3. ライバルに会ってしまいましたわ、、、。
読んでみて下さい…!!!
「これで、授業を終わります。」
鐘が鳴る。
今日はエリーゼと帰ろうかしら。
御令嬢達に挨拶を済ませ、真っ先に殿下へと駆け寄った。
「すみませんが、今日は一緒には帰れません。」
「先約がいるのか?」
「えぇ、そうですわ。」
「そっか…。またね、ティア。」
何か残念そうな顔…?
「ご機嫌よう。」
戸惑いながらも、にこりと笑ってさようならをして、エリーゼの教室へ向かった。
エリーゼと違う教室なのが厄介なのよね。
私のクラスがMー1クラスで、エリーゼがMー2クラス…。
王族は絶対Mー1、それ以外の人は貴族や賢さで分かれるのよね。
平民と貴族はクラスが分かれていて、普段は会う事は無いのだけど。
最初の『校門イベント』で、ヒロインと出会っちゃうのよね。
そこで初めに、後ろからぶつかってきたヒロインにティアレーナが「貴方、庶民のくせに私や殿下に触るなんて、気持ちが悪いわ。」
と、冷たい目で言い放すティアレーナ、ちょっと格好良かったな。
だって、あくまでもヒロインは庶民なのよ?
それなのに、侯爵令嬢と王子にぶつかるなんて、無礼にも程がある思うわ。
そんな事を考えながら、廊下を歩いていた。
「––あら、奇遇ですね。ティアレーナ様。」
背筋が凍るような、聞き覚えがあるこの冷たい声。
「っ!…シェリア、様。」
面倒な人に会ってしまったわ。
ブラウン・シェリア。
彼女もまた私と同じこのゲームの悪役令嬢。
裏からは『紅の女王』と呼ばれているらしいわ。
「ふふっ!ご機嫌よう。」
「ご機嫌よう…。私に、何か用でしょうか。」
「えぇ。貴方、少し殿下にべったり過ぎるのではなくて?」
「…周りからはそう思われているのでしょうね。ですが、いつもという訳じゃないですわ。」
「嘘おっしゃい!今日だって、殿下と一緒に帰るのでしょうっ?!」
「違いますわ。今日は、ジョーンズ・エリーゼ様と帰る予定ですわ。」
「何ですって!!」
「シェリア様。私がお気に召さないなら、どうぞ私を陥れて下さい。ただし、その時は––、ご覚悟して下さいね。」
すぐに叔父様に言いますから、とも付け加える。
わざとらしくくすりと笑う。
「お、覚えてなさい…!」
「そんなこと言わなくても、覚えていますわ。では失礼。」
私は早歩きでエリーゼの教室へ向かった。
「絶対に許さないわ!!スミス・ティアレーナ!婚約者候補から外してやる…!」
きっと、恨めしそうに、私の後ろ姿を見つめているのに違いないわ。
とってもすっきりしたわ。
ここが、エリーゼの教室ね。
「あ…!ティア!」
あら、1番に教室のドアから出てきたわ。
「エリーゼ!お疲れ様。」
「うちのクラス終わるの遅いからね…。」
「ところで、放課後予定ある?」
「ないけど…?」
「付き合って欲しいところがあるのよ。」
そう言って、私はニヤリと怪しい笑顔を向けたのだった。
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