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忘れちまった夢の雫

忘れちまったそんなこと

ただ寂しさだけが残るのみ


祭りの後だね抜け殻の

僕が描いた残像が

今も時折気にかかる


今ひとたびに旅に出よう

志しなどそのうちに

行き当たるかもしれないし


やがて日差しが強まりぬ

明け方からの時の移ろい


忘れていたもの探してと

あの日貴方が口ずさむ

そうねラララと口ずさむ


目に見えぬもの信じなさい

今に大きく花開き

空に吸われて放たれて

未知の星屑掴んでと

涙を噛んで吹き消して

今日のこの日もいざ知らず

浅き夢見て抱きつつ

唯道だけが続いてる


決してやまない雨も無く

決して暮れない陽もあらず


忘れちまえと人の言う

忘れちまえよと僕に告ぐ

そんなに急いでどうしても

こんなに苦労をし尽くして

一体誰にといざ知らず


夏の日差しも残酷に

蝉の呼び声高らかに

入道雲を掴みたく

かざす手の上限りなく

幻追うのかいつまでも

そして尚且つ遠のいて


それで誰かが幸せに

笑ってくれる陽炎の

その優しさに会いたくて

涙を噛んで描きつつ

筆折ることもできぬまま

後ろの正面振り向かず

前だけジッと見つめてる


そっと誰かに問いかけて

ずっとこのまま飽きもせず

空に吸われて飛んでゆく

蝉にお別れさようなら

又会いたいね御機嫌よう


どうか分けてはくれないか

そのひと時の微笑を


楽しかったねあの頃の

ともに描いた生活も

残りわずかと知りつつも

焦りもせずに微笑んで

くれた女神はいずこへと

陽の光にも負けぬよな

輝きだけが胸に住む


忘れちまった今にして

何故想うのか今更に

無常な日々の綴りなら

スラスラ駆けます一息に

走り続けて辿り着く

なのに灯火つけづらく

宛を失い漂えば

泣きかただけを思い出す


夢が泣いてるポロポロロ

雫となりますポロポロロ

原稿用紙に滴りて

蛍が点るポロポロロ


夕暮れ時に想い出す

明日はいい日にしてくれと

少しは愛をくれないか

いい日にしてよとポロポロロ


忘れちまった夢たちが

今日もお空で輝いて

そして僕らを照らしてる

じんわり僕らを照らしつつ

木陰で僕だけポロポロロ

残残降りですザーザーと

ほんとはザーザー降っていて

夕立待たずにザーザーと

心の澱は流れずに

浸って冷たくなってゆく


忘れちまったそんなこと

ただ寂しさだけが残るのみ


~fin~






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― 新着の感想 ―
[良い点] とても綺麗な詩です。 [気になる点] 特になし。 [一言] 全てを許せる。そんな詩です。感動しました。ありがとうございます。心の傷が癒えました。
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