罰の対象にはならんからのぅ。

もちろん、本人達の尊い意志を尊重してやろうと思うのだがの?

「姫」がいないと言うのであれば、

王子として国王陛下の下で仲良く暮らす事も許してやろう。

さて「王子」と「国王」の下で暮らすか。

「姫」として生きるか何方が良いかの?」


それは王子達にとっては究極の選択だった。

ゲームの景品の女として生き恥をさらすのか、

それとも帝国で死ぬのか。

けれど国王の中で責任ある国王と王妃に王太子と王太子妃に守られていた、

第2第3王子達に王族として死ぬ覚悟が出来ている訳が無かったのだ。

彼等はこの場面になっても自分で判断する頭はないのだ。

王太子の判断に身を委ねると言う暴挙しか思いつかない。

眼前に迫られるこの場で死ぬのか、

それとも生き恥をさらすのかなんて問題なら、

もちろん生き恥をさらしてでも、この場を切り抜けたいと考えるのが必然。

けれど生きたいと思っても生かして貰う事が当然だった彼等は、

その判断を自分で下さないで、第2第3王子は王太子と顔を見合わせて、

視線で必死に会話をし始めるのだ。

第2第3王子が求めるのはもちろん玉虫色の回答で、

この場を生きて切り抜ける選択肢はないのだ。

けれど、解っていながら王太子に二人の王子は玉虫色の回答を、

出せ出せと訴える事しかしないのだ。


―兄上!死にたくない!別の方法を提案してくれ!―

―死にたくない姫も嫌だ!―

―生きていればお家再興だって出来る!生き恥をさらしても生きてくれ!―


首を上下に振ったりしながら無言の会話が、

3人の王子達の間で繰り広げられた解りきった回答しかないのに。

3人の無様な擦り付け合いは無言のまま続けられたのだ。

ふと、こんな醜い言い争いは頬って置いて、

王太子に先に判決を伝えればいいのにと思ったのだけれど、

王太子の裁きが後にされている理由はその辺りにあるみたいだった。

王国最後の王位継承権を持つ王太子が「姫」がいると宣言すれば、

その瞬間「姫」が誕生するかららしい。不思議な理論があるものだ。


第2第3王子が実は幻想で二人の姫が存在する事が事実とされれば、

王国の未来は、王国の再建はする事が出来るかもしれない。

縦に首をふらない第2第3王子達を、

王太子は睨みつけ頷くように促し続けていたのだった。

とはいえその攻防だって直ぐに終焉を迎える。

討議の時間を与え続けるほど皇帝陛下は甘くないのだ。


「王太子よ?

我が帝国の妃達も疲れておるのだ。

そろそろ決めてくれると嬉しいのだがの?」


それは最終通告。

断れば国王と同じ場所に送られる。

その恐怖に王子達は耐えられなかった。

最後は、二人そろって頷いたのだ。


「ふ、二人の姫がおりました…」

「そうか。そうか。

では王国の姫君はゲームの景品として立派に生きられる様にしてやろう」、


「あ兄上!や、やっぱりいいぁぁぁぁぁぁ」

「や、辞めてく、王族らしいさいうぐぅ」


二人の王子はその場で轡を噛まされた後、押し倒されて背中を兵士に、

踏みつけられ続ける事になったのだ。

処遇は決定したけれどまだ何もしないみたいだった。

と言うのも最後の裁きを言わなくてはいけないから仕方がない。

まだ王太子と王太子妃が残っているのだから。


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