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ドキドキの調理

最近全然書ける脳みそが働かない……


イモ虫フィーバーで思ってたより時間が経ってしまったので慌てて町に戻り、ログアウトして次の日。ユウシと宿の厨房にお邪魔している。女将さんに事情を話すと、空いている時間なら、と快く貸してくれた。大量でなければ水や小麦粉等も使って良いとのこと。太っ腹だ。


「さて、調味料はあるが、肝心の食材は採取した食べられる野草と……イモ虫の肉。」


「………………これは食べられる食材なのか?」


「今日ログイン前に調べたところによると、食べられるらしい。味も悪くないから、この辺りでは安価でポピュラーな食材らしいな……うちのお店では使ってなかったけど、調理方法もOK。多分作れる。」


「ショウ、頼んだぞ。」


「おう。」


イモ虫を倒した時に、糸と粘液の中間くらいのドロップ率だった肉。そこそこの量取れたため、早速使っていくことにしたものの……色はイモ虫と同じ緑色で、血液的な液体は出てこなかったため不明。おそらくゲーム的な処理でアイテムボックスにしまうと無くなる模様。


「まずは……一口大に切った肉を調味料と香辛料で下味をつける。これは少し置いて味を馴染ませるから……ジョン、これそっち置いておいて。」


緑色の肉をまとめて陶器の皿に入れ、しばらく放置。野草の中にはアクが強いものもあるので、適度に茹でてアクとり。これも切って置いておく。


「さて……ユウシ。」


「ん?どうした?」


「ここで問題。料理で骨を使うといえば?」


「あー?……豚骨ラーメン?」


「正解。今回はスープ作るんだけど、ウルフの骨って持ってるか?美味しいかはわからないけど、出汁は取れそう。」


「確かあるぞ。ハズレドロップの骨のカケラとかも含めてちょっとだけ。」


「一掴み分カケラ使いたい。」


「ほいよ。もっと細かく砕くか?」


「やれるならみじん切りくらいまで小さくしたい。」


「流石にそこまで細かくは無理だわよ」


ユウシが、変な口調で笑いながら細かく砕いてくれた骨のカケラを大きめの鍋にポイ、更に採取した香草、購入した香辛料を細かくしてポイ。一煮立ちさせてアクを取ったらもう少し。ゲームならではなのか完成までめっちゃ短縮されててラッキーだな。ザルともう一個の鍋で漉して出汁ができたので、今回分を取り分けて、残りはアイテムボックスへ。液体がそのまま一枠になるのは知らなかったけど助かるな。あとで出汁保存用の鍋を買わないと。出したらその場にぶち撒けるらしい。借りた鍋は返却だ。


「思ってたよりスープって簡単に作れるんだな?」


「バカ言うな。これはゲームだからこんなんで済んでるけど、現実だったら何日も火加減見て煮ながら灰汁取りだし、そもそも初心者がこんなに綺麗に出来ん。」


「そっか。ゲーム様々だな。美味しいご飯たすかる。」


「もうちょい待っといて。」


出汁に茹でた野草と水分を丁寧に拭き取った緑色の肉を入れて更に一煮立ち。肉に火が通れば大丈夫……かな?一応食事用の木のボウルにふたつに分け、洗い物。これはユウシも手伝って食器類を先に片付ける。


「……さて、出来たけど。」


「火が通ると白っぽくなって緑はそんなに気にならないな。普通に美味そう。」


「アイテム名はイモ虫肉の山菜スープだって。効果は空腹ゲージの回復で、説明には簡易的だが出汁をしっかり使っているため旨味があり、家庭の味よりちょっと本格的。って入ってる。品質は良だから並より回復量が多いみたいだな。」


後片付けが終わったので、器を持って厨房から食堂へ。狭めだが木の感じが優しいあたたかい空間で、部屋に続き好きな場所のひとつだ。その中のひとつのテーブルにつき、座っていただきます。


「思ってたよりクセがなくて美味しい。」


「鳥のむね肉っぽい淡白さだけど筋感はないな。基本的に草食だからか臭みもないし。」


「スープにも肉の味らしきものと、骨の出汁っぽいのが混ざって美味しいな。香草も上手くいったみたいだ。」


「これって材料集めればまた作ってくれるか?飽きないしずっと飲める。味噌汁みてぇ。」


良い反応でユウシが食べてくれてよかった。旅に出るなら衣食住の食は大切だから、口に合うなら何より。これからは主食とかも準備しないとな。パスタ系は水が無いと大変だから、ハード系のビスケットとか乾燥パンとか探さないと。スープが持ち運べるなら、浸して食べるとか、割って入れてオートミールみたいに使うとかすればよさそう。


「出汁がまだあるからスープはまた作れるけど、中に入ってる具は無いから同じ味かは分からないな。野菜とか買えばまた味が違うだろうし。」


「あー、なるほど。今回取れた山菜を入れてるから、全く同じ山菜が取れるか分からないってことか。」


「そうそう。もし外で食べるなら、乾燥した野菜とか、乾燥パンとか用意して、もっとキャンプっぽい感じにするのも楽しそう。」


「キャンプか!それも良いなぁ。そういえばまだちゃんと遠出の支度してないからそう言う店は行った事ないな。次の戦闘のあと、市場がまだ開いてたら行ってみるか。」


「そうだな。少しずつお金も貯めて、道具も揃えないと。まずは出汁を沸かす用の鍋と保管用の鍋、食べる用の器だな。」


「えっ、出汁って液体そのまま入ってんの?」


「うん。アイテムボックス様々。鍋は借りてるやつだから返さなきゃいけないしね。」


「鍋が借り物なのは納得なんだが、スープの中身のみ収納できるのは分からん。アイテムボックスってすごいんだな……まぁ資金は先に作らないといけないか。ウルフの牙とかこれからすぐに集まりそうなものは一旦売って、先に鍋だけ買おう。メシ大事。作るスキルはあるけど、専門の鍛冶屋が作ってくれてる方が絶対長持ちする。」


「分かった。市場で保存食も多少見て、遠出のための準備をしよう。」


今後のスケジュールが多少決まったので、早速女将さんに声をかけ、感謝と外に出ることを伝えたところ、こちらも笑顔が移ってしまいそうな明るい表情で送り出してくれた。2人で大きく手を振りながら、宿を出発する。


これからもう少し書けるようになると思います。

漸く環境を変えられたので。

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