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妖精ずんちゃのお仕置き

作者: よつば 綴



我儘(わがまま)を言うと現れる。

傲慢(ごうまん)、自己中心的、無責任、嘘吐き…

そんな悪い(やから)にお仕置きをしにやってくる。


見た目は恐ろしい。

けれどもお茶目なソレの名はずんちゃ。


ふよふよ、ふよふよ…

ずんちゃは悪い子のもとへと舞い降りた…



ずんちゃは左手首から先しかない。

大きく見開かれた禍々(まがまが)しい蛇の様な瞳に、顎が外れ開きっぱなしの口には二本の八重歯が生え、だらりと(よだれ)を垂らしている。

ふわふわと飛んで来て、聞き分けのない餓鬼(がき)に仕置きをする。


腕に降り立ち、俊敏(しゅんびん)な動きで(またた)く間に脇までやって来る。

そして、絶え間ない攻撃が始まる…。


脇や腰、足の付け根、ありとあらゆる処をくすぐってくる。

容赦(ようしゃ)など無く執拗(しつよう)に、懇願しようともやめてはもらえない。


ヒィ…ヒィ……と、息も絶え絶えになり大粒の涙を流しながら謝罪(しゃざい)し許しを()えば、ずんちゃは一つ問うてくる。


―モウ悪イ事ヲシナイカ―


この問いに躊躇(ためら)わず「はい」と答えられれば、ずんちゃは(きびす)を返し空へ消えてゆく。

万が一にも答えられねば、更なる苦しみへの扉を開くことになるだろう。


ずんちゃはいつだって悪い子を探している。

何処からか現れ、幼子(おさなご)(いまし)める。


ずんちゃ、ずんちゃ、ずんちゃ…

おどろおどろしい鳴き声が聞こえたならば、とにかく罪を認め謝るのが身の為だろう。




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― 新着の感想 ―
[一言] 名前は可愛いのにちょっと怖いずんちゃ! 面白かったです。
2023/04/25 11:59 退会済み
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[一言] ただひたすらにくすぐられるとは、なんと恐ろしいお仕置きなのでしょう。 ずんちゃに目を付けられないよう、いい子で過ごそうと思いました。
[一言] 妖精ずんちゃの正体はお父さんかお母さんか、それとも両方の合わせ技なのでしょうか。 小さい子って、両手の指をわきわきさせる動作だけで「きゃ〜」とくすぐったそうに身をよじりますよね。 仲良し…
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