3,妹はやっぱりブラコンですか?
不定期過ぎてすみません!
お楽しみください。
ビビビビビビビビビビビッ......カチッ
昨夜はあまり眠れなかった。
だって、今日はバイトの面接日だもん!もしかしたら、あの高時給の職場で働けるかもしれないのだ。ワクワクするに決まってる。
おっと、そろそろ支度をしないと学校に遅れそうだ。
俺は着替えてカバンを持って、リビングに向かった。
リビングには妹が朝食と弁当を作って待っていた。俺の妹ってホントに優秀だよな。いや、「俺」関係ないか。でも、お兄ちゃんとして鼻が高いです。
朝食をとって、弁当を受け取ると有栖と一緒に家を出る。中学と高校の方向は違うのですぐに別れるが、大体は一緒に出る。
俺は有栖の頭をポンポンと撫でて、学校に行こうとすると、不意に有栖が俺に抱きついてきた。
「お、おい。何やってんだよ、有栖」
「これは、毎朝恒例のおにぃ成分の吸収だよ?」
あたかも、いつも通りみたいな顔してるけど、いつもしてないから。ま、まあ可愛いから許す。
「ほらほら、どうしたんだよ。そろそろ、学校行かないと遅刻するぞ」
「なんか、女の感が今日は良くないことが起こるって......」
「はいはい、そういうのいいから。気をつけていくんだぞ。じゃあ行ってきます」
俺は、本気で遅刻しそうなのでダッシュで学校に向かう。べ、別に逃げたわけじゃないからね。
妹は俺から見ても相当ブラコンだが、俺も意外と妹に甘すぎるかもしれない。でも、両親が近くにいないのだから、頼れるお兄ちゃんでいてやりたいからな~。
◆
ハァハァ、ふぅう。
何とか、遅刻せずに学校に着くことが出来た。遅刻するとホームルーム中に教室に入ることになるからな。そんな恥ずかしいのは御免だ。
「あれ?蓮。今日はゆっくりだなぁ。ブラコンな妹ちゃんといちゃいちゃでもしていたのか?」
あー。なんか、変態野郎の声が聞こえたような。いや、気のせいだろう。そうに決まってる。うんうん。
「おい!無視すんなよ蓮!今日もたい焼き奢らせるぞー」
「あ、ホントすんませんでした。許して下さい」
変態野郎こと恭一が、脅してきやがった。でも、連日の奢りはキツいからな。仕方ない、ここは一旦引いてやろう。
「はーい、席についてー。ホームルーム始めるよー。早く座らないと......昨日の婚活の成果発表でこの時間終わっちゃうよォォォォ」
死人のような顔で先生が入ってきたので、みんなすぐに席に座った。いやはや、婚活って怖いね。
今日のホームルームは結局先生の婚活失敗話で終わってしまった。
◆
放課後。リア充にとっては青春の時間。帰宅部にとっては早く家に帰りたいの一心だ。でも、今日の俺は一味違う。なぜならっ、バイトの面接があるからだ。
今日こそは絶対に受かってやる。もう恭一に色々言われたくないしな。
「なぁ、蓮。お前今日バイトの面接だろ?頑張れよ」
「おう!あったりまえだ。ここ受かれば、お前より時給高いんだぜ」
荷物をまとめて、クラウチングスタートを決めようとしていた俺にニヤニヤしながら恭一が言ってきた。
「まっ、失敗話ならいくらでも聞くぜ?あとは恋の話とかな」
「今回は絶対受かるから!じゃあな」
俺は廊下で華麗なクラウチングスタートを決めて、家まで走った。俺の後ろでは、キューピッド先生が恭一に、恋の話と失敗話ならいくらでも聞いてくれるんだよね、と言って恭一を引きずっている姿が見えた。
ドンマイ、恭一。そして、ざまぁ。
お楽しみいただけたでしょうか。
誤字・脱字報告、ブックマーク、感想、評価などお待ちしています。
次話の励みになりますので!