異世界召喚された私は姫様の影武者として生かされ、そして復讐を誓う【14-2】
それから何度目かの診察を受けた私はやっとお許しが出たのだ。
「もうそろそろ大丈夫ですよリハビリを開始しても」
その言葉になんとなく喜んで返事をしていたのだ。
けれどその医師と魔法使いに言われてしまったのだ…
「皇子、しばらくは、優しく愛を注いてあげて下さい。
第3皇子妃の足りない魔力を補うのには貴方の愛が一番、
第3皇子妃の体には良いのですから。
で・す・が、絶対に無理はさせてはいけませんよ!」
「…解った」
その日は、久々に体を拭くのではなくて矯正具を外してもらって、
浴室で湯舟に浸かりながら綺麗に洗ってもらったのだ。
けれど自分の肌を綺麗に洗ってもらっているのに、
まるでそう言った感覚は無かったから…
何も感じなかったのだった。
けれど…
「あっああっ」
その日の夜は私は皇子の上でぴょんぴょん跳ねて、
うさぎさんになったのだ。
ただ、あったかくて…気持ちよくて…
満たされた夜を過ごしたのだった。
良く解らないのだけれど私が求める体の動きをしていたのだと思う。
次の日の朝は妙に清々しい気分で起きる事が出来て…
けれど、侍女達は私を見てびっくりしていたのだった。
「お、おはようございます第3皇子妃様」
「お、はよ…」
「ご気分はどうでしょうか?」
「とっても疲れてる様な気がするのだけど…
嬉しい気分なのよね…」
「!それは宜しゅうございました。
今日も嬉しい気分になりたいですか?」
「ええ…嬉しくなりたいわね…」
「!それでは今夜も第3皇子にお願いしておきますが」
私はその問いにただコクリと頷いたのだった。
それからまた2度目の診察を受ける事になったのだ。
「もう、良いでしょう」
「お体の再構成は完了しています。
後はリハビリあるのみです」
その言葉を聞いてやっと皆がほっとしたのを感じ取ったのだった。
医師と魔法使いの診断結果にその言葉を聞いていた周囲の侍女達や、
皇子の騎士達は喜び半分恥ずかしさ半分と言った状態だったのだ。
「では。認識阻害の術式を閉じますね…」
そう言われた瞬間、私の中でぼーっとした部分が消し去ったのだ。
…それは、まあ意識がはっきりとして来て、恥ずかしさ半分嬉しさ半分だった。
だって。
だってそれはもう、
私はうさぎさんの様に毎晩毎晩ぴょんぴょんと、
第3皇子の上で跳ねさせてもらって、「愛」を注がれ続けていたのよ。
第3皇子に「愛」を注いでも経っていたのよ!ま、毎日…
夫婦だし?お、おかしな事じゃないし…
でも、でもね…
「わたし うさぎさんになったの。
ぴょんぴょんなの。
皇子?うさぎさんの私は可愛い?」
「ああ…可愛いぞ」
「ぴょんぴょん上手に出来てる?」
「出来てる出来てる」
「えへへ…」
…わ、忘れたい。
忘れさせてほしい。
「だ、第3皇子妃様はと、とっても愛らしかったですよ」
「と、隣の部屋まで聞こえていたのね…」
「は、はいとても楽しそうに燥いでいらっしゃいましたから…」
この世界の人間でない私の体はもともと魔力が低いのだ。
その代り器としては大きいみたいだから魔力を注いて貰えれば、
それはそれは効率よくに魔力が馴染むのだ。
だから失った体の部位を支える魔力は多い方が良い。
だから皇子に愛してもらって愛を沢山注いでもらったから、
体の回復も早かった。
体の再生が上手くいかないとストレスと現実を体の中身が無くなった事を、
直視すればそのギャップに耐えられなくなって、
ショック死する可能性も考えて一時的に私の思考を、
ぼんやりする魔法が掛けられていたのだ。
そのお陰で、一番体の内部を失っていた時期をストレスを感じたり、
体が狂っている事を認識しないでいられたのだから…
仕方ないと割り切りたい…。
け、けど「うさぎさん」は、もう少し別の訴えをしなさいよ私…
それ以上は恥ずかしくて考える事が出来なくなっていたのだった。
ともかく私のリハビリは開始される事になる。
のだけれど…
もう、ベッドの上で「うさぎさん」になってしまった私に恥じらう事など、
…「あまり」なかったのだった。
と言うのも、戦地から返って来た第3皇子は私の有様を見て、
ショックを受けてしまったらしい。
しっかりと意識が覚醒した後、第3皇子は私に説教してきたのだった。
「…お前は!ここまで酷くなっているとは思わなかったぞ…」
「ですが、王国の王族を一網打尽に出来たと思えば安い「安い訳があるか!」」
「一体何の為に戦争を始めたと思っている!」
「…そう、でした」
「なので罰をあたえる」
「はい…」
その罰と言うのが…
お食事だったのだ。
