1,始業式に大ニュースですか?
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「行ってきまーす!」
そう言って俺は家を飛び出した。しかし、もう少しで戸が閉まるところで妹の有栖に呼び止められた。
「ちょっと、おにぃ!弁当忘れてるよ!」
「あっぶねぇ~、忘れてたぜ。サンキューな、有栖」
さすが俺の妹だ。しっかりしている。まあ俺は、しっかり者ではないから”俺の”の部分は関係ないだろう。俺は、玄関前で有栖から弁当を渡され、すぐにかばんの中にしまった。
「じゃあ気を取り直して。行ってきまーす!」
◆
俺の名前は、一条 蓮。どこにでもいる普通の高校1年生だ。両親は海外赴任中で共働きである。そして、ほとんど家には帰ってこない。
だから家では、妹の有栖と二人暮らしだ。有栖は、中学3年生で受験真っ盛りだ。
俺の夢は、金持ちになって、妹や家族と一緒に楽しく暮らすことだ。一応、バイト探しをしてはいるが、まったく採用されない。そろそろ、なんとかバイト見つけないとなぁ。
そろそろ、学校が見えてきた。今日は二学期の始業式がある。そして、そこで重大発表があるとかなんとか......。とりあえず、俺は自分の教室に荷物を置いて体育館に向かった。
俺がちょうど体育館に着いたころ、自分のクラス列の辺りで俺に手を振っている奴がいた。あいつは、一応俺の親友でちょっとうざったくて変態な小宮 恭一だ。なんで、女の子じゃなくて野郎に手を振られなきゃいかんのだ。
「おっはよーう、俺の親友よ。今日もよい天気だねえ」
「ああ、おはよう」
「なんだよぉ、そっけねぇなぁ。てか、なぁなぁ重大な発表って何だと思う?俺はやっぱ、我ら1年3組担任 婚活しても毎回失敗、まさに百戦百敗、友達の結婚式ばかり出ていたら、愛称はキューピッドに、そんな彼女についに男の影ガァァァァァァ!!!!」
「うるさいわっ!まあなんでもいいじゃん、どうせ俺らには関係ねえし」
「そういえばさ、おまえ5組の西園寺と......。」
そんなふうに恭一と雑談していると、生徒会から全員へ声がかかった。
「皆さん、静かにしてください。これから、二学期始業式を始めます。まずは校長先生からお話をいただきます。校長先生......」
今日もまた、長い長い校長の話が始まった。それから、諸連絡がすむと始業式は無事終わった。またもや、生徒会から全員に声がかかった。
「さて、皆さんお待ちかねの重大発表に移りたいと思います!それでは、1年5組 西園寺 理音さん、お願いします」
周りが、なんだなんだ、とざわついていると西園寺と呼ばれた女子生徒が壇上へと登って行った。
彼女はマイクの前に立ち、深く一礼すると一歩踏み出した。あまりにも彼女の所作と容姿が美しく、ガヤガヤとしていた雰囲気はいつの間にかなくなっていた。
「この度、私、西園寺 理音は2年2組 本堂 香澄先輩から、生徒会長の役目を引き継ぎました。急な交代に不安のある方もいらっしゃると思いますが、新生徒会長として精一杯努めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
彼女は、綺麗なターンをして自席へと戻って行った。しばらくは周りは唖然とした顔だったが、やがて現実を受け入れたようで、マジかよとか、西園寺ってあの超お金持ちだよなとか、口々に言っていた。
「これで重大発表は終わりとなります。それでは3年生から退場してください」
そう生徒会が声をかけ、そのまま始業式と重大発表は幕を閉じた。
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