魔法食が終わって、普通のお食事に切り変わった私は、
基本そんなに量を食べる事がは出来ないが、
普通の食事をする事が出来るようなっていた。
とはいえ、もちろん一人でお食事なんて体が動かないから出来ない訳で、
専用に用意されたお食事用のお椅子に腰かけて侍女達に、
食べさせてもらうと言う形になっているのだ。
とはいえ、まだまだ何時もの保護具付きのドレスを着せて貰っても、
安定して座っていられる様になっていない私は、
皇子と対面して食事する時には両側から侍女に支えて貰って、
食べさせてもらう事になっていたのだ。
けれど今日は様子が違っていたのだった。
いつもならお食事が始まる直前に椅子に座ってから汚れない様に、
前掛けを付けてもらうのだがその日は何時ものドレスの上から、
何やら嫌な予感がするベルトを腰と肩にとりつけられて…
その体を固定したベルトには、何かに引っ掛ける様にための物が、
背中に取り付けられたのだ。
そして、侍女に抱っこされて連れて行かれた先に待っていたのは、
第3皇子が待っている食事をする場所だった…
のだけれど私の為何時もの椅子は無かったのだ。
「それでは、本日から当分の間、第3皇子妃様のお食事をお願いいたします」
「ああ。これは「御仕置き」だからな」
そう言いながら第3皇子は私を侍女から受け取ったのだけれど…
その顔は真っ赤に染まっていた。もちろん私も同じだった。
もう考えるまでもなかったのだ。
第3皇子は私を受け取ると、そのまま私を自分の膝の上にのせて、
私の背中に取り付けさせたフック状の物を自分の肩へと引っ掛けたのだ。
そ、それは第3皇子の膝の上に大人しく座る形になって…
自分の手は、皇子の手によって膝の上に置かれたのだった。
そ、それは、カップル…
いいえ、イチャラブバカップルのお食事風景…
とでも言えば良いのだろうか…
順番に運ばれてくる、二人分として用意された料理を第3皇子は、
フォークとナイフで綺麗に切り分けで私のお口の運んでくるのだ。
その、なんていうか侍女達は私の口の近くに食べ持を運んでくると、
私がお口を開けるとその中に入れてくれるのだが、
皇子は口の前に差し出されてそれを私が顔を動かして、
啄ばむみたいな食べ方なのだ。
つまり、お膝の上で、「あ~ん」をし続ける事になったのだ。
更に恥ずかしいのが、私の口に正しく食事を運ぶ為と言う理由為に、
いつも私が座っている場所には鏡が置かれて皇子と私の姿を嫌でも、
自分自身で確認する事になる。
嬉しいやら恥ずかしいやら複雑な気分になるのだ。
け、けれど「御仕置き」だから仕方がない。
俯き加減でやっぱり恥ずかしそうにしていると、
「もう、お腹いっぱいになったのか?」
けれど、もう私自身は
「お腹いっぱいです!お食事は終りで良いです!」って言いたかったのだ。
が、
クゥ…
「続けようか…」
私は無言で頷くしかなかったのだ。
正直私の食べるペースは遅いのだけれど、
その私がもぎゅもぎゅしている姿を皇子は微笑ましく見ているのだ。
ただそれでも私が「食べている事」に、ほっとしている事だけは、
なんとなく雰囲気で解ってしまっていた。
食べているって事は、生きているって事なのだ。
栄養を摂取しているという事は、「生きる」という意思表示でもまる。
だから皇子は私が普通の人が食べる「物」を食べている姿は、
思いのほか第3皇子を安心させる効果があるのだった。
とはいえ、こんなお仕置きを受けるのは流石に精神的にキツイ。
私は、なるべく普通に食べたいと願うのだが、
皇子は私を膝に座らせて食べさせるのが「気に入ってしまった」みたいだった。
それから皇子が満足するまでの数日間。
彼は戦争の残務整理をしつつ意地での仕事を終らせて、
夕食は必ず私を膝の上に乗せて食べるのが日課になったのだった。
勿論食事後は侍女に返されてベッドに運ばれる前に、
一通りの検査と矯正具の調整をしながら丁寧に洗われて香り付けされる。
それらの準備が出来れば私は既にベッドで待っている、
第3皇子に渡されるのだ。
そのままに愛してもらって一日が終わるのだ。
なんだろう愛されているのは十分わかっているのだけれど、
もう少し普通の事がしたいなぁ。
早く自由に動ける様になりたいなぁと思いながら、
その夜も私は「うさぎさん」になったのだった。
勿論、朝に侍女がニコニコしながら、
起こしに来るまで全く動けないのは言うまでもない。
皇子が寝室から出ていっても、私が自然に目を覚ますまでは、
寝かせ体力を回復させたいと言うのが侍女達の優しさなのだろう。
ただ、私は満たされた時間を過ごしていた。